Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
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[Column] Albums Of The Year 2012
2012年 12月 15日 (土) 00:19 | 編集
久々の更新です。存在すら忘れられていそうなこのブログですが、ひっそりと年間ベストアルバムを発表します。ブログの更新は止まっていましたが、例年通り音楽を聴いてはそれを頭の中で言葉にして(ときどきツイッタ―でつぶやいていたり)いたりしました。今年も20作、それではどうぞ。

Idler Wheel

No.01 : " The Idler Wheel Is Wiser Than the Driver of the Screw and Whipping Cords Will Serve You More Than Ropes Will Ever Do " / Fiona Apple




国内外問わず若くしてデビューした女性アーティストほど、歳を取るにつれて音楽的につまらなくなっていく(安定していく)ものですが、今作はそんな常識を覆した大傑作です。前作"Extraordinary Machine"でかなり丸くなっていたので彼女もそういった方向でやっていくのかな?と思いましたが、とんでもない。選び抜かれたピアノとパーカッションでシンプルとさえ言えるサウンドですが、その分生々しさや狂気が浮き彫りとなっていて聴いていて怖くなるほど。そして歌手としての彼女の成熟を感じられるアルバムでもあって、迫ってくるその歌声にぐいぐい引き込まれます(最早巧拙の問題では無くなっています)。所謂ポップソングの形式ではないので、時に難解ともいえる瞬間があるのは否めないのですが、ふとグッドメロディーが配されていたり、気迫で押し切られたりと兎に角聴きどころは多数。
後にも先にも、今年心底度肝を抜かれたアルバムはこれだけでした。ちなみに歪なアートワークも彼女の手によるものだそうです。もう降参です!




Wonky [解説付・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC323)
No.02 : " Wonky " / Orbital




8年ぶりに復活したオービタルのカムバック作はウォーミングアップを遥かに超えた力作となっていました。ド頭から彼ららしい美しいシンセと安定感のあるビートでほっこりしますね。歌モノからダブステップまで相変わらず色々と遊んではいますが、水戸黄門の印籠のような待ってました感が印象に残ります。Chemical Brothersの"Further"、The Prodigyの"Invaders Must Die"、90年代のテクノ勢は底力がありますね。エレグラでのパフォーマンスも非常に安定感のあるものでした。



Coexist
No.03 : " Coexist " / THE XX




今年になって初めて聴きましたが、評価されているのがよく分かる、かなり特徴的なサウンドですね。「引きの美学」が徹底されているアルバムで、ミニマル&ダーク。そして若いのに空間の使い方というか、音の行間の持たせ方に貫禄があって凄いなぁと素直に感心してしまいます。個人的にはMassive AttackやPortisheadなどのブリストル勢を想起させる瞬間があり、より気に入りました。仕事の後というシチュエーションに嵌るので、よく疲れを癒してもらいました。



Money Store
No.04 : " Money Store " / Death Grips




MC RIDEのいかつい風貌、ギリギリアウトなジャケットなど聴く前から何かヤバいと感じるDeath Gripsですが、音の方は完全に様子がおかしいです。一応ヒップホップということになるのでしょうが、ラップというよりは咆哮で、Zach Hillのジャンルを無視したトチ狂ったトラックが駆け回ります。エクストリームさもある点を超えれば、ポップになるというか笑いになるというか、とにかくインパクト絶大なユニットですね。2012年に発表されたもう一枚"No Love Deep Web"もアートワーク含めインパクトありました。



Red Night [歌詞・解説書封入・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC336)
No.05 : " Red Night "/ The Hundred In The Hands




海外ではものすごく評判が悪いというか叩かれまくってますが、私は断固支持します。確かに昨今のインディーロックともブルックリン勢とも毛色が違うので、期待と違ったのかもしれません。でもこのミニマルで底なしの暗さを持った世界観は、まるでマッシヴ・アタックとエリザベス・フレイザーとの邂逅にも似た衝撃がありますよ。ビートはダンサブルだったりするわけですが、いやー暗い。でもこの容赦ない暗さが心地良いわけですね。それでまた最終曲が柔らかな朝を迎えるような楽曲だったりで、最後に優しくされると余計虜になってしまいました。



