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音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
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[Review] AHK-toong BAY-bi Covered / Various Artists
2011年 11月 02日 (水) 00:37 | 編集
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" AHK-toong BAY-bi Covered " / Various Artists

U2の名作"Achtung Baby"が20周年を迎えた。合わせて過去最高に豪華なボックスセットの発売や、ドキュメンタリーの制作など本人達もファンも大きな盛り上がりを見せている。そんな中、英国の音楽雑誌であるQ Magazineの企画で本作の丸々カバー・アルバムが登場。カバーするアーティストも非常に豪華だし、うん、こういった企画は実に偉い!10/25発売号に特典としてCDが付録されたということだけど(Amazonにもそれらしいものが出品されている)、ネットで音源を容易く聴くことが出来たので一通り楽しませてもらった。カバーをした各アーティストへの敬意を込めて全曲紹介したい。

01. " Zoo Station " / Nine Inch Nails 
おそらく映画「鉄男 THE BULLET MAN」のテーマ曲"Theme For Tetsuo The Bullet Man"以来となるNIN名義での音源。いやーいきなり当たりカバーで歓喜。原曲の良さはそのままに、絶妙に崩してかつNINらしさも内包しているというカバーのお手本のような出来。誰が聴いてもNINとしか言いようのない静かなノイズと通底となるシンセが狂気を持っていて素晴らしい。後半になるにしたがって積み重ねられていく音の繊細さは流石。系統としては"Ghost"とか"The Social Network"などの静方面と言えるかな。

02. " Even Better Than The Real Thing " / U2 (Jacques Lu Cont Mix)
今作で唯一、カバーではなくリミックスとなる。リミックスをしたStuart Priceという人に関して私はあまり詳しくないのだが、 New OrderやMadonna、Coldplayを始めとする様々なアーティストを手掛ける有名な人らしい(グラミーも3度受賞している)。原曲が引き伸ばされ四つ打ちが鳴り、クラブミュージック化されたことで"Take Me Higher"のリフレインが一層高揚感をもって響くね。かなり王道的なリミックスと言えるだろうが、アリ。結構好意的に聴ける。

03. " One " / Damien Rice
この曲のカバーって相当難しいと思うのだが、これが唯一の正解なんじゃないだろうか。装飾を排したサウンドだからこそ原曲が持つ普遍的な魅力が再度露わになっている。普通の人がカバーすると凡庸なものになってしまうところを、声が持つ業でついつい聴き入ってしまう。これが独自の間を持っているシンガーソングライターなのか否かの差なのだろう。また、歌詞のついても一部YouとIを逆転させることで違ったニュアンスを与えているのも巧い。原曲が愛、神に対峙する試練も表しているのに対して、今作は相手に試練を与えてしまう哀愁が漂っているかと。Mary J. Blige のカバーよりもこちらに軍配が上がるかな。

04. " Until The End Of The World " / Patti Smith
まるで場末の酒場で歌っているような雰囲気のするパティ・スミスのカバー。ピアノとアコギなどを添えるように重ねた演奏はとてもミニマルだけど、染み出すようなソウルとクールネスがある。原曲の勢いあるギターのリフが無くなるとここまで厭世的な楽曲となるのだろうか。歌い方の崩し具合と言い完全に自分のものにしていて、良い意味で原曲に対する愛は感じられない。

05. " Who’s Gonna Ride Your Wild Horses " / Garbage
ガービッジ久しぶりの音源がまさかこの曲だとは。本作は元々アルバムの中でも最も爽やかでストレートなナンバーなので、ポップなアメリカンバンドが演ってもなんの違和感もない。かなり手堅く、原曲に沿った形でのカバーでドライヴが似合いそうな青空感が清々しい。サウンドもスタジオ技術を感じさせるような洗練されたものになっていて、耳馴染みが良いのがポイント。この曲って女性ヴォーカルも合う曲だったんだなぁ。

