Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
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2010年3月の購入記録
2010年 03月 31日 (水) 16:18 | 編集
2010年3月の購入記録です。

新作
・" Oversteps " / Autechre
・" Broken Bells " / Broken Bells
・" Head First " / Goldfrapp
・" Plastic Beach " / Gorillaz
・" Go " / Jonsi Thor Birgisson
・" QUADRINITY ~MEMBER’S BEST SELECTIONS~ " / L'Arc-en-Ciel
・" Soldier of Love " / SADE
・" ロックマン10 オリジナルサウンドトラック "

旧作
・" Riot Act " / Pearl Jam
・" The Best Of SADE " / SADE

音楽10点と例年より少ないかな?と思っていたんですが、去年の3月も同じぐらいでした。やはり5、6月、9月あたりがリリースラッシュなんですかね。

来月はFLYING LOTUS、RUFUS WAINWRIGHTなど注目の新譜が続々とリリースされる模様。世間的にはMGMTが盛り上がるのかな?Vampire Weekendに続いてUS1位と言うことになれば、雑誌がこれでもかというぐらいもてはやしそうな予感が(笑)
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[Review] Head First / Goldfrapp
2010年 03月 29日 (月) 13:10 | 編集
goldfrapp_headfirst.jpg
" Head First " / Goldfrapp

 アリソン・ゴールドフラップとウィル・グレゴリーの二人組によるゴールドフラップの5thアルバム。文字通り衝撃のデビューアルバムで世に出てから、自らの尺度で自由に音楽性を変化させながらも、評価を一定に受けていると言う実に羨ましい立ち位置にいる彼ら。今作は80年代の陰陽で言えば陽、つまり80'sシンセポップを前面に押し出した作風となっている。
 最近彼らのプロフィールのことを調べたのだけど、中でも一番驚いたのは年齢。アリソンの端麗な顔立ちもあって結構若手かと思ってたんだけど、この人1966年生まれなのね。つまりは80年代に青春を駆け抜けた世代である。彼らの作品に時折見られる80'sの影響はリバイバルでもなんでもなく、彼らの中に刻まれているものなんだろうな。そういう意味では今作がここまで分かりやすいシンセポップになったことは合点がいく。過去作では80'sの音楽にロック的なノイジーさやバキバキ感を足していたり、ダンス・ミュージック的な緻密なリズムだったりと現代的な解釈を加えていたけれども、それよりももっと王道的。最早カイリー・ミノーグとかマドンナとかと近いんじゃないだろうかとも思ったし、聴いていてなんとなくリマールのネバーエンディングストーリーを思い出した。80年代に青春を謳歌したからこそ、作りたくて仕方が無かった一枚ということなのかも。
 ただ、やはり彼らの魅力が最大限に活かされるのは耽美/退廃なものに他ならないと思っていて。1stの衝撃は同時に呪縛ともなっているほど素晴らしいものであったし、前作もそれとは違うベクトルでらしさをを表現した充実作であった。だからこそ「今作でそっちに戻るのかい!しかもモロかい!」という突っ込みをせずにはいられない。もし仮に、同じ80年代であっても陰の王道であるジョイ・ディヴィジョン的なポストパンク/ニューウェイヴや、バウハウス的なゴシックの要素を打ち出していたら、もっと違うものになったんだろうなぁ・・・。

★★☆ ( 2010 )


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前作"Seventh Tree"レビュー
[Review] There Is Love in You / Four Tet
2010年 03月 25日 (木) 23:06 | 編集
fourtet_thereisloveinyou.jpg
" There Is Love in You " / Four Tet

 フォークトロニカの代名詞的存在とともに、00年代エレクトロニカに多大な影響を与えているこのフォー・テット。5年ぶりの5thアルバム。タイトルやジャケットがやたら素敵(クサい)んだけれども、内容もそれを表すようにポジティヴなものになっている。冒頭の女性の歌声などでも分かるようにエモーショナル/ソウルフルで、かつ4つ打ちも登場するような今までよりもダンスフロア寄りになったかなと。ただ、それは根本的な変化を起こしたわけでも聴き手に併合したと言うわけでもなく、あくまでも新たな引き出しと言う感じだ。それは、何よりフォー・テットらしい音の構築性は今作でも際立っているからこそ。いかにも電子音楽的なビートやノイズの中で、アナログ的な人肌温かいサウンドが耳を撫でるように響く、緻密な音響空間。音楽センスと言う他ないものに吟味された音の粒ひとつひとつが有機的に鳴り、聴き手を静かに高揚させる。一切無駄がない洗練と、途方も無い美しさを放つ彼の音楽はやはり凄い。個人的にはジャズの要素があり、また水の上でたゆたうような感覚もあった過去作の方が好みなんだけれども、今作もまた素晴らしく思える。
 ミニマルとも言える今作は、i am robot and proudの諸作を思い起こさせる(i am~の方が数段可愛らしくてポップだけど)。どちらも生音と電子音の融合を試みている音楽家だが、やはり今も残る電子音楽家って言うのはどれだけアナログな感覚だとかその空気感を持ち合わせているかどうかなのかな。

