2007年
09月
30日
(日)
17:42 |
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" Graduation " / Kanye West
3rdアルバム。まず言いたいのは、この異常な聴きやすさは何だろうかということ。いやもちろん今
までのアルバムが難解だったわけではない。だけど、今作の聴きやすさはシーンを見渡してみて
も圧倒的だ(特にクリス・マーティン参加の"Homecoming"はえげつない)。強烈なフックの強さ、
ダフト・パンク参加などからも分かるクロスオーヴァーっぷり、エレクトロ・サウンドの多用。最早こ
れはヒップホップというよりはポップと呼べるかもしれない。だからといってクオリティーが落ちてい
るということは全く無く、トラックは一級だし、アルバムに沢山仕掛けがあったりして最高に面白い。
敢えて言ってしまえば、これは日本におけるRIP SLYMEの音楽に似ている。ただリップと彼の違い
は、より大きな規模で現象を引き起こそうとする気概と型にはまったブラックミュージックへの反抗
の有無だろう。カニエ・ウェストは明らかに全ての音楽ファンを「狙って」きているし、色々な壁を壊
そうとしている。ここまでくると、その先でグラミーも狙っているのも至極当然かもしれない。今年一
番の大作であることは間違いなし。ただ、個人的に残念だったのは、前作の"Diamonds From
Sierra Leone"のような聴いているだけでゾクゾクするような曲が無かったこと。まあ、それを差し
引いても信じられないぐらい完成度高いんだけどね。
★★★★☆ ( 2007 )
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