Cancer for Cure
No.06 : " Cancer for Cure " / El-P




アンダーグラウンド・ヒップホップCompany FlowのメンバーにしてプロデュースもしていたEL-Pの4thアルバムですね。インダストリアル・ヒップホップとも言うべき、ノイジーかつ遊び心を持ったトラックが異常にカッコいいです。今作ではインター・ポールを、前作ではトレント・レズナーともコラボレーションしており、ロック好きにも十二分に訴求する内容となっていますよ。



Sweet Heart Sweet Light
No.07 : " Sweet Heart Sweet Light " / Spiritualized




フジロックでのパフォーマンスも素晴らしいものでしたが、アルバムも復活を大いに感じさせる力作となっていました。ここ数作は閉じていた印象のあったスピリチュアライズドですが、ここへきて漸く外向きに視線が向いているように感じます。しかも集大成的な内容かつ、アルバムとしても完成度が高いので入門編にもピッタリですね。ただしジャケットはちょっと・・・もっと何か無かったんでしょうか。



Koi No Yokan
No.08 : " Koi No Yokan " / Deftones




デフトーンズに駄作なしだと思ってますが、それでも今回は久しぶりに興奮するような傑作になっています。メロディーの良さ、洗練されたへヴィさ、ポストロックにも通ずる浮遊感など、デフトーンズ史上最もバランスの良いアルバムです。未だ再定義し続けるのは凄いですね。所詮ニューメタルと聴かず嫌いは勿体ない、普段インディーロックを好んで聴く人こそ良さが分かるはず!タイトルもインパクトアリで◎。



Clockwork Angels
No.09 : " Clockwork Angels " / Rush




カナダの大御所プログレバンド・ラッシュのアルバムが還暦間近とはとても思えないエネルギッシュな演奏を聴かせてくれる傑作となっていました。こんなことを書いては怒られそうですが、中堅のミューズに期待していたことをベテランがすべてやってしまったという感じでしょうか。コンセプチュアルな内容、へヴィでテクニカルな演奏、フックのあるメロディーどこをとっても非の打ちどころがありません。



Anastasis
No.10 : " Anastasis " / Dead Can Dance




レーベル4ADの中でも一癖も二癖もあったDCDによる16年ぶりのアルバムが、良い意味で過去作と変わっていませんでした。中世ヨーロッパなどのルーツ音楽の要素がありながら、神秘的なシンセが同時に響く、デカダンにして時代性の分からない相変わらずとっつきにくい印象があります。しかしだからこそ、今でも個性的で全く色褪せてないのだと思います。さすがの貫禄。映像とのマッチングも素晴らしいです。



Kill for Love
No.11 : " Kii for Love " / Chromatics




映画「ドライヴ」のOPシークエンスで"Tick Of The Clock"が使用されていて(今作には未収録)、興味を持って手にしたらこれが予想と違ったけど当たりでした。なんとも刹那的で、切ないシンセポップとなっております。音は80'sのようで意図的にチープなんですが、青春の儚さ、美しさを表現したような音像はは絶品です。一歩間違うと本当につまらないサウンドになりそうですが、紙一重ですね。



Eighty One (ZENCD179)
No.12 : " Eighty One " / Yppah




ニンジャチューンのイパ様~!名前の由来は"Happy"の逆だそうです。マイブラとヒップホップを同時に聴き始めたそうで、確かにシューゲイザーとヒップホップ、ありそうでなかった組み合わせが光ります。元々ロック畑のDJらしく、トラックもかなり動きのあるものになっていて聴きやすいです。ノスタルジックなメロディーと、ループミュージックの気持ち良さを一度に二度味わえる、実にお得!



Until the Quiet Comes (WARPCD230)
No.13 : " Until the Quiet Comes " / Flying Lotus




前作の衝撃から比べると、いささかミニマルでレイドバックした印象を持ちますが、そのセンス満載のサウンドは相変わらず凄いです。いやーホント「センス」という言葉以外に思いつきませんね。IDMでありながら、ブラックミュージックの要素も色濃く出ているし、今作はアンビエントにも聴こえます。一体どれだけのインプットがあるとこんな音楽を作れるんでしょうかね・・・。