★★★★ ( 2010 )
[Review] Oversteps / Autechre
2010年 03月 20日 (土) 08:07 | 編集
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" Oversteps " / Autechre

 今になってオウテカとエイフェックス・ツインとの比較が有効なのか分からないが、それでも比較するとオウテカは頭でっかちな音楽であると思う。リチャードの変態的なトラックは自分のような凡人には理解が出来ないけれど、ふんだんに快楽に満ちているのに対して、オウテカの音楽は理知的で技術で作っているようなのだ(特に"Confield"以降)。それはまるで職人的なポップ・ミュージック以上に、精密な「工業製品」かのよう・・・。そんな認識があるからこそ自分は未だに彼らに対して苦手意識が拭えないのだろうし、「複雑にすればパイオニア/革新的なのかい?」という邪推が頭の片隅に残ってしまうのだろう。一言で言えば、無機質に感じられるということ。
 ということで、10thアルバム。近年の作風であったビートをとにかく複雑化していたものから、長いトンネルを抜けて、ちょっと突き抜けたなと思わせるものになっている。初期のアンビエント、近年のビート感がかなり高次元なところで緻密に作りこまれていて、メロディーが耳に残る「聴きやすい」部類に入るもののそれだけでは終わらない。耳を澄ましてみると、音響空間が非常に豊かなことが分かる(配信限定の24bit WAVだともっと凄いのかも)。オウテカが持ち合わせていた静謐さと攻撃性が両方感じられるような、確かに近作の中では白眉の出来かと。流石20年続くユニットの最新型だなと思わせるようなところはあるのだが、やはり問題は職人気質過ぎるところ。勿論、好きな人にはたまらない作品だと思うが、自分には「マイノリティーによる、マイノリティーのための音楽」という風に感じられて、一生相容れないのかなぁという諦めの念が沸いてきた。いつか自分も長いトンネルを抜ける日が来ると良いのだけど・・・。

★★★☆ ( 2010 )


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前作"Quaristice"レビュー

[Review] Soldier of Love / SADE
2010年 03月 17日 (水) 10:21 | 編集
sade_soldieroflove.jpg
" Soldier of Love " / SADE

 6thアルバム。十年ぶりの帰還ということらしい。「らしい」というのは、今まで自分が彼らのことを全く聴いてなかったということだ(存在すらおぼろげな記憶だった)。で、今回初めて彼らの音楽に触れてみて、なんでこんなに良質で自分好みの音楽を無視してきたのか理解できないほど素晴らしい。過去作もいち早くチェックしなければと思わせるほどである。憂いと枯れのあるヴォーカルに、太いビート、引き算も足し算も出来ないストイックなサウンド・プロダクション、生音と打ち込みのブレンド、適度なジャジー感・・・こんなマッシヴ・アタックなどと親和性のありそうなものを気に入らないはずは無い。今作を聴いていると時間がゆっくりと動いて、現実というものがグニャグニャとその形を変えるかのような不思議な空間が醸し出される。夜なんかにコーヒーをお供にして聴いているとそのトリップ感が倍増して良い。この地味さを含めてお気に入りの一枚。ただ、歌詞に関してはタイトルの通り愛に対する覚悟や人類愛のような大きな愛まで、ダークさと鋭さを感じさせることも多くて中々エグい。それが歌の哀愁や説得力に繋がっているのかも。
 さて、ここからは余談になるが、彼らのような80年代に活躍して今も生き残っている人ってバイタリティが凄い。それ以前の人は結構老いを楽しんでいる節があるけど、この年代は「若いものにはまだ負けん!」感がビシビシ伝わってくると言うか。U2然り、マイケル・ジャクソン然り、マドンナ然り。80年代って享楽でフニャフニャしたイメージが強いけれども、実は骨のある人こそが活躍していた時代なんだろうか。まあ、80年代をあまり良く知らないので骨がある人しか今に残らなかったのかもしれないが。でもタフさに関しては90年代よりよっぽどあるような気がする。マイケルはもう居ないが、シャーデーを含め他の人たちにはタフさに任せてまだまだ新作を聴かせてほしいものだ。

