Deep Impact
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Heligoland / Massive Attack
2010年 02月 23日 (火) 19:48 | 編集

" Heligoland " / Massive Attack

 5thアルバム。前作"100th Window"が駄作扱いされていることに物凄く納得がいっていない。あのエレクトロニカのレイヤーで構築された過去最高に陰鬱としたテンションはあれはあれで評価に値するものだと思うし、ジャケットにもあったような崩壊した人間の様相や時代の雰囲気を上手く捉えていたと思うから。とはいってもその拒絶反応も分かるなと思うわけで。確かにあれは3Dのソロプロジェクト性が高く、ブラックミュージックからの影響や彼ららしい人の入れ替わり立ち代りを見ることができないアルバムだった。その意味では今作は"MEZZANINE"以来参加となるダディーG復活、多彩なゲスト陣など、彼ららしい共同体的なアルバムになっていると言える。
 今作の音はEPからも推し量られたように、今までよりも遥かに音数の少ないアルバムである。曲によってはほぼベースとドラムしか主張しない曲もあったりして、かつて3Dが「ベースとドラムだけでも十分曲になるんだよ」と言っていったのを思い出す。しかし、その音が圧倒的な説得力とクオリティを持っているのが彼ら。ブラッシュアップし、足し算ではなく引き算によって生み出されたそのサウンドにムダは無い。鳴るべくして鳴らされた音によって、エレクトロニカ、ダブ、ソウル、ロックなどを行き来しつつ、途方も無く美しく、気だるく、漆黒のマッシヴ・サウンドになっているのは流石(特に好きなのは神々しいストリングスの鳴り方)。この前のポーティスヘッドの新作でも思ったが、やはりブリストルの雄は自分達の音楽に対して誠実だ。そして、前述した多彩なゲスト陣とのケミストリーもまた素晴らしい。"Girl I Love You"における攻撃的なベースとホレス・アンディの歌声はお墨付きのハマりだし、"Paradise Circus"のホープ・サンドヴァルの物悲しさも良い。そして"Saturday Come Slow"の現在のデーモンにしか出せない哀愁が漂う白眉の出来。
 ただ、少なからず言われている通り、このアルバムは今までと比べると「軽い」のかもしれない。サンプリングを多用した重層的なサウンドや、規格外ともいえるブンブンとした重低音が無く、緊張感が欠如していると。確かに自分も最初はそう思ったし、非常に分かる意見である。が、自分は新しいマッシヴ像を打ち出していることと、全体に漂うエレガントさに感服した。何より、音の奥深くのオーラまで感じさせるような曲を作れるのは彼らしかいないとすら思う(彼らに対し、並々ならない畏敬の念を抱いているからこその意見なのかもしれないが)。いつもの通り次はいつになるの分からないが、それまで長く愛聴出来そうなアルバム。

★★★★☆ ( 2010 )

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