Shields [帯・解説付き / 国内盤] (BRC344)
14. " Shields " / Grizzly Bear




インディーやフォークロックという型にとらわれず、自由な発想をしているなぁというのが今作の魅力であると思います(Dirty Projectorsもそうでしたね)。WARP RECORDならでは(?)実に様々なサウンドが盛り込まれているのですが、勢いと瑞々しさがあってインディーロックらしい閉塞感は全くありません。素晴らしい最終曲"Sun In Your Eyes"まで豊潤なサウンドの波が心地良いです。



Not Your Kind of People
15. " Not Your Kind Of People " / Garbage




7年というブランクを感じさせない、いかにもな偏狭的ミックスが全開で良いです。イヤホンで聴くと音の左右の振りかた、曲展開に至るまで、その情報量の多さ&複雑さはものすごいものがあって、いよっ職人技!と手を叩きたくなるのです。でもメロディーはどこまでも甘く、聴こえは凄くポップという抜け目のないアルバムとなっています。



Allelujah! Don't Bend! Ascend!
16. " ALLELUJAH! DON’T BEND! ASCEND! " / Godspeed You! Black Emperor




4曲53分、うち2曲は20分越え・・・10年ぶりとはいえ彼らは全く変わっていませんでした。壮大な楽曲の中で轟音ギターやストリングスで緊張感や静かな熱気を高めていく、そのグルーヴ感はやはり代替のきかないものでしたね。しかし再結成と言えばふつうは試運転のように緩く、甘くなっていくのが常ですが、全くの妥協なくやってきたバンドは再結成も一切の妥協が無いのですね。



THE GLORIOUS DEAD (COUNTCD46)
17. " The Glorious Dead " / The Heavy




UK出身の黒人ヴォーカル + 白人楽器隊という構成のファンクバンド=ザ・へヴィーは名前通り、重く、渋く、黒いです。しゃがれた味のあるヴォーカルと、ツェッペリンばりのギターが融合する感じは確かに今までなかったかもしれないですね(レニークラヴィッツともまた違う気がします)。これはライヴで聴いたら、最高にカッコいいだろうなぁ・・・ぜひフジで晴れてる時に観たいです。



Bloom
18. " Bloom " / Beach House




インディーロック界隈にそこまで明るくない私のような人間にとっては、普段こういう音楽を聴いたときに「何ナヨナヨしやがって!?」なんて思うわけです。ですが、時にはそのあまりな音の甘美さに抗えない時もありまして、それが今年はこれだったと。思い入れはありませんが、何というかフックしかないんじゃないのこのアルバムと思ってしまうほど何処をとってもキャッチ―でつい手が伸びてしまいました。



Iradelphic [解説付 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC330)
19. " Iradelphic " / Clark




暴走する機関車のようなエレクトロニカで駆け抜けた前作とは打って変わって、アコースティックな響きに重きを置かれた全く予想してなかった方向性でした。しかもマルティナ・トップレイ・バードを呼ぶ徹底ぶり。「今頃それやってどうするの?」っていう声が聴こえてきそうですが、音的には紛れもなく私のツボなので良しとするのです。ただの通過点なんだろうなぁという気がするから彼は末恐ろしい。



The Seer
20. " The Seer " / Swans




活動30年を誇るNYのアートパンクバンド・スワンズ。自ら「キャリアの最高到達点かつ集大成」と謳っているアルバムだそうですが、恥ずかしながら過去作を聴いたことが無いので比較できません(故にこの位置です)。確かに今作の湧き上がるエネルギーは凄いものがありますね。計算なんだか天然なんだか分りませんが、実に言葉にしづらい濃厚で不穏。でも聴くたびに発見がありますよ。



エレグラまでガッツリ参加しておいて難ですが、今年はエレクトロ・ミュージックにとって不作であった年だと思います。個々の作品で素晴らしいものはありましたが、全体的な動きとしてはダブステップもエレクトロニカも停滞していた感じが否めないです。OrbitalをNo.2にしましたが、時代に残る強烈なインパクトがあったかというとそうでもないような気がしますし。もちろん耳にしていない作品の中に傑作は沢山あったんでしょうけど。
一方でアデルを筆頭に(去年のアルバムですが)、クラシックロックを現代的にアップデートしたような温故知新的な作品が目立ったような気がします。グラミー賞のノミネートを見てもそんな空気は感じますね。来年は大物のリリースが既にかなり決まってたりするので、また違う年になるのでしょうか。
ともあれ、来年もこの記事を書けるようにたっぷり音楽を聴いていきますので、よろしくお願いします。

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