★★★★ ( 2010 )
フジ/サマソニ2010第一弾比較
2010年 03月 16日 (火) 11:53 | 編集
フジロックとサマソニの第一弾がついに両方とも発表されました。第一弾だけではまだまだ判断できないのは分かっていますが、傾向が見えてくるのも事実。自分は金銭的に両方行くっていう選択肢は無いので、比較が大切です。

(太字は特に見たい人)

・Fuji Rock Festival 2010 第一弾
22-20s / AIR / ALBERTA CROSS / BELLE AND SEBASTIAN / BOOM BOOM SATELLITES / BOYS NOIZE / BROKEN SOCIAL SCENE / THE CRIBS / FLOGGING MOLLY / FOALS / HOT CHIP / IAN BROWN / JOHN BUTLER TRIO / KEN YOKOYAMA / KITTY DAISY&LEWIS / LCD SOUNDSYSTEM / MAGNETIC MAN / MASSIVE ATTACK / MUSE / OCEAN COLOUR SCENE / PARACHUTE / RIDDIM SAUNTER / THEM CROOKED VULTURES / toe / VAMPIRE WEEKEND / YEASAYER / Z-TRIP

うーん豪華!近年のフジの中でも一番自分好みのような。やっぱりミューズとかマッシヴという新譜を携えた人を抑えているあたりが良いですねぇ。今年はUK祭りと言うことでしょうかね?やはり「行きたい」を実現するのは今年なんだろうか・・・ただフジは敷居が高いんだよなぁ。でもこれでゴリラズとか呼ばれたら、どうなるか分かりません。

・Summer Sonic 2010 第一弾
JAY-Z / THE SMASHING PUMPKINS / THE OFFSPRING / PIXIES / DREAM THEATER / NICKELBACK / A-HA / SUM 41 / ORBITAL / JONSI / DEADMAU5 / SLASH / PENDULUM / ORIANTHI / 3OH!3 / 30 SECONDS TO MARS / ALL TIME LOW / BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB / COHEED AND CAMBRIA / EVERLAST / FANFARLO / GIRLS / HUDSON MOHAWKE / THE MACCABEES / MY PASSION / PASSION PIT / SURFER BLOOD / SURKIN / TWO DOOR CINEMA CLUB / UFFIE / YES GIANTESS 

まぁ噂されていたよりはマシな面子かなってことで。とりあえずスマパンキター!人生で一回は見ておきたい人のひとつでしたからこれは嬉しいです!でも今のスマパンってガンズ状態なので果たしてライヴはどうなんでしょうね。でも楽曲は超一流ですからなんだかんだ盛り上がりそう。しかし他の面子が決定打にかける印象。インキュバスあたり呼んでくれれば間違いなく行くんですけどね。しかし、サマソニはなんといっても都市型という最大の利点が。

フジに関しては今見るべき人が、サマソニに関しては今回が最後かもしれない人という分かれ方をしていますね。マッシヴとか単独で来そうですしね(ミューズは1月に来たばっかりだし)。好み的には俄然フジなんですけど、アクセスとかを考えるとやっぱりサマソニになりそうですねぇ。ともあれ今後の動向にも注目です! 
[Review] QUADRINITY -MEMBER’S BEST SELECTIONS- / L'Arc-en-Ciel
2010年 03月 11日 (木) 07:04 | 編集

" QUADRINITY -MEMBER’S BEST SELECTIONS- " / L'Arc-en-Ciel

 作曲者がメンバー全員の4人、そしてそれをディスク4枚に分けてみました!っていう恐ろしいベスト・アルバム。海外のバンドでも聞いたことないよこんなの。ベストなんで曲の解説をしても面白くないので、いつもとは違う感じで書いていこうかな。「洋楽リスナーの方でラルク好きは珍しい」なんてコメントを頂いたことがあるので洋楽リスナーの皆様に向けて。