06. " So Cruel " / Depeche Mode
本作の中でも白眉なのがこのデペッシュ・モードによるカバー。原曲のゆったりと退廃した感覚は薄めずに、誰が聴いても彼らのサウンドとしか言いようのないものになっている。独特のエレクトロニクスの使い方はもちろん、何よりデイヴのヴォーカルが素晴らしい!これは人によっては原曲越えと言う出来で、この曲を聴くためだけになんとか今作を手に入れても良いぐらい。やはりU2と同じく時代をサバイヴしてきた存在だからこそ鳴らすことが出来る独自のサウンド。

07. " Mysterious Ways " / Snow Patrol
ハッキリ言ってこれは駄カバー。原曲の文字通りミステリアスな面は完全にスポイルされ、なおかつ別物にもなっていないという実に平凡なカバー。こういう叙情的なサウンドにするんだったらもっと他に曲があるでしょU2は。もっと頭捻ってほしかったなぁ・・・。これならマッシヴ・アタックのリミックスの方が100倍面白い。ベースが増幅され、パーカッションが足されたリミックスは原曲の持つイメージを広げたものとなっている。この機会にそちらをおススメしておこう。

08. " Trying To Throw Your Arms Around The World " / The Fray
しゃがれ声が魅力的なアメリカはコロラドのバンド、ザ・フレイによるカバー。U2から影響を受けていると公言している通り、原曲愛に溢れたものとなっている。かなり原曲を聴きこんでいるのだなと思わせ、それが微笑ましくすらある。原曲よりもコーラスがゴージャスになりメロディーが押し出されることで、こんなに美しい曲だったのかと気付かされた。名曲に挟まれて地味だけど良い曲ぐらいの認識しかしていなかったことが恥ずかしい。

09. " The Fly " / Gavin Friday
ボノともコラボしたことのあるアイルランドのソングライターによるカバー。サビでの浮遊感、ノイジーさなどかなり頑張っているとは思うのだが、いかんせん原曲が強烈なために首を捻ってしまう。この曲はアルバムのキーともなる曲なので、徹底的にぶち壊すか、ビョークにカバーさせるぐらいの大胆なことをして欲しかった。それこそNINのカバーなんかは相当面白くなると思うのだけど。

10. " Ultraviolet (Light My Way) " / The Killers
「U2先輩、カバーさせていただきます!」とでも言ってそうな、なんとも威勢の良いカバー。キラーズといえばU2のサポートアクトを務めたことでビッグになる野心が燃えたというエピソードがあるぐらいで、U2に対しては好きを超えた畏敬の念すらあるのではないだろうか。実にピシッと歌い、演奏している。"Ultraviolet~!"と歌い上げる際の高揚感は原曲に引けをとらないものになっているのではないだろうか。

11. " Acrobat " / Glasvegas
ボノのお気に入りバンドで、360ツアーでもサポートアクトを務めたグラスヴェガスによるカバー。これは人選が上手く行ったパターンではないだろうか。原曲が持つ轟音ギターはそれこそグラスヴェガスの持ち味でもあるわけだし、切ないヴォーカルも楽曲が持つイメージにピッタリ合致している。カバーの手法としては原曲をあまり崩さない順当なものと言えるだろうが、グラスヴェガスが持ち合わせるエモーショナルが詰め込まれマジックが起きている。実はこのバンドちゃんと聴いたことがなかったので、フジでも観たことだし、聴いてみようと思う。

12. " Love Is Blindness " / Jack White
ラストを飾るのは「ゲット・ラウド」つながりでの登板だろうか、ご存じジャック・ホワイト。原曲が持つヨーロッパ的な世界観から一転、激情のナンバーへ。シャウト&泣くエレキギターで全く別の楽曲になっているのが面白い。"Love Is Blindness"が暑苦しくて情けない言葉にすら聴こえてくるのが笑える。原曲の余韻を残す雰囲気を完膚なきまでにぶち壊しているのだが、今回はお祭りなので大いにアリだ。

ということで、U2ファンは必聴!





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