2009年
08月
21日
(金)
03:27 |
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" Lifeboats and Follies " / Tommy Guerrero
スケボーって良いよね。ツンツンと地面を蹴りながら、風を感じスーと道から道へ進んで、時
にはジャンプしてしまったりする。単純だけど奥が深い、実に魅力的な乗り物だと思う。自分
は数えるぐらいしかやったことないけど、街でやっている人を見かけるとついつい見てしまった
りする。当然、巧くなるには卓越したバランス感覚が備わっていなければならないのだが。さ
て、今作は何故か日本独占でリリースされたトミー・ゲレロのアルバム(日本にも良く来ている
みたいだし、好きなのかな日本のこと)。トミー・ゲレロは元々スケボーで名を馳せ、後に音楽
にも分野を広げた人であり、ストリートのカリスマとさえ言われている。スケボーが巧いからか
は知らないが、音楽的にもとてつもないバランス感覚を持っている。西海岸に憧れさえ起こさ
せるような気持ちの良いギターの音色が有名だが、そこにジャズ、ファンク、ポスト・ロック、ア
ブストラクト・ヒップホップなど様々な要素を入れ込む。つまりは、開放と内省を同時に鳴らして
いるような、晴天と真夜中を同時にあらわしているような、実に独特の音像を持っている音楽
である。そして今作「救命ボートと愚考」、なんかもう完璧に彼の音楽を言い表すようなタイトル。
今作でも基本的な路線は変更されていない。が、ちょっと違うのが、ベースとドラムを骨組みに
組み立てられたということで、ギターは少し鳴りを潜めていること。それによって以前よりもグッ
とジャジーでダブに寄り添った音になっていて、それがまたたまらなくカッコいい。昼間っから
聴いても良いが、とりわけ真夏の夜中を演出してくれる。いやー、期待を裏切らない!
★★★★ ( 2009 )
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