 「拝啓  洋楽リスナーの皆様へ。

 今回は邦楽でも有数の成功しているバンド、ラルク・アン・シエルについて解説をさせて頂きます。「なんでそんなルックスだけのアイドルバンド聴いてんの?」っていうご意見は重々承知しております。私もそう思っていた時期が長くございましたので、よく理解が出来ます。ただこのように薦めさせて頂いているのは、他でもない、彼らが面白い音楽をやっているからであります。
 彼らの音楽が何故面白いのかと言えば、それは各メンバーの音楽的趣味の違いから来ています。グラム、ゴス、インダストリアル、ニューウェイヴ、メタルなどそれぞれが要とする音楽性の違いから、作曲者ごとに全く趣向の異なる楽曲を生み出すことが出来るのです(当然演奏力がそれを支えています)。邦洋探してもここまで楽曲のふり幅の大きいバンドと言うのは珍しいのではないでしょうか。今回のベスト・アルバムもそのことを誇示するかのように制作されています。
 ただ、ただ単に洋楽を参照しているから優れているというわけではありません。彼らが「邦楽」であることは、彼らが一番理解しています。それが現れているのがメロディーセンスと歌詞です。前者に関しては賛否両論あると思うのですが、メロディーは邦楽的(歌謡曲的)な抑揚があり耳馴染みが良いものばかり。これが彼らがメジャーバンドに押し上げた一つの要因と言っても良いでしょう。特にベーシストのtetsuyaが書くポップなメロディーはスタジアム・バンドとしての説得力を、ギタリストのkenが書く耽美なメロディーは彼らの持つ美意識を一際生彩にする役割を果たしています。次に、歌詞についてですが、hydeの書く歌詞は基本的に直接的な表現を避けた比喩の元に出来ています。邦楽の歌詞で揶揄されることが多い「愛だの恋だの」という歌詞はあまり見受けられず、死を連想するものや、輪廻転生、第三者からの視点から語られるものなど幻想的なものが多いのが特徴かと。彼の英語の発音から察するに恐らく彼は英語が堪能ではなく、そのため日本語の豊かさを大事にしているのではないかと思っています。このメロディーセンスと歌詞が、彼らの音楽を洋楽の物まねから脱却させているのです。
 しかし、彼らにも問題はあります。まずは、最大の(?)批判の対称になっている化粧について。これは私も正直いつまで続けるんだと思っていますが、洋楽リスナーの皆様なら彼らのルーツを知れば理解して頂けると思います。つまりはグラム・ロックとニューウェイヴの影響です。キュアーが化粧をし続けているように彼らも化粧をし続けるのだと思います。現在も人気である「ヴィジュアル系」のバンドとは目的が異なるので、並列に語ることは出来ないでしょう。次に、ファンの足元を見すぎではないかと思うほどの価格の高さとリリース。ライヴDVDが毎回7980円もしますし、写真集や、ベストなども出しまくっています。私は全てを追いかけているわけではないですが、ちょっとどうかと思っています。ただレコード会社の意見もあるでしょうし、メジャーバンドの宿命と言う側面もあるので、笑って流して頂ければ。
 今回このように薦めさせて頂きましたが、当然聴くことを強いているわけではありません。洋楽リスナーの皆様の「聴かずしての」偏見を少しでも減らし、皆様のプレイリストの一部となれば幸いということでございます。とりあえずレンタルなどでベスト・アルバムなどお試しされては如何でしょうか。レンタルの際は、今回のものであれば作曲者毎の色の違いを、以前のものであれば彼らのヒットメーカーとしての確かさを理解して頂けると思います。
 
 以上甚だ乱文ながら、失礼いたしました。  敬具」

 ちょっとやりすぎたかな・・・うーん。

( 2010 , Best of )


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[Review] Plastic Beach / Gorillaz
2010年 03月 09日 (火) 16:11 | 編集

