Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
スポンサーサイト
--年 --月 --日 (--) --:-- | 編集
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
NO DISTANCE LEFT TO RUN / Blur
2010年 02月 24日 (水) 06:58 | 編集

" NO DISTANCE LEFT TO RUN " / Blur


" All The People (Blur Live At The Hyde Park) " / Blur

 2009年に再結成(解散してないんだけど・・・)を果たしたブラー。その再結成の裏側のみならず、彼らの軌跡を総括するドキュメンタリーがこの"NO DISTANCE LEFT TO RUN"。嬉しいことにライヴ映像も別ディスクに収録された2枚組み。正直言えばBlu-rayで出して欲しかったところなんだけどね。

- NO DISTANCE LEFT TO RUN -
 ブラーと言えば、ブリットポップを牽引したバンドの片一方である(当然もう片方はオアシス)。で、ブリットポップを描いたドキュメンタリーといえば記憶に新しい2002年の"Live Forever"というのがある。これはブリットポップに関してはかなり分かりやすい形で総括されたもので、当事者であるオアシスやブラー、パルプの他にマッシヴの3Dなんかが出ていたりしていた。そして、そこで描かれるデーモン・アルバーンはとても悲しそうで、苦い表情をしていて、トラウマが残っていることが理解できた。だから、今作を見る前はまた欝なデーモンを見なくてはならないのか、と身構えたんだけども・・・。
 意外なことにメンバーはスッキリとした表情であった。長年会っていなかったデーモンとグレアムが再開の後、人のうちの玄関で「もう大丈夫だよな?」と確認しあったそうだ。そのエピソードからも分かるように、メンバー間の人間関係の軋轢、その原因の一つであるブリットポップは過去のものとしたらしい。過去のものとしたからなのか、メンバー本当に良く喋る。結成前の人間関係、ツアーの馬鹿げた1ページや、ブリットポップの渦中の気持ち、再結成にいたる動機までほぼ全ての軌跡を。しかもそこに恐らくファンが誰も見たことがないであろう、デーモンの演劇学校時代の映像などを交えていて、「ここまで見せるのか!?」と驚き。一方で良く見たブリットポップ当時のデーモンの嫌らしい笑顔があったりしてあぁぁと思ったり。全て含めて同窓会の笑い話のようになってしまっているのは大人になったということなのかな。
 ブラーのデーモン・アルバーンという人は考えてから前に進む人だと思っている。ブラーのイギリスを押し出す方向性、その後のブリットポップから離れる英断、ゴリラズの活動に至るまで、コンセプトを決めてそれを突き通す。その批評的な感性は物凄く鋭い。しかし鋭いのみならず、遊びの部分も当然のようにわきまえている人で作る作品はどこまでもポップになる。正直、今の英国では最も才能のある音楽家の一人であると思う。でもそんな考える人だからこそ、予想の範疇を超えてしまったあの狂乱は人一倍苦しんだのではないだろうか。それが象徴的に映し出されているのは09年のグラストンベリーにおける"Tender"でのマジ泣きの映像。感極まったとか、客席に影響されたとかではなく一人でワンワン泣いているのだ。本当に色々なことがあったんだろうなぁ・・・曲中ということもあって、フラッシュバックしたんだろうなぁと思わせるような感動的なシーン。ここを見れば確実にデーモンが好きになると思う。
 そして、ラストはハイド・パークのステージへと歩く映像で終わる。ライヴ映像を見るのにこんなに完璧なお膳立ては無い。

- All The People (Blur Live At The Hyde Park) -
 ドキュメンタリーから見ると、このステージがどれほど特別な場所なのかが分かる。それに呼応するするようにセットリストもまた凄い。一切無駄な曲がない、そして名曲の嵐(ちなみに自分の好きなアルバムは"Think Tank"なんだけれども、ライブではやはり昔の曲の方が向いていると思う)。
 正直、パークライフ以前の曲に関しては録音の歌声と今の歌声が違いすぎて、「おっさん頑張っているなー!」という感想しか出てこなかった。声に年輪がありすぎて、録音のあの屈託の無さが無くなっているのだ。だが、だからこそ客席にバンバン歌わせていたり、体を揺らしたり、まさにお祭り騒ぎに相応しい楽曲達になっていた。特に本当にフィル・ダニエルズが登場した(!)"Parklife"は思わず画面の前で「パーライ!」と叫びたくなるほど。そして逆に、歌声の年輪がここまで活きるのか!と思った曲もある。"Beetlebum"、"Tender"、"The Universal"などは録音には無い渋みがあり、感動的なハイライトになっていた。"Tender"に関してはそれは反則だろ!っていう曲展開にしていて、思わず泣きそうになってしまった。歌詞も今歌うほうがずっと説得力がある。
 そして音に関してもミックスがちゃんと成されているのか、他のDVDよりもずっとクリア。楽器の音の一つ一つがしっかり聴けて、大満足(やっぱグレアムのギターの音は良い)。そして観客の声もでっかく入っていて臨場感も○。CDのほうはそのままぶち込みましたっていうブート丸出しだったのが残念だったけども。
 しっかり太って、髪も後退したデーモンだけれども、なぜか今が一番カッコよく見える。確かに美男子度という点では過去のジュード・ロウばりも凄いのだが、今のスッキリとした笑顔が微笑ましいし、カッコいい。これからも彼のこういう姿を見ていきたいものだ。

 ライナーノーツには「ブラーを終わらせる」ためにライヴをしたと書いてあったが、本当にそうなんだろうか。ブリットポップは終わったとしても、ブラーは終わらないんじゃないだろうか。むしろ、新しく続いていくんじゃないだろうかと思える。いつになるのかは恐らく本人達も分からないだろうけど、必ず帰ってくるような気がするなぁ。だからこそ書きたい、"Blur Is Back!"

( 2010 , Documentary, Live )
Comment
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
comment :
password :
secret : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright (C) Deep Impact all rights reserved.
designed by polepole...

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。