Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
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[Review] Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2 / 宇多田ヒカル
2010年 11月 23日 (火) 23:39 | 編集

" Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2 " / 宇多田ヒカル

 2010年いっぱいで音楽活動を休止し、「人間活動」へと専念する宇多田ヒカルの休止前打ち上げ花火的なベスト・アルバム。前ベスト盤である"SINGLE COLLECTION VOL.1"の続編という意味合いもある。Disc1では13thシングル"誰かの願いが叶うころ"~21thシングル"Prisoner Of Love" + エヴァ破主題歌"Beautiful World -PLANiTb Acoustica Remix-"が収録され、Disc2では大盤振る舞いで新曲を5曲も収録。(レコード会社の策略が背後にあるであろう)ベスト盤はベスト盤なんだけれども、ある程度リスナーに目を向けているのかと。彼女曰く「誠意ある作品」だそうな。
 前にも書いたことだけど、彼女の最大の魅力は何かといえば「切なさを独特の言い回しで、モンスター級のメロディーセンスとアレンジによって超高性能なポップスに仕上げていること」。それは今も昔も変わらず、勿論今作でもたっぷりと味わうことが出来る。むしろシングルを集めているからこそ、ポップネスと切なさとのコントラストは強い。では逆にVol.1との違いはというと、前述した「アレンジ」の部分、もっと広義で言えば音楽性の変化だ。Vol.1では所謂R&B調のビートが強く歌唱を引き立たせるような音楽が目立っていたが、Vol.2ではエレクトロニカやアンビエントからの影響を色濃く反映させトラックと一体に歌があるという音楽になった。もう少し詳しく言えば、"Passion"や"This Is Love"などの実験を重ねた結果、"Heart Station"というエレクトロニカ/アンビエントをJ-POPへ落とし込む=他の追随を許さない地平へと辿り着いたと言えるだろう(その文脈故に曲順は時系列の方が合っていると思うんだよなぁ)。それともう一つ、今作を聴いて心底凄いと再確認したのはそのコーラスワークの独特さ。多くの楽曲でコーラスが多層的に組み合わされているのだけど、それが絶妙すぎて聴き心地が滑らかなのだ。しかもよく聴くと歌メロと合ってなさそうだったり、極端に暗いメロディーだったりして、楽曲の奥深さをプラスさせている。というか病み付きになる不気味さを内包していると言ったほうが正しいだろうか。
 そして新曲も良い。PVも制作された"Goodbye Happiness"なんて泣きそうになるぐらい切なさ爆発だし、"Show Me Love (Not A Dream) "、"Hymne à l'amour 〜愛のアンセム〜 "は新しい彼女を見せてくれるし、"嵐の女神"、"Can't Wait 'Til Christmas"はシンプルなアレンジが切迫とした表現を引き出しているし。休止するなんて勿体無いと思えるほど。しかし暫しの別れ、また会える時を楽しみに待ちながら彼女が歩んできた大きな大きな足跡を反芻しよう。

( 2010, Best Of )

-関連記事-
[Review] "Heart Station"
[Review] "ULTRA BLUE"

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[Review] Rock Dust Light Star / Jamiroquai
2010年 11月 23日 (火) 15:07 | 編集

" Rock Dust Light Star " / Jamiroquai

 ベスト盤を挟んでの、5年ぶりとなる7thアルバム。確か引退って言う話もあったかと思うんだけど、心境の変化があったのかカムバック。音楽的にも打ち込み主体であった近作から変化して、生音主体のサウンドに。ファンキーなベースが唸り、歌い、ホーンやキーボードが鳴り、ギターは絶妙なタイミングで挿入される。冒頭の"Rock Dust Light Star"、"White Knuckle Ride"などはノリ重視のファンクネスで初期を連想させるような。必要最小限の音数で心地良いグルーヴにメロディーがあり、ジャミロクワイがバンドであることを久しぶりに再確認するアルバムになっている。巷では原点回帰作といわれているようだ。確かにそういう部分もあるとは思うがそれだけではなく、均質化した最近のポップシーンでは珍しくなってしまったこういうサウンドを投じることによって自身の立ち位置を示すという意図もあるんではないだろうか。そういった意味が含まれているとしたら、なかなか野心に溢れる作品とも言える。がしかし、本作の最大にして致命的な問題点はJay Kayの歌声。まずジャケットの彼を目にして老けたなーと思わざるを得なかったけど、その声を耳にしても老けたなーと。40歳を超えれば仕方ないとは思うのだけど、勢いもなく渋みにもならずなんだか間延びした印象を受けてしまうのは残念だ(好きだからこそ)。本人はあえてそうしたと言ってはいるが、鼻歌さえも歌になってしまっていた頃を知っている身としては・・・。もし今作が絶好調のヴォーカルであったなら、更なるインパクトを伴っていたように思う。