" Plastic Beach " / Gorillaz

 昨年のブラー再結成、それにまつわるドキュメンタリー&ライヴ映像の影響か、ブラー再評価というのが自分の中で起こっていて。やっぱデーモンと言えばブラーでしょ!ってぐらいのテンションになってしまい、今作のリリースが発表されても「あっ、ゴリラズ出すんだー」ぐらいの認識で留まっていた。だが、ゴリラズが動く、というのは言うまでも無く大事件であり、またしても壮大なる遊びが全世界レベルで展開されるということである。先行して公開された"Stylo"のビデオを見れば分かるとおり、ブルース・ウィリスまでもを動員したちょっと頭おかしいんじゃないの?っていうぐらいのクオリティーと遊び心は健在。もうそれだけで期待は膨らむわけだが、アルバムの方も史上最高の遊び心で埋め尽くされている!
 今作は00年代以降のメインストリーム/オルタナティヴが鳴らすべき音を体現するようなもの、又はその進化系になっている。つまりは、ジャンルと個人の趣向の細分化が進むところまで進んだ現代において、他ジャンルを飲み込んだ真なるミクスチュアリング感覚を生み出すと言うことである。ゴリラズの過去作、レディオヘッド、ミューズ、タイヨンダイ・ブラクストン、デヴィッド・バーン&ブライアン・イーノなど00年代の優れた作品はまさにそういったものであった。今作に付属されているメイキングでデーモンが「作り手は作品に責任を持たなければいけない。今はプレイリストで曲毎に聴く時代、だから変化に富んだものを作るんだ。」というような主旨のことを語っていたが、その通りで彼の批評性は流石だなと思わせる。そして、実際に鳴らされるサウンドはどうかと言えば、デーモン・アルバーンの集大成とも言うべき混合サウンドの極致。ゴリラズのテーマとも言えるヒップ・ホップ、現在のシーンを象徴するエレクトロ、モンキーなどの活動で培ったクラシック、第三世界への探求から導いたエスニックなど前述の通りの多様性が存在する。更に、客演陣もジャンルや世代がバラバラで、この理想的なサウンドにもう一段階上の彩りを加えていく(ボビー・ウーマックとデ・ラ・ソウル、グリフが良い!)。そして今作で最も重要なのは、ひたすらに敷居が低いことだ。ここまでごった煮のサウンドを展開しておきながら、あくまでもポップスに落とし込んでいて誰もが=どんなジャンルが好きだろうがアクセス可能。相変わらずのポップなキャラクターもあり、地下から始まったこの遊び心は最早存在自体がシーンへの有効な回答になっていると言ってもいいんじゃないだろうか。やはりデーモンは紛れも無く天才だ。
 プラスティック・ビーチとは何なのか、正直言ってそのコンセプトはあまり分かっていない。プラスティックなど人工物の塊ということで環境問題や、今作のエレクトロとの関連がありそうだが、もっと何かあるようような。それはたぶん今後ビデオなどで明らかにされていくだろう。何はともあれ、この壮大な遊びに最後まで付き合っていくつもりだ。

★★★★★ ( 2010 )


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[Live Report] Placebo (2010.03.06)
2010年 03月 08日 (月) 11:09 | 編集
・Placebo @ 赤坂BRITZ (2010.03.06)



 この日をどれだけ待ちわびたか分からないほど、念願の単独来日公演!「もう来ることはないだろうな・・・」と諦めて、ブートを買っていた頃の自分に諦めるなと言ってやりたい(しかもそのブートで結構満足してた)。今回の来日自体も、この日の公演がソールド・アウトになったのも去年のサマソニがあったからこそだと思うので、クリエイティブマンには感謝をしなきゃな。そしてもちろん、ライヴは最大限に楽しませてもらった。
 まず思ったのは、このバンドの佇まいの説得力というか強度。フロントのブライアン・モルコとステファンはロックバンドらしからぬスーツなんか着ているし、全員が位置に着いたときの歪なオーラが凄い。耽美で幽玄、ただらなぬ雰囲気を感じたというか、まだ演奏してないのにこれから凄いことが起きるんだというものをビンビン感じる。
 そして、もちろん演奏も最高だ。プラシーボの魅力って何かといえばそれは2点あって。ひとつは、グラムやゴシックからの影響を感じさせるような独特の美意識。もうひとつは、耽美さが難解さに陥らず、ロックソングとして抽出出来る手腕。この日はどちらもCDの100倍ぐらい感じることが出来たと思う。美意識はブライアンのヴォーカルとスローな楽曲にこそ宿っていると思うが、特にヴォーカルに度肝を抜かれた(ヴァイオリンもそれにプラス作用)。聴き手の内面をえぐるような訴えるもので、発声/発音が独特で、本当に個性あるヴォーカリストだなぁと再確認。"Battle For The Sun"、"Follow The Cops Back Home"などではそれが良く感じられて、その歌声にウットリと聴き入ってしまった。一方で、ロックバンドとしての強度や、ライヴ慣れを感じたのはアップテンポの曲。最近のプラシーボはサポートを3人入れているのだが、メンバーのうち3人はギターを弾いていることが多い。単純に音圧が高くなるのに加えて、それぞれ違うパートを弾いていたりしてギターロックとしての深み、厚みが以前よりも増している。ポジティヴなロックソングが多い最新作の楽曲が映えるのは言うに及ばず、比較的大人しいと思っていた過去の楽曲さえ強靭にビルドアップされていた。さすが15年選手といった確かさを感じたし、このロックバンドらしさから一切逃げていない彼らの方向性は実に全うだ。美意識と王道的なギターロック、この二つがバランス良く、そしてどちらも薄まることなく体感させることが出来るプラシーボはやはり素晴らしいバンド!
 セットリストもバランスよく、新旧の名曲たちに聴き惚れていたらあっという間に時間が過ぎ去ったライヴだった。恐らくバンドも手ごたえを感じただろうし、次の来日は8年後なんてことは無いと思うので、近い将来待ってます。ぜひ日本でも海外並みの人気を得て、もう少し大きい会場でも一体感が感じられるような瞬間を見てみたい。狭いところで見るのも良いけど、このバンドには勿体無いと思えるからね。

