Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
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[Review] It’s Here / カヒミ・カリィ
2010年 07月 12日 (月) 07:34 | 編集
It’s Here / カヒミ・カリィ
" It’s Here " / カヒミ・カリィ

 7thアルバム。"Trapeziste"が自分の音楽を見つけるための実験への門出、前作"NUNKI"が実験の極致だとしたら、今作はその実験をものにして自信と共に祝福しているようなアルバムだ。彼女のような音楽性が変わり続けている音楽家にとって安住の地は無いのかもしれないが、しかしキャリアを積み上げを確かめるように自然に、しなやかに流れる今作を見るに「到達した」という思いがする。このタイトルに関してもそういった意味が含まれているのではないだろうか。
 今作が到達したとさえ感じるのは今作を構成する要素が絶妙に、しっくりと「嵌っている」からだ。まず、前作同様にたジム・オルークや大友良英がプロデューサーとして参加。最早お馴染みの面子といっても良い二人が参加することで、生々しさと地に足を付けたバンド感が存在する。そして、意識せずとも鳴り続ける心臓の鼓動のようなアフリカン・パーカッションとポスト・ロック以降の多層なサウンド、そこに乗せられる彼女の歌の調和が素晴らしい。今回このサウンドの骨格が彼女自身の手で作られたことは驚きだが、それ以上に彼女の歌の説得力が上がっていることに耳を奪われた。何かと「ウィスパーボイス」で片付けられてきた彼女の歌だが、はっきりと「カヒミ・カリィの歌」になっていて形式から解き放たれた自由を感じる。これは近年の代表作になり得るものにして、今後の活動も期待させる充実作だ。

★★★★ ( 2010 )

[Review] TO THE LOVELESS / Boom Boom Satellites
2010年 06月 14日 (月) 02:58 | 編集

" TO THE LOVELESS " / Boom Boom Satellites

 7thアルバム。「愛なき者へ」、彼らにしてはやけに直接的に意味を考えさせるタイトルである。ただこれはいわゆる愛のことを差しているわけではなく、没個性化した音楽業界や我々の音楽の聴き方に対して一石を投じるという志を表しているらしい。確かにこのアルバムの作りこみは凄い。製作期間2年、収録時間70分を超える本作の一音たりとも妥協は感じられない。
 強靭なドラムサウンド、ノイジーなエフェクト、ピアノやアコースティックなどの生音、ストリングスなど耳を澄ませばどこまでも音が積み上げられているのが分かる。それがバリエーション豊かなメロディーと共に拡散していく瞬間はたまらなく快楽に満ちている。ヴォーカルもますます自信たっぷりと歌い上げており、聴き手を鼓舞しているかのようだ。"BACK ON MY FEET"から始まる前半の疾走感溢れるブンブン流ロックな楽曲も素晴らしいし、"STAY"に顕著な後半のスケールが大きいスペーシーな楽曲も素晴らしい。いちいち展開が仰々しく長尺なのだが、アルバム全体の流れが良いのでそれが苦にならない。
 "Full of Elevating Pleasures"から進めてきたロック路線と、それ以前の意識の深層部へ問いかけるような内省が合わさっているような集大成とも言える圧倒的な作品だ。聴き手を選ばないキャッチーさを持っていながら、自分達の世界観も深化させているという理想的な着地点に到達しているのではないだろうか。最早10年選手になることすら難しい現在のシーンの中で、ここまでブレずにかつリスナーが肥大化していくという存在は稀有。職人気質なクリエイターの底力を見た。

★★★★☆ ( 2010 )

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"19972007"レビュー
[Review] QUADRINITY -MEMBER’S BEST SELECTIONS- / L'Arc-en-Ciel
2010年 03月 11日 (木) 07:04 | 編集

