2008年
06月
17日
(火)
05:08 |
編集

" Viva La Vida or Death And All His Friends " / Coldplay
4thアルバム。前三作を三部作とし、今作を第二章と位置づけていることからも推し量られる
ように、今作は飛躍の作品と呼べるであろう。今までのコールドプレイの音楽を自分は「楽曲
のクオリティー(曲の良さ)が全て、それ以下でもそれ以上でも無い」と書いたが、もう少し突
っ込んで言えばそれは「顔が見えない」ということだ。クリス・マーティンの情熱を帯びない一
歩引いたひんやりとした歌声、具体と抽象を辿って感情を見せずとも雄弁に語る秀逸な歌詞、
繊細なメロディー、ピアノやアコースティックを軸に響く音楽。これらから紡ぎ出されるのは、
音楽家を超えたところで鳴る音楽、つまり音楽そのものが頭上から降りて来るような感覚。
決して共感は許さないのだけど、音楽に身を委ねて非日常的な所へ連れてって行った。そこ
がコールドプレイの音楽の特異性だと思っていて、単なる美メロバンドとは一線を画す要因で
あったと思う。今作ではそんなコールドプレイの特徴が、大きく変化していると共に、新機軸
も獲得している。一番驚いたのは「情熱」。
生と死、希望と絶望の相反するものをテーマに据え、それをアルバム全体で循環していく。
イントロとアウトローの類似、2曲を1曲の中に詰めるなど、シングル曲/楽曲単体で語られて
きた彼らの静かな反抗か、アルバムとして語られることを前提に作られている。アルバム自
体が大きな流れであり、また一曲なのだ。それによって、ポジティヴィティとネガティヴィティを
経ることによる大きな感情の起伏と、途方も無いスケール感を擁している。そして最も生彩に
響くのは情熱=生だと思っていて(クリスは生と死のどちらを受け取ってもらってもかまわない
なんて言っているが)、その核となるのがタイトル曲の"Viva La Vida"。まさに美しき生命と
いったポジティヴィティに溢れており、なんだか生命の爆発といった感じ(ストリングス・アレン
ジがこれまたハマっていて◎)。他にも、リズムの高揚とヴォーカルの対比、耽美なギターが
素晴らしい"Lost"、美しい風景を連想させる佳曲"Lovers In Japan/Reign Of Love"、
後半が何故かシューゲイザーへと移行する"Yes"、コーラスが神々しい"Death And All
His Friends"など聴き所は多数。「以前の方向性は許さなかった」という教師のような
ブライアン・イーノのプロデュース・ワークが光っていると言えるだろう。
アルバムを通して生き生きとした情熱と物語を体現。分かりやすいアンセム・ソングを配置
せずあくまでもアルバムとして考えられたのが大成功。だから、何度も聴くまでは確かに地
味に感るかも。その地味さと、イーノということでついU2の"焔"を連想してしまうが、というこ
とは次はヨシュアなのか!?とかなり身勝手な期待をしてしまう(個人的に音的には似て非
なるものだと思っている)。それぐらい豊かな作品。最早、何かのフォロワーで語るのは馬鹿
らしいと思わせる貫禄を手に入れた。
★★★★★ ( 2008 )
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この記事へのコメント
(訪問者リストからやって参りました)
このアルバム、不思議な力を持ったアルバムですよね。曲は明らかにこれまでとは異なるのに、どこを切ってもColdplayで、そしてどの曲も感動すら覚えるほどのクオリティの高さ。ここまで来ると神がかり的なものすら感じます。
このアルバム、不思議な力を持ったアルバムですよね。曲は明らかにこれまでとは異なるのに、どこを切ってもColdplayで、そしてどの曲も感動すら覚えるほどのクオリティの高さ。ここまで来ると神がかり的なものすら感じます。
初めまして。
かなりのスケール感を有するアルバムですよね。全体に流れるポジティビティもらしさを失わずにならしているから流石。期待以上の出来です。
早くも今年一番売れるアルバムになったということです。日本ではあまり感じませんけどね(笑)サマソニ以降人気が沸点に達する予感。あっ、でもCM効果けっこうあるみたいですね!
かなりのスケール感を有するアルバムですよね。全体に流れるポジティビティもらしさを失わずにならしているから流石。期待以上の出来です。
早くも今年一番売れるアルバムになったということです。日本ではあまり感じませんけどね(笑)サマソニ以降人気が沸点に達する予感。あっ、でもCM効果けっこうあるみたいですね!
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2008/06/19(木) 19:26:30 | 徒然なる論評