- Set List -
01. For What Its Worth
02. Ashtray Heart
03. Battle For The Sun
04. Soul Mates
05. Speak In Tongues
06. Follow The Cops Back Home
07. Every You Every Me
08. Special Needs
09. Breathe Underwater
10. Julien
11. The Never-ending Why
12. Come Undone
13. Devil In The Details
14. Meds
15. Song To Say Goodbye
16. Special K
17. The Bitter End

- Encole -
18. Bright Lights
19. Trigger Happy
20. Infra-Red
21. Taste In Men


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"Battle for the Sun"レビュー
Twitterとブログを連動
2010年 03月 07日 (日) 00:55 | 編集
Twitterとブログを連動させてみました。ちゃんとなっているか不安ですね・・・。
今回はテストということで。

Twitterはやればやるほど嵌っていきますね。確かに面白いです、ハイ。
Irm / Charlotte Gainsbourg
2010年 03月 06日 (土) 08:04 | 編集

" Irm " / Charlotte Gainsbourg

 父にセルジュ・ゲンズブール、母にジェーン・バーキンという自分のような凡人には到底理解の及ばない家庭に育っているこのシャルロット・ゲンズブール。存在は知っていたけど、彼女の作品を聴くのはこれが初めて。なぜ手に取ったかといえば巷で話題になっている通り、今作がベック・プロデュースであることが理由。一聴すれば、すぐに彼らしいサウンドで埋め尽くされていることが分かる。
 さすが、職人気質のベックだけあって、流石のサウンド・プロダクション。"Modern Guilt"の成果に自信を得たのか、その延長線上にあるものになっている。60's/70's基調のシンプルながら、ビートに凝った飽きさせない構成力と、メロディーセンスは流石だなぁ。あとバックのコーラスもらしくて、上手く効いている。そして、その上に乗るシャルロットのヴォーカルもそこまで個性があるとは言えないけれど、独特の色気があって良い。割と跳ねるビートと完成されたサウンドの中で上手く調和していてこちらも才能があるなぁ、と。曲によってはモロにおフランスな感じがあったりと、やっぱ音楽にもDNAってものがあるんだなと思ったり。
 でもね、コラボレーション=才能のぶつかり合いによるマジックだと思う自分としては今作は物足りない。今作のベックのヴォーカルバージョンが聴きたいと思うほど、ベックの個性が前に出過ぎている、というかもうほとんどベックのアルバムになっている。それほど傑出した才能ということなのだろうが、こういうコラボレーション作品では一長一短だと思うわけである。ベックも強烈な個性と衝突したほうが面白いんじゃないだろうか、トム・ヨークとかビョークとかルーファス・ウェインライトとかね。それかそもそもベックってプロデュースするのは向いてないのかもな、プロデュースされると凄いものが生まれるんだけどね(ナイジェル・ゴドリッチやデンジャー・マウス)。そんなわけで、ほとんどベックの話しかしてないが、ベック好きはチェックする価値ありということで。