" QUADRINITY -MEMBER’S BEST SELECTIONS- " / L'Arc-en-Ciel

 作曲者がメンバー全員の4人、そしてそれをディスク4枚に分けてみました!っていう恐ろしいベスト・アルバム。海外のバンドでも聞いたことないよこんなの。ベストなんで曲の解説をしても面白くないので、いつもとは違う感じで書いていこうかな。「洋楽リスナーの方でラルク好きは珍しい」なんてコメントを頂いたことがあるので洋楽リスナーの皆様に向けて。

 「拝啓  洋楽リスナーの皆様へ。

 今回は邦楽でも有数の成功しているバンド、ラルク・アン・シエルについて解説をさせて頂きます。「なんでそんなルックスだけのアイドルバンド聴いてんの?」っていうご意見は重々承知しております。私もそう思っていた時期が長くございましたので、よく理解が出来ます。ただこのように薦めさせて頂いているのは、他でもない、彼らが面白い音楽をやっているからであります。
 彼らの音楽が何故面白いのかと言えば、それは各メンバーの音楽的趣味の違いから来ています。グラム、ゴス、インダストリアル、ニューウェイヴ、メタルなどそれぞれが要とする音楽性の違いから、作曲者ごとに全く趣向の異なる楽曲を生み出すことが出来るのです(当然演奏力がそれを支えています)。邦洋探してもここまで楽曲のふり幅の大きいバンドと言うのは珍しいのではないでしょうか。今回のベスト・アルバムもそのことを誇示するかのように制作されています。
 ただ、ただ単に洋楽を参照しているから優れているというわけではありません。彼らが「邦楽」であることは、彼らが一番理解しています。それが現れているのがメロディーセンスと歌詞です。前者に関しては賛否両論あると思うのですが、メロディーは邦楽的(歌謡曲的)な抑揚があり耳馴染みが良いものばかり。これが彼らがメジャーバンドに押し上げた一つの要因と言っても良いでしょう。特にベーシストのtetsuyaが書くポップなメロディーはスタジアム・バンドとしての説得力を、ギタリストのkenが書く耽美なメロディーは彼らの持つ美意識を一際生彩にする役割を果たしています。次に、歌詞についてですが、hydeの書く歌詞は基本的に直接的な表現を避けた比喩の元に出来ています。邦楽の歌詞で揶揄されることが多い「愛だの恋だの」という歌詞はあまり見受けられず、死を連想するものや、輪廻転生、第三者からの視点から語られるものなど幻想的なものが多いのが特徴かと。彼の英語の発音から察するに恐らく彼は英語が堪能ではなく、そのため日本語の豊かさを大事にしているのではないかと思っています。このメロディーセンスと歌詞が、彼らの音楽を洋楽の物まねから脱却させているのです。
 しかし、彼らにも問題はあります。まずは、最大の(?)批判の対称になっている化粧について。これは私も正直いつまで続けるんだと思っていますが、洋楽リスナーの皆様なら彼らのルーツを知れば理解して頂けると思います。つまりはグラム・ロックとニューウェイヴの影響です。キュアーが化粧をし続けているように彼らも化粧をし続けるのだと思います。現在も人気である「ヴィジュアル系」のバンドとは目的が異なるので、並列に語ることは出来ないでしょう。次に、ファンの足元を見すぎではないかと思うほどの価格の高さとリリース。ライヴDVDが毎回7980円もしますし、写真集や、ベストなども出しまくっています。私は全てを追いかけているわけではないですが、ちょっとどうかと思っています。ただレコード会社の意見もあるでしょうし、メジャーバンドの宿命と言う側面もあるので、笑って流して頂ければ。
 今回このように薦めさせて頂きましたが、当然聴くことを強いているわけではありません。洋楽リスナーの皆様の「聴かずしての」偏見を少しでも減らし、皆様のプレイリストの一部となれば幸いということでございます。とりあえずレンタルなどでベスト・アルバムなどお試しされては如何でしょうか。レンタルの際は、今回のものであれば作曲者毎の色の違いを、以前のものであれば彼らのヒットメーカーとしての確かさを理解して頂けると思います。
 
