Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
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[Live Report] FUJI ROCK FESTIVAL 2010
2010年 08月 08日 (日) 14:55 | 編集
・FUJI ROCK FESTIVAL 2010 @ 苗場スキー場



念願かなってのフジロック、ついに参戦することが出来た。有給が上手く取れなかったので二日目と三日目のみの参戦。初めてのフジロックは予想以上に天気が悪く、キャンプサイトは過酷で、坂が多く、泥だらけの場所だった。音楽を聴く中でこれ以上不自由な環境は無いというぐらい。だが、そこに音楽と自然しか存在しないからこそ、圧倒的な非日常が味わえる天国のような場所でもあった。まだ夢見心地は続いているけれども、何とか言語化していこうと思う。詳細なレビューはもっと文章力のある人に任せるとして、軽い気持ちで書いていくのでよろしくどうぞ。

[7.31 Saturday]

・Dirty Projectors @ RED MARQUEE
 まさか二日目に見られると思わなかった彼ら。キャンセルになったPARACHUTEには悪いけど、本当にラッキーだったと思う。で、実際に見た彼らは今見ておかなければいつ見るのだというぐらい旬なものを見たというリアルタイム感があった。リズム、コーラス全てが歪な異形なものであるのだが、そこには開放感とポップネスが存在。まだこの時代にも生き生きと新しい音楽を鳴らすことが出来るのだと証明するようなステージングだった。やはりブルックリン勢の懐の深さは凄いなあ。昼時という早い時間で見るには勿体無いと思えるほど圧倒的。

・Detroit Social Club @ RED MARQUEE
 殆ど情報を入れない状態で見たのが功を奏し、「発見した!」という喜びと驚きが伴うライヴであった(これぞフェス!)。プライマルやオアシスの前座をしていたというのを後で知って、あぁ成る程というUKバンドの伝統的サウンド。マンチェらしい土臭いグルーヴに恍惚感、扇動的なヴォーカル(白スーツが本当に「らしい」)と目新しいところは一つとして無いのだけれど、新人らしからぬ肝の据わったパフォーマンスについつい見とれてしまった。どことなく、ギラギラしていた初期のカサビアンを髣髴とさせるような。その意味では、RED MARQUEEのステージに良く似合っていたね。

・Kula Shaker @ GREEN STAGE
 個人的に思い入れはあまり無いんだけど、いつか見たいと思っていたクーラ・シェイカー。哀愁が漂う最新作の雰囲気はとりあえず置いておいて、定番曲が並んだパフォーマンスであった。というか最新作の曲は完全に休憩タイムにされていた感があって(最新作凄く好きなんだけどな)、昔の曲で盛り上がるという完全に過去の人扱いだったような・・・。とはいえやはり彼らの歌心あるロックンロールとインド趣味は魅力的であったのは事実。フェスで無ければ見ることは無かったと思うので、貴重な機会であったのかな。あと、クリスピアンは未だにサラサラの金髪で王子ぶりを発揮していた。

・One Day As A Lion @ WHITE STAGE
 二日目のお目当てであったレイジのザックと元マーズ・ヴォルタのドラマー、セオドアによる新ユニット。ホワイトステージは雨の中入場規制という大盛況で、未だにレイジの影響力は持続しているのだなぁということを実感。かくいう自分も過去にはラップメタル/ミクスチャーにどっぷり嵌っている時期があったので、レイジを神のように崇めていたし、客電が落ちたときには心臓の高鳴りを感じてしまったのだが。
 ザックを見るのは2年前のレイジのとき以来2度目であったけれども、2度目であってもこちらが緊張してしまうぐらい気迫がある。マシンガンのようなラップに、眉間に寄せる皺、あの頃からは随分時間は経っているが前々丸くなっていないように思えた。しかもヴォーカル+ドラム+キーボードというミニマルな構成だからこそ、それが浮き彫りになるというか。また、ドラムとキーボードも恐ろしく攻撃的で、ドラムは手数が多くかつドカドカと煽るようなパワフルなプレイをしていたし、キーボードは最早ギターだろというぐらい歪んだサウンドを鳴らしていた。このザックの新たな表現が今後どうなるのかは分からない。この名義でフル・アルバムを発表するのか、それともこの経験をレイジへと還元させていくのか。どちらにせよ、今後もザックからは目を離せない。

・CHRIS CUNNINGHAM @ GREEN STAGE
 Aphex Twinとの仕事が有名な映像作家、クリス・カニンガム。スペシャルゲストということでグリーン・ステージに登場。実は彼のことはDIRECTORS LABELを買うぐらい惚れ込んでいて、フジに似合わないと分かっていても密かに楽しみにしていた。彼の映像はキモイ、グロイ、怖いの三拍子揃っていて、大自然の中で見ると肝試し若しくは夏の怪談話の雰囲気さえ醸していた。肉体の表現に拘った映像は生理的に拒否反応が出るのだが、テンポよく切り替わるので歪なコミカルさもあったり。ただ、映像はボーっと眺めているだけで面白かったのだが、音があんまり面白くなかったような。エイフェックスの奇天烈な音楽に乗せられる相乗効果と比べると、インパクトが足りなかったと思わざるを得なかったかな。

この後、ビールと共に死んだようにテントで寝た。

[8/1 SUNDAY]

 三日目は昼前に起き、軍隊のような簡易シャワーを浴び、テントを片付けシャワーを浴びた意味を無くす。

・DONAVON FRANKENREITER @ GREEN STAGE
 夏にぴったり、ビールにぴったり、飯時にぴったりのリラックス&ハッピーな歌とサウンド。ひたすらゆったりと見させてもらった。普段こういう緩系のロックはあまり聴くことは無いのだが、フェスだからこそ普段聴かないものがアリになってしまう。そして帰ってきてからもついつい聴いてしまって好きになってしまう。そんな前向きな磁場が存在するステージであった。

