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Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
マイケル・ジャクソン THIS IS IT
2009年 11月 24日 (火) 04:15 | 編集

『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
監督 : Kenny Ortega
出演 : Michael Jackson, Nick Bass, Daniel Celebre, Mekia Cox 他
( 2009 )

-Story-
2009年6月、1か月後に迫ったロンドンでのコンサートを控え、突然この世を去ったマイケル・
ジャクソン。照明、美術、ステージ上で流れるビデオ映像にまでこだわり、唯一無二のアーテ
ィストとしての才能を復帰ステージに賭けながら、歌やダンスの猛特訓は死の直前まで繰り
返されていた。(シネマトゥデイ)


 とあるホームページからも明らかなように、実はこの映画は皆に望まれたものではなく、賛否
両論の中公開された。実際に鑑賞してみても、ドキュメンタリーとしては明らかに「伝える」という
行為に欠けているだけでなく、ライヴ映像としても完璧なものとは言えない。リハーサル映像から
構成されたことを考えれば当然で、これははっきり言って未完成の作品である。だが、それがガッ
カリさせるような気持ちを起こさせるのではなく、むしろ妥当なものとしてこれを受け入れることが
出来る。その理由は冒頭のある言葉="for the fans"。そう、これは最後の瞬間を垣間見たい
とするファンへの映画であって、真実を伝えるものではない。体が衰弱してたとか、他殺なのか
どうなのかといった問題については他のメディアに任せればよいのだ。

 マイケル・ジャクソンはスーパースターである、この事実がスクリーンで何にも隠されることなく
映される。確かにリハーサルで、本域でパフォーマンスをしていないのは分かるのだが、それで
もダンスのキレ、歌声の確かさは超人級(リハでもあんなに歌っているとは思わなかった)。とい
うか、ちょろっとサウンドチェックで歌うだけでパフォーマンスになってしまう、そんな業を見せ付け
られたような気がする。また、本当に細かい演出にも気を配り、徹底的に良いものにしようとする
プロフェッショナルな姿勢も興味深かった。しかしその姿勢が謙虚かつ冷静であればあるほど胸
が痛むような気持ちになる。あまりにも孤独に見えたからだ。「夢がかなった」と大はしゃぎする
ダンサーの中で何か(又は自分と)と対話するように歌い、踊る彼の姿が脳裏から離れない。

 とにかく、マイケル・ジャクソンという人生はここに幕を下ろした。今作を見て、彼は最後までキン
グ・オブ・ポップであり続けたことが分かった。今後もう、こんな人は現れないだろうと思う。

・Set List
01. Wanna Be Startin' Something
02. Speechless (a small bit of it)
03. Jam
04. They Don't Care About Us
05. Human Nature
06. Smooth Criminal
07. The Way You Make Me Feel
08. I Want You Back/The Love You Save/I'll Be There/Shake Your Body (Jackson 5 Medley)
09. I Just Can't Stop Loving You
10. Thriller
11. Beat It
12. Black or White
13. Earth Song
14. Billie Jean
15. Man in the Mirror

- Ending -
16. This Is It
17. Heal The World


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