 以上甚だ乱文ながら、失礼いたしました。  敬具」

 ちょっとやりすぎたかな・・・うーん。

( 2010 , Best of )


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THE BEST OF スチャダラパー1990-2010 / スチャダラパー
2010年 03月 01日 (月) 11:14 | 編集
THE BEST OF スチャダラパー1990-2010  / スチャダラパー
" THE BEST OF スチャダラパー1990-2010 " / スチャダラパー

 スチャダラパー20周年を記念するオールタイム・ベスト。本場USヒップ・ホップはおろか日本語ラップさえも掘り下げるほどは聴いていない自分でも、20年間この国でラップでサバイブすることの難しさは分かる。「え?ラップ何それ」、「楽器が出来ないやつがやるんだろ?」っていう目もあったであろう時代から、今の今までやり続けているっていうのは凄いことだ。しかもやたら楽しそうにやっているように見えて(気楽ということではなくて)、良いなぁこんな大人になりたいなぁと思わせている空気感を保っているって言うのが凄い。
 彼らの何が素晴らしいかって、まさに日本語で出来るヒップホップの面白さをいち早く見つけたこと。今でも多いUS直輸入のハードコア/ギャングスタ的なラップをデビュー時から回避し、日本語らしい言い回しだとかゲームとか夏休みとかを題材にする日常的なラップを展開した。いわゆる、これが「オモロラップ」ということなのだろうが、ただ単に面白いだけではなくしっかりとヒップホップマナーを踏襲した(韻やビート)内容で、チクリと社会批判までもしてしまう。"スチャダランゲージ~質問:アレは何だ?~"の「アレ」という普遍的な日本語で繋いでいく神業的な巧さ、"ゲームボーイズ"の男子なら誰でも共感できるリリックと8bitを織り交ぜたセンスの良いトラック、"サマージャム '95"の細かいが納得の日常的描写、09年の"Under The Sun"の「○○さん」で繋ぐ怖いと同時にニヤリと出来る展開(今作には未収録)などは、初めて聴いたとき色々な意味で凄いと思った。日本語ラップの文脈であまり大きく語られない彼らだが、それはある意味で孤高な存在だということだと思う(なんとなく孤高って言葉が似合わないけど)。
 でも、例えばスチャダラの影響下にあるリップやキック、又は今流行のその他大勢が好きな若い子がこのベストを手にとってもピンと来ないんだろうなぁという気はする。やっぱベストで並べて聴いてみると分かるけど、良くも悪くもサブカルだからね、スチャダラって。女の子はネタが分からない人が大半じゃないかな・・・。ポップスへ落とし込む、ということも無くあくまでもヒップホップ然としているし。もちろん、それが一番の魅力であって、もっと聴かれて欲しいからこそこうやって末尾に書いているんだけどね。

( 2010, Best Of )

