2008年
07月
18日
(金)
00:28 |
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" 私と放電 " / 椎名林檎
椎名林檎ももう10周年である。それを記念する形で発表されたのが今作、カップリングベスト
である。嫌でもシングルベストは出さないという姿勢が伺える。同時発売の"私と発電"という
クリップベストの方がよりベストらしいとは、いかにも彼女らしい。というのも彼女ほどアルバム
のコンセプトを大事にしている人はいないわけで、シングルを寄せ集めて聴いただけでは本当
に一面しか見えないからだ。でも彼女自身も「遊び場」と定義しているカップリングなら(こういう
風に解釈しているアーティストは多い)、トータリティーは始めから問題にならないし、かえって
彼女のバックボーンの豊かさを物語る。「女性」という立場からの鋭利な歌詞、ジャズや歌謡曲
の匂いの感じられる世界観、グランジなど洋楽オルタナティヴからの影響、何処と無く危うさを
持ち合わせた歌声。でもそれらが散漫に聴こえるのではなく、全て椎名林檎らしさというのを
演出しているのが凄いところだ。カップリングという「遊び場」ではそのバラバラ具合に拍車が
掛かっていて更に面白い。いちいちクオリティーが高いのは勿論、天晴れなぐらい統一感が
無い。本当に音楽が好きで、本当に天才なんだなこの人と再認識してしまった。最近の表現
の自然さを見ると、これからも作品を提供し続けてくれるに違いない。むしろ、これからの方が
楽しみかも。とりあえず、10周年おめでとうございます。
( 2008 )
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