★★★ ( 2010 )


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Modern Guilt / Beckレビュー
THE BEST OF スチャダラパー1990-2010 / スチャダラパー
2010年 03月 01日 (月) 11:14 | 編集
THE BEST OF スチャダラパー1990-2010  / スチャダラパー
" THE BEST OF スチャダラパー1990-2010 " / スチャダラパー

 スチャダラパー20周年を記念するオールタイム・ベスト。本場USヒップ・ホップはおろか日本語ラップさえも掘り下げるほどは聴いていない自分でも、20年間この国でラップでサバイブすることの難しさは分かる。「え?ラップ何それ」、「楽器が出来ないやつがやるんだろ?」っていう目もあったであろう時代から、今の今までやり続けているっていうのは凄いことだ。しかもやたら楽しそうにやっているように見えて(気楽ということではなくて)、良いなぁこんな大人になりたいなぁと思わせている空気感を保っているって言うのが凄い。
 彼らの何が素晴らしいかって、まさに日本語で出来るヒップホップの面白さをいち早く見つけたこと。今でも多いUS直輸入のハードコア/ギャングスタ的なラップをデビュー時から回避し、日本語らしい言い回しだとかゲームとか夏休みとかを題材にする日常的なラップを展開した。いわゆる、これが「オモロラップ」ということなのだろうが、ただ単に面白いだけではなくしっかりとヒップホップマナーを踏襲した(韻やビート)内容で、チクリと社会批判までもしてしまう。"スチャダランゲージ~質問:アレは何だ?~"の「アレ」という普遍的な日本語で繋いでいく神業的な巧さ、"ゲームボーイズ"の男子なら誰でも共感できるリリックと8bitを織り交ぜたセンスの良いトラック、"サマージャム '95"の細かいが納得の日常的描写、09年の"Under The Sun"の「○○さん」で繋ぐ怖いと同時にニヤリと出来る展開(今作には未収録)などは、初めて聴いたとき色々な意味で凄いと思った。日本語ラップの文脈であまり大きく語られない彼らだが、それはある意味で孤高な存在だということだと思う(なんとなく孤高って言葉が似合わないけど)。
 でも、例えばスチャダラの影響下にあるリップやキック、又は今流行のその他大勢が好きな若い子がこのベストを手にとってもピンと来ないんだろうなぁという気はする。やっぱベストで並べて聴いてみると分かるけど、良くも悪くもサブカルだからね、スチャダラって。女の子はネタが分からない人が大半じゃないかな・・・。ポップスへ落とし込む、ということも無くあくまでもヒップホップ然としているし。もちろん、それが一番の魅力であって、もっと聴かれて欲しいからこそこうやって末尾に書いているんだけどね。

( 2010, Best Of )

2010年2月の購入記録
2010年 03月 01日 (月) 04:16 | 編集
2010年2月の購入記録です。

新作
・" All The People Blur Live In Hyde Park " / Blur
・" There Is Love in You " / Four Tet
・" Heligoland " / Massive Attack
・" THE BEST OF スチャダラパー1990-2010 " / スチャダラパー

旧作
・" Voodoo " / D'ANGELO
・" The Wild Bunch - The Story Of A Sound System Mixed By DJ Milo " / DJ Milo ※
・" Felt Mountain " / Goldfrapp ※
・" The Blueprint 3 " / Jay-Z ☆
・" Madvillainy " / Madvillain
・" until tomorrow " / Manual
・" Armistice " / Mutemath ☆
・" 11 " / スチャダラパー ※

DVD&Blu-ray
・" NO DISTANCE LEFT TO RUN " / Blur

☆はサンプル
※は中古商品

音楽12点、映像1点と並な感じですね。今月はなんといってもマッシヴ・アタックの新譜が自分的には大目玉でした。7年ぶりの新作ですからね。たしかに低音部や緊張感に関してはいろいろと意見があるようですが、自分的には十分佳作に入れていいと思います。フジロックも来ますね!行きたい! あとは今更スチャダラパーに嵌り倒しているという。そもそも日本語ラップをそこまで聴いてきていない人間なのですが、スチャダラには日本人らしさを感じでそれがとても良い。これから細々とカタログを集めそうな感じです。それに関係してか(?)洋楽のヒップホップも少しずつ集めてます。madlibとかなんで今まで聴かなかったのか分からないほど自分にはツボな音。
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