19972007 / Boom Boom Satellites
2010年 02月 04日 (木) 06:30 | 編集

" 19972007 " / Boom Boom Satellites

 メンバー自身が選曲、編集、マスタリングまで施した、ベストアルバム。ここまでベストに力を入れて制作している人っているのかってぐらい真面目で、ほとんどオリジナル持っているのに敬意を表して購入してしまった。そして今作は、海外で先にデビューし英語で歌っているからという理由で洋楽チャート1位を獲得したらしい(なんじゃそりゃ)。確かに最近の彼らのマスに対するアピールは以前にも増しているし、フェスなどで見てもしっかりと受け入れられていると思う。ブレイクビーツ、テクノ路線からロック寄りにシフトしたことが大きいのだろうが、基本的には彼らは職人気質だと思うので聴きやすくなっていたとしても手抜きは一切ない。だから初期のアングラな感じが好きだという意見もよく分かるのだけど、自分はブンブンに関しては全時期好きなんだよなぁ(変わり続けるって言うのも美しいと思うしね)。
 2枚組みで約140分あるのだが、今作が流れというもの意識した最早「新作」と呼べるものになっているので、中だるみは感じない。むしろ彼らの歩んできた道が一切妥協無く歩まれていたことをまじまじと見せ付けられて、ますます好きになってしまう不思議なベスト盤になっている。ベストっていったら10年分もあれば普通は懐かしいと思うんだけど、そういう懐古は一切無いな。リズムに対する探究心、音の緻密さ、快楽性どれをとっても一級で国宝級の彼らの道筋を是非たどるべし。今まで聴いていた人はもちろん、入門編にもオススメな極上のベスト。さて、次作に関しては"BACK ON MY FEET"しかまだ判断材料が無いわけだが、このベストを経てまた新たな旅立ちになっているのかな?今作が「新作のように」作られた分ベストに負けないぐらい素晴らしいものを作りたいと語っていたが(相変わらず真面目で微笑ましい)、今からそれが楽しみだ。

( 2010 , Best Of )
COMPLETE SICKS / The Yellow Monkey
2010年 01月 30日 (土) 05:34 | 編集

" COMPLETE SICKS " / The Yellow Monkey

 この20周年を機にイエモンの作品を色々と聴き返してみた(そういう人多いんじゃないだろうか)。で、聴き返してみると、存在していたのが奇跡と思えるような、否、逆に胸張って自分達と同じ時代には彼らが居たんだよって言いたくなるような、稀有な存在だったことを再確認する。黄色い猿という自虐を背にしスタートした彼らは白人が作り上げたロックというものに真摯に向き合いつつも、時にそれを捨て独自のロックというものを模索し続けた。吉井和哉のどこをどう切っても日本的/歌謡曲的な歌詞とメロディーによってある意味変てこな、世界でも類を見ない日本人のロックになった。そしてそれがこの国でビッグセールスを叩き出してしまったわけで、英雄視せざるを得ないのである。そんなイエモンの一つの極致とされる"SICKS"がこの度、リマスターされ、デモが収録され、当時のレコーディング風景と現在のインタビューがDVD化され、完璧なブックレットが付属された完全盤"Complete Sicks"として生まれ変わった。
 リマスターを聴いて気付かされたのが、このアルバムが持っている熱量の凄さだ。というのも、今まで自分はこのアルバムを冷めた、一線世間から離れた場所で傍観しているようなアルバムだと思っていて。むしろ王道へ向かったのはこの後で、今作に関してはタイトル通り病んでいるアルバムとさえ思っていた。それは例の"OK COMPUTER"における「学芸会バンドを撃ち落してやりたい」だとか、"TVのシンガー"だとかダークな言葉や視線が散りばめられていたからだ。勿論曲の密度という意味では昔から興奮して聴いていたのだけどね。しかしリマスターによって音の分離が進んだ音源では、演奏の迫力や溢れるアイデアが瑞々しく迫ってくる。ジャケットが青から赤に変更されたように、燃え滾る炎のような絶頂のバンドが見せる煌きを感じるのである。要は地味でマニアックなんかじゃなくて、変てこだけどど真ん中ストライクっていう地点まで到達するという奇跡的なことをしていたのだなぁと。それに今になって気付くとは・・・実に恥ずかしい。インタビューで吉井和哉が語った「この頃は恐いことが無かった」という言葉が象徴している、聴けば本当の凄さが分かる。
 彼らが好きだった人にはもちろん、彼らに触れたことの無い若い人にも是非手にとってもらいたいリマスターである。が、少々値段が張りすぎるのが問題かな。もっと手に取りやすいように廉価盤も用意して欲しかったところだ。だって日本語のロックが好きで、日本の誇りである今作を聴かないっていうのは本当に勿体無いことなのだから。

( 2010, Remastered )
ABBOT KINNEY / LOVE PSYCHEDELICO
2010年 01月 27日 (水) 01:57 | 編集

