2009年
07月
15日
(水)
18:38 |
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" Wait for Me " / Moby
7thアルバム。モービーの宅録音源放出的なアルバム(アートワークも自身でやっている)。
モービーってちまちま曲を溜めているイメージがあって、常に100曲ぐらいストックがありそうな。
その中からアンビエントな楽曲を抜き出した感じで、正直"Play"の頃を自己模倣しているし、新
機軸は全く無い("Study War"なんてまんま"Why Does My Heart Feel So Bad?"のような)。
だが、それでも繰り返し聴いてしまうのは、モービーのアルバムは常に感性で作られているから
で、作りたいものを作るという一貫性があるからだ。黒人音楽、シンセ・サウンド、サンプリングな
どをを織り交ぜて作られる楽曲には最早お家芸と呼べるほどの安心感がある。前作の時も書い
たように、ここで鳴らされる音そのものはオリジナルでは決して無いんだけど、その昇華具合は
モービー独自のもの。流しているとあっという間に最終トラックに行き着くアルバムの作り方は流
石だなぁ。決して驚くような仕掛けがあるとは思えないんだけど、この悠々自適さには正直羨望
するし、楽しんで作っているということが容易に想像できる。かつてエミネムが「テクノなんて誰も
聴いてねーよ」とモービーを揶揄したことがあったけれど、本人はそんなことお構いなしで徒然に
音楽を鳴らす。次のアルバムもきっと早いスパンで出てくるんだろうな。
★★★ ( 2009 )
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前作"Last Night"レビュー
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