★★★☆ ( 2010 )

[Review] Pieces in a Modern Style 2 / William Orbit
2010年 11月 18日 (木) 23:15 | 編集
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" Pieces in a Modern Style 2 " / William Orbit

 ウィリアム・オービットはアンビエントテクノ界では大御所のプロデューサーでありコンポーザーでもある人物。ロック/ポップ界ではBlurの"13"やMadonnaの"Ray Of Light"のプロデューサーとして、そしてU2の90年代ベストに収録されていた曲"Electrical Storm"をミックスしたことで有名(もういい加減この紹介は古いか・・・)。そして彼の代表作である"Pieces in a Modern Style"の続編が10年ぶりに復活。このシリーズはクラシックの名曲の数々をアンビエント・カバーしたもので、睡眠に悩む世界の方々に重宝されたそうな(?)。
 もちろん自分も前作はかなり愛聴していた。もちろんそれは睡眠が理由ではなくて、そのサウンドの素晴らしさから。その一音に掛ける情熱といったら並大抵のことではなくて、シンセ・サウンドでキッチュさ、静謐さ、哀愁、安堵、崇高さ、そして間さえも表現してしまう神業的な作品であった。つい最近も聴きながら歩いていたら偶然落ち葉が降りそそぐのと重なったのだが、まるで映画のようなスローモーションに実際に対峙したかと思うほど美しい瞬間を演出してくれた。今作にもそんな音楽を期待したのだが・・・すごく期待したのだが、そうはいかなかった。まるで80年代のSFファンタジー映画で流れていそうな1曲目からして凄く嫌な予感はしたのだが。端的に言うと今作は大衆化した。それはそれで間口を広げる効果があるのかもしれないが、代わりに独自性を失った。11曲目とかスーパーの閉店間際みたいじゃないか、ここまでくると口も閉じてしまうというものである。そういえば昨年に発表された"My Oracle Lives Uptown"もそうであったが、美しい音の追求というモードではないのかもしれない。その点においては才能ある人なのに、もったいないな。

★★☆ ( 2010 )

-関連記事ー
[Review]"My Oracle Lives Uptown"
[Review]"Hello Waveforms"
[Review] Mixed Race / Tricky
2010年 11月 14日 (日) 19:33 | 編集

" Mixed Race " / Tricky

 9thアルバム。マッシヴ・アタック、ポーティスヘッドと共にブリストルの雄として名を馳せたトリッキー(マッシヴとは最近和解!)。ただ、一口にブリストルの雄とは言っても彼は活動の拠点をブリストルからロンドン、ニューヨーク、そしてパリへと移していくと共に、音楽的にも変遷を辿ってきた。ある意味でブリストル勢の中では一番野心的であったと言えるかもしれない。その全てが成功していたとは思わないのだけれど、前作"Knowle West Boy"で実にフラットに原点に立ち返ってからまた新しいトリッキー像というものが見えてきたような気がする。今作もその延長線上にある。
 タイトルは「多様な人種や文化と触れあう」というまさにブリストルで育った彼自身のことであるが、アルバムの内容も多彩だ。ファンク、レゲエ、ヒップホップ、ジャズなどなどをダビーな音像へと昇華する手腕は札付き。ゲストも多彩で、ボビー・ギレスピーからジャマイカンMCのテリー・リン、イタリア人シンガーであるフランキー・ライリーなど国際色豊かな顔ぶれが集結。そんな様々な要素が絡み合って独特のスモーキーさを醸すあたりは、ああトリッキーのアルバムの聴いているんだなぁと否が応でも意識させられる。ただ単なる過去の焼き直しになっていないところが今作の凄いところで。様々な音楽性がミックスされているにも関わらず、聴き応えは実にダイレクトでコンパクトであるのだ。ダンサブルで攻撃的なサウンドは脳ではなく体へと響く。今作に収録されている"Murder Weapon"のミュージック・ビデオで彼自身がボクサーに扮していたが、まさに今作の贅肉を落としたサウンドにピッタリのイメージである。また、攻撃的なサウンドに乗る彼のMCもまた今までと違って良くて、アップテンポなビートにも嵌るのかと感心してしまった。ルーツに立ち返りながらもそこから更に歩を進められることを示せているという、過去と現在が絶妙に交錯する力作。