" ABBOT KINNEY " / LOVE PSYCHEDELICO

 5thアルバム。USベストアルバムを経て届けれらたこのアルバムは、良い意味でシーンを無視した気持ちの良いアルバムになっている。否、彼らのアルバムが時代に併合したり、気持ちよくなかったことはいまだかつて一度も無かったのだが、今作は過去最高に耳なじみが良いかもしれない。生楽器の音がよく響くようにプロダクションされたサウンドに、ところどころ効果的使われるバンジョーやマンドリンの響き、練られたメロディー。割と歪んだロック的なアプローチ(ものすごくステレオタイプだけど)をしていたここ数作から、グッと60-70年代のオールドロックに寄ったといえるのではなかろうか。これはデビュー当時を遥かに凌駕するものであり、原点回帰ならぬルーツ回帰と呼べる。そこに乗せられるKUMIのヴォーカルもデビュー当時の倦怠を抱えたものから比べると朗々と響き、歌そのものを楽しんでいるようなそんな充実感を感じさせる。今年で10周年らしいが、その事実があまり重要でないように思えるぐらい自然体な作品。でも思えば彼らがマイペースでなかったことは無かったわけで、それは一度ブレイクをしたユニットとしてはありえないし、凄いことだと思う。あくまでも音楽ありきを自然体で実行する隠れた高才たちの貫禄の作品。これはふとしたときについつい聴いてしまうだろうな。

★★★★ ( 2010 )
Colorful Talk / GARI
2010年 01月 19日 (火) 05:09 | 編集

" Colorful Talk " / GARI

3年ぶりの3rdアルバム。The Prodigyなどに代表されるロックとクラブ・ミュージックの
融合の延長線上にあり(デジタル・ロックなんていう言葉もあったね・・・)、Boom Boom
Satellites meets Rage Against The Machine的なサウンドで新世代ミクスチャーとして
狼煙を上げたGARI。確かにそのサウンドは00年代に出るべくして出るような納得と確かさ
を感じたものであったし、一部では凄く評価されていたように思える。今作はそのミクス
チャー・サウンドからかなりエレクトロ寄りに。
 ヴォーカル・エフェクト、前面に出るシンセなどまさに今爆心地であるエレクトロ/ニュ
ーレイヴのサウンドを参照したよう。タイトル通り、今までと比べて情報量が多く煌びやか
になった印象だ。元々ブンブンやマッドの子供的存在でありそこまで独自性のあるサウンド
ではなかったが、今回はそれに輪をかけて時代に併合したと言えるかも知れない。だが、そ
れがあまりマイナス・ポイントにならないのは彼らが持つ機能性があるからこそ。ブンブンほ
どストイックではなく、マッドほど凶暴ではない、良い意味でのなんちゃって感がある。フッ
クのあるベタなメロに歌詞(マッドばりに聴き取れないが)、ロック的なカタルシスの作り
方が上手く、聴いていて単純に気持ち良いという地点にたどり着いているのは中々凄いこと
ではないだろうか。動きのあるエレクトロが好きならオススメだし、フェスやイベントでガン
ガン鳴っているのが容易に想像できる。
 このGARIもフランスで大人気らしいが、日本のデジタルを駆使したロックってなんで海外で
先に人気が出るんだろうな、不思議でしょうがない。海外なら供給も多いと思うのだけど。
やはりそれは家電の国日本ならではの機能性ということになるんだろうか。