・Vampire Weekend @ GREEN STAGE
 Dirty Projectorsに続き、今まさに旬という勢いを感じるヴァンパイア・ウィークエンド。しっかしグリーンステージには人が集まっている、やはり一目みたいという人が多いんだろう。そんな期待にちゃんと答える納得のライヴであった。様々な音楽からの影響を感じさせる技巧を見せながらも、スノッブには陥らず(出で立ちはそんな感じだったが)、ポップでアッパーな楽曲たち。近年のバンドはこの辺のバランス感覚が上手く取れていると思うなぁ。その真骨頂は最新作からの"Cousins"で、客がほとんど踊りだす光景は圧巻であったかと。

・Boom Boom Satellites @ GREEN STAGE
 もうロックフェスには引っ張りだこな彼らなので、単独公演には行かなくともこれで見るのは3度目か、4度目(去年はサマソニでNINの前に見たっけな)。彼らの近年の右肩上がりの動員数には目を見張るものがあって、今やメインステージで堂々と演奏をこなす。基本的には最近の分かりやすいロック志向で攻めていくのだけど、彼らの生真面目さは通低にあり緻密さは失われない。今回はそれに加えて最新作のスローでスケールの大きい楽曲が織り込まれていて、新鮮さもある程度プラスされていたかと("STAY"は白眉だった)。正直見るたびにライヴの衝撃は薄れて行っているのだけど、毎度安心して見られる稀有なアクト。いつか単独にも行かなければ。

・Atoms For Piece @ GREEN STAGE
 彼らの出演が決まったときの歓喜ったらなくて、しかも日本で見られるのは最初で最後だなんて狂喜乱舞してしまう。やはり期待値が高いのか、グリーンステージには人が押し寄せる(アナウンスもされたほど)。まあトム・ヨークとフリーを一度に見られるなんて、ミラクル以外の何者でもないからなぁ。そんなこんなで、トム・ヨークが完全におっさんの格好で登場。
 基本的にこのバンドはトム・ヨークのソロ作"The Eraser"の楽曲を全曲演奏するというコンセプトがある。それを初めて知ったとき「え?あんな地味な作品をライヴで?」と思ってしまったのだが、実際に見ると度肝を抜かれた。リズムが明らかに強靭になり、フリーの躍動感のあるベースに導かれるようにトムの歌も録音されたものから数段有機的になり、最早別の楽曲へと生まれ変わっている。まるで壁のように迫ってくる音像に、そこかしこから「凄い・・・」というため息が漏れていたのも納得できるほど。目を閉じて踊りまくっているトムとは裏腹に、上手く反応することすら出来なかった。1+1は2には必ずしもならないことをまざまざと見せ付けられたような気がする。
 途中にはトムがソロで演奏することもあり、それがまた恐ろしく素晴らしかった。基本的にはレディオヘッドの楽曲を演奏していくのだが、ソロということもあり彼の歌声が演奏に隠れることなく空間を満たしていく。特に"Give Up The Ghost"は歌声がその場で重なりあっていく楽曲だったのだが、一度にトム・ヨークが複数人居るようなもので始終鳥肌が止まらなかった。
 結果、文句なしのベストアクト。2008年にレディオヘッドの単独公演を見たときよりも、得たいの知れなさがあって感動が上回っていたように思う。

・Massive Attack @ GREEN STAGE
 フジロックをマッシヴで締められるなんて、個人的にはこれ以上の幸せは無い。そしてやはりマッシヴ、フェスだから盛り上げようなんて気はさらさら無いらしい。ひたすら自分達の世界観を誇示していくベテランならではの貫禄が伴うパフォーマンスであった。
 "Mezzanine"の楽曲を肝に据えながら、過去の曲も最新の曲も満遍なく披露していく("Protection"からは選曲されなかったが)。驚きなのは過去の曲と最新曲に落差があまり無いことだ。規格外の低音に、重なり合う上モノ、嘆きのようなヴォーカルとつぶやきのようなMC。音楽性は変わっても、変わることの無いダークな世界観は健在でそれが未だに有効性を保っている。隙の無い完璧なステージングに驚きは無かったかもしれないが、未だに求められ続ける彼らの唯一無二な音楽を十二分に味わえたのじゃないだろうか。
 そして、マッシヴのライヴといえば政治的なメッセージが伴う。これが個人的にはあまりよろしくなくて、日本語にローカライズされた言葉の連続に目を奪われて音楽への集中が途切れてしまいそうになった。まあこれは彼らの持ち味でもあるので簡単に良否を決めることは出来ないが、もう少し暗に伝えることは出来ないのかなと思ってしまった。
 今回のライヴを見て、過去作の素晴らしさはもちろん最新作の良さも再確認できたのが良かった。特に"Girl I Love You"は新しいハイライトになるであろうし、最終曲"Atlas Air"のだんだんと高まっていく熱気と恍惚は"Group Four"に代わるかもと思えた。未だ現在進行形で自らの道を突き進む彼らはやはり只者ではない、彼らが活動するうちに何度でも見たいという興奮が抑えきれない。まあマイペースな彼らなので次はいつになるのかは分からないのだが。


というわけで初めてのフジロック、来年もまた行こうと思える素晴らしい音楽体験だったということで。

-フジロックあれこれ-
・トイレは過去最高に不衛生、山の中だから当たり前だけど。
・利久の牛タン弁当はやはりフェス飯の中では一番上手い。値が張るけど。
・キャンプはもうしない。来年は宿取るぞー。
・GREENとREDの川にはお世話になった。気持ちいいし、泥の気持ち悪さも取れるし。
・フジロックは半分ぐらい登山。

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