★★★★☆ ( 2010 )
[Review] SPIRIT OF PROGRESS E.P. / Dragon Ash
2010年 11月 14日 (日) 13:11 | 編集

" SPIRIT OF PROGRESS E.P. " / Dragon Ash

 ようやくドラゴンアッシュが動いた、そう思えるEPだ。否、音楽的にはディストーション×ラップ×アッパーなメロディーと所謂「ミクスチャー・ロック」にして、原点回帰とも言える内容で驚きは無いのだが。それでも血が入れ替わったような新鮮味が今作から感じられるのは、リズムセクションを代表として近年培ってきた音楽的卓越性と、そして何より経験してきたからこその言葉が綴られているから。リード曲では道程の陰と陽両方が綴られている。"ROCK BAND"では「Back To The 90's」=始まりの時から無邪気な青春と残酷な現実を振り返り、それでもなお自身の曲を信じぬくという意思がが歌われ、"TIME OF YOUR LIFE"ではそれこそ「道半ばで散ったバンド」への思慕の念と新たな門出を祝福する餞が。アグレッシヴな演奏と、哀愁たっぷりのメロディーと、力強い言葉と、まさにドラゴンアッシュが(世間的に)絶頂であった頃を思い起こさせるようだ。あの頃の狂騒は再び起こらないかもしれないが、自身の立ち位置を外向きに示すという意味で非常に重要なEP。最早バンド名を冠するのと同意義であるアルバム"MIXTURE"もそんな内容になっていそうだ。
 そんなこととは全く関係なしに素晴らしいのはカップリングの"PARTIAL BLIND"。ミュージシャンの遊び場はここなんだと言わんばかりの自由な内容で、ポスト・ロック/エレクトロニカからの影響、ラテン的パーカッション、スクラッチ、変拍子が凝縮して1曲の中に存在し、心象風景が次々とラップされていく。降谷建志のこういった「静」の部分はやはり魅力的だし、このクールネスには抗えないなぁ。むしろ好みはこっちだったり。

( 2010, EP )

-関連記事-
[Review] "AMBITIOUS"
[Review] "FREEDOM"
[Review] Living Dirt / Tommy Guerrero
2010年 11月 07日 (日) 18:14 | 編集

" Living Dirt " / Tommy Guerrero

 8thアルバム。前作から約一年と随分短い期間でアルバムが届けられた。そして今回のトミー・ゲレロのアルバムはどうも様子が違う。彼の作品を特徴付けてきたギター・サウンドはエフェクトを加えられ、シリアスであった前作の路線よりも遥かに内省的な内容になっている(曲名も"the sorrow of tomorrow"や"the unfuture"などなにやら不穏な雰囲気が)。ブレイク・ビーツやパーカッションが時折生々しく響くものの、全体に感じる印象はアンビエントとでも言えるだろうか。今作がこのような作品になった訳はその制作過程にある。今作の制作期間はたった5日間で、何も決めないで、真っさらの状態でスタジオに入ったという。本人曰く「全部その場でやった(笑)。とにかくスタジオに入ってどうなるか試してみよう、という精神だったんだ」。なるほど確かに、一人スタジオで瞬間のひらめきを手繰ってゆく、パーソナルでピュアな探求が生き生きと鳴る。だが流石様々な形態で、それこそ一人でもステージに立つ人だからこその完成度も併せ持っている。今更ながらストリート云々で語るだけではなく、才能ある音楽家として独立していることを再確認する一枚。いやー、色んな引き出しを持ってるなーこの人は。

★★★★ ( 2010 )

- 関連記事 -
前作"Lifeboats and Follies"レビュー
2010年10月の購入記録
2010年 11月 01日 (月) 07:04 | 編集
2010年10月の購入記録です。そろそろ寒くなってきましたね。

新作
・" Swanlights " / Antony & The Johnsons
・" Halcyon Digest " / Deerhunter
・" Pattern & Grid World " / Flying Lotus
・" Social Network " / Trent Reznor And Atticus Ross
・" Mixed Race " / Tricky
・" Pieces in a Modern Style 2 " / William Orbit

旧作
・" Plus 47 Minus 16 Degrees " / Fennesz ※
・" Fountains of Wayne " / Fountains of Wayne
・" 76:14 " / Global Communication
・" Labcabincalifornia " / The Pharcyde

※は中古商品

10点となかなか購入した月だったのではないでしょうか。どれもらしい良い作品だと思います。少しはレビューしなくては!!
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