★★★ ( 2010 )
PAST<FUTURE / 安室奈美恵
2009年 12月 29日 (火) 05:52 | 編集

" PAST<FUTURE " / 安室奈美恵

 安室奈美恵という人は今何をやっても許されるという立ち位置にいる。"STYLE"で第二期の
黄金期を(模索しつつも)スタートさせた後、"Queen of Hip-Pop"、"PLAY"と右肩上がりのク
オリティを実現、その闘争の歴史を時系列で詰め込んだ"BEST FICTION"。この近年の活動
で、攻め続けることで何かを獲得することが出来ることを証明したといっても良いんじゃないだ
ろうか。そして今作"PAST<FUTURE"、相変わらずタイトルが上手い。あれだけ支持された
"BEST FICTION"さえも過去に葬ってしまおうという挑戦精神、恐れのなさを誇示するかのよう。
その意味でジャケットも自信たっぷりさと驚きを伴った素晴らしいものだと思う。だが素晴らしい
がゆえ、アイデアが似すぎちゃったのが残念だけれども・・・(オマージュにはならないよなぁ)。
日本的に踏み絵とか、もしくはもっとセンセーショナルに写真が炎上しているとかっていう方法も
あったかもね。
 さて、音楽面でも過去最高に攻めまくっている。日本的R&Bを打ち出していた過去作から、
ロック、クラシック、エレクトロなど他ジャンルを飲み込みより全方位的なポップへ。シングルであ
った"Dr."のエレクトロ/ボレロの何でもあり感は言うに及ばずだが、デジタルで固めつつもアナロ
グの質感を残す"FAST CAR"、リズムはっちゃけトラック"COPY THAT"など実に挑戦的なトラッ
クが満載。そして、聴きやすさ重視のバラード"The Meaning Of Us"が後半にしっかりと用意され
ていたりそつが無い。どのトラックも完成度が高く、彼女のスキャットも嵌っていたり、最早勘ぐる
気にさえならないほど。しかしこれだけ振り幅が広いとアルバムがとっ散かった印象になりそうな
ものだが、カッコいい女性を表現するという一点で全てが繋がっているためか不思議と統一感が
ある。今何をやっても許されるという立ち位置にいるということを自覚しているからこそ出来るこの
貫禄。演技力を味方に付けた女性はここまでも凛々しく、強くなるということを見せ付ける力作。

★★★★☆ ( 2009 )


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"Best Fiction"レビュー
"PLAY"レビュー
eyja / 原田知世
2009年 12月 10日 (木) 21:07 | 編集

" eyja " / 原田知世

 これがあの「カフェオレのCMの人」と同じ人物とは思えないぐらい、音楽的にとても豊かな
作品だ。伊藤ゴロー、鈴木慶一、高橋幸宏、大貫妙子、高木正勝に支えられ作られた前作
"music & me"から高橋幸宏によるpupaを経て、近年の彼女は所詮アイドル/女優を超えた
音楽的開花を遂げている。今作"eyja"のレコーディングはアイスランドでも行い、前作に引き
続き伊藤ゴローがプロデュース、細野晴臣、大貫妙子、いしわたり淳治、ムーム、(ビョー
クを手がけた)ヴァルゲイル・シグルドソンをゲスト陣に。日本でもこれだけの面子を呼べる
人はいないっての。
 さすがアイスランド・レコーディング、その音の鋭さだとか自由度は凄くて、最早オルタナ
ティヴ・ミュージックと言っていいほど。もの悲しげなストリングスのサウンド、構築された
エレクトロニカのサウンドまで飛び出す。何度も言うが、本業は女優だからね、彼女は。でも
アイスランドでレコーディングしたからといって、あの寒々しい音像をそのまま持ってきたと
いう類のアルバムではない。確かにその影響は色濃く出ているのだが、そこに乗せられる日本
語詞と馴染みやすいメロディーによって独特な柔らかさを醸す(しかも作詞は殆ど本人)。
彼女の歌も相変わらず素晴らしくて、ウィスパー・ボイスとサウンドの親和性は抜群。母親に
絵本を読んでもらっているような歌声を聴いていると、自分の原風景を掘り起こされるよう。
 アイスランドへの憧れと、日本人らしい言葉を大事にする感覚が上手く調和した作品。今の
日本の音楽業界を考えると、この自由な音楽はちょっとした奇跡的かもしれない。

★★★★ ( 2009 )

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