Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
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Release the Stars / Rufus Wainwright
2007年 05月 27日 (日) 10:57 | 編集
rufuswainwright_releasethestars.jpg
" Release the Stars " / Rufus Wainwright

5thアルバム。この人の音楽がクラシックやオペラなどに影響を受けた、ナルシスティックかつロマ
ンティックなものであることは疑いようが無いし、それはシーンに登場した瞬間から散々言われてき
たことなので、ここで更に書き連ねようとは思わない。それにしても最高だ。今作が日曜日の朝のよ
うな晴れ晴れしく、祝福をしてしまうような作品だから余計にそう思うのだろう。数年前を思い起こせ
ば、「ウォント二部作」は暗い、というより重い作品だった。ドラッグ問題や荘厳な中世ヨーロッパ趣味
がそうさせていたもかもしれない(もちろん内容は素晴らしかった)。だが本人も今作を「山や谷を越
えオリンピックでグラウンドを走る栄光の瞬間」と語る。今作での圧倒的なポジティヴィティを考えれ
ば、まさにその通りだ。さらにベルリン・レコーディングという事実は、町の蘇生と本人の蘇生を無意
識下でも重ね合わせたのだろうかと勘ぐらせたりして面白い(自分だけかも)。

今までクラシックやオペラというものに関心を持ったことが無い。我が家では高校時代からクラシッ
クとオペラしかほとんど聴いてこなかったという強者の父がいるのだけれど、それが自分に影響する
ことは無かった。機会が沢山あったのに、未だに聴いていないということは多分今の自分には合わ
ないんだろう。その理由もなんとなく分かる。クラシックの良さを理解するには精神的に若すぎるとい
うこともあるだろうし、あの様式に収まった予定調和の世界が苦手なのだ。だがルーファスは良い。
それはクラシックやオペラを敬愛しつつも、そこからドボドボと零れ落ちてくる人間性があるから。あ
と、いい意味で不安定でフッと息を吹きかけたら消えてしまう蝋燭のような弱さも持っている。不意
に声やそういった人間性の部分にグイッと引き込まれてしまう。しかもここへ来て、弱さと強さを兼
ね備えているのだから最早、最強なのだ。これから世界を制してもおかしくない。本気でそう思う。

★★★★☆ ( 2007 )
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Minutes To Midnight / Linkin Park
2007年 05月 24日 (木) 00:50 | 編集
linkinpark_mtm.jpg
" Minutes to Midnight " / Linkin Park

3rdアルバム。リンキン・パークの登場を衝撃だと受け取ったのは自分だけではないだろう。ロック、
ヒップホップ、インダストリアル、エレクトロニックなど様々なサウンドを緻密さと大胆さを以ってブレ
ンドし、更に普遍的なものへと昇華させていく手法。オリジナルアルバムだけではなくリミックス盤、
企画盤でも発揮され、増す怪物性。ラップ+ロックという構図、「良いトコ取り」を遥かに超えた高度
なミクスチュアリング感覚は明らかに2000年代のエポック・メイキングと言える。しかし、3作目とも
なる今作では勝利の方程式―言わば「リンキンらしさ」を敢えて解体させた。ラップ、ヘヴィ・サウン
ドの減少(ラップがあるのは2曲のみ)、それに対するチェスターのパートの増加。それに加えて、
音の隙間が多く、メロディアス。おそらく個々の曲の羅列ではなく一枚の作品としての完成度とよ
りオーガニックな響きを志向して作られたに違いない。その挑戦意欲を軽く受け流すことは出来
ないし、評価出来る。

だが、その思惑が今作の中で全て実っているかと言われれば、首を傾げざるをえない。隙間を作
ったことがバックボーンの浅さや、生バンドとしての未熟さを露呈してしまっているし、若干音の選
び方がいびつな曲もある(クラップ音やギターソロなど)。過去の再生産をしたくないという意思は
感じられるのだが、それが目的化してしまった感があるんじゃないだろうか。この辺にメガ・セール
スを記録してしまったバンドの路線変更の難しさを感じてしまう。今後彼らがどういう風に転がるか
はちょっと分からないが、ミクスチャーの代表格としてこのアルバムがシーンに与える影響は自分
達が考えているよりも大きいと思う。その影響を考えると今作を過渡期とし、次に期待なんていう軽
々しい断定は出来ない。もしかしたら彼らへの強い思い入れがそうさせているのかもしれない―
なにせ彼らが自分に外国音楽への橋渡しをさせてくれたのだから。もしかしたらそういう複雑な思
いが消えていって頭がクリーンになった状態で聴き返してみたら、思いの外、心に響くアルバム
なのかもしれないな。

★★★☆ ( 2007 )
Nine Inch Nails ( 2007.05.20 )
2007年 05月 21日 (月) 13:36 | 編集
nin_live.jpg

Nine Inch Nails @ 新木場 Studio Coast ( 2007.05.20 )

・開場前
開場一時間前に到着。まずNINファンのNINTシャツ率の高さに驚く。やっぱりコアな人ばかり
だったんだろうか。自分も買おうかと思ったけど、この日は来る前にCDを七枚も買っていたので
お金をこれ以上使うまいと思い購入断念(ちなみに買ったCDはNINとは全く関係無し)。
ちなみに自分のTシャツはMassive Attack。またかい。

SERENA MANEESH ( Opening Act )
うーん、このバンド正直言って微妙だった。いや、この後のNINが凄すぎたということもあるだろう
けど。シューゲイザーとしては陶酔感が足りなかったし、ノイズもイマイチだったな。それより気に
.なったのは、ヴォーカルの「公園からちょっと連れてきちゃいました」的風貌。平たく言えば、ホー
ムレスみたいだった(笑)でも所々、おっと思ったところもあったのでこれから頑張って欲しい。

Nine Inch Nails
始まる前にこんなに緊張したのは久しぶりだった。それだけ自分がNINに愛着を持っているから
だろう。だがそんな緊張もYear Zeroのオープニング曲"Hyperpower!"が鳴り出した瞬間吹っ飛
んでしまったのだけど(笑)

NINのライヴはもちろん素晴らしかったが、CDやDVD以上の迫力で観客の度肝を抜くと言う意味
ではトゥールやミューズのほうが優れていた。NINの場合緻密な音楽集団というか、CDと寸分違わ
ぬ完成度で迫ってくる(再現が難しい楽曲もあるだろうに)。それと、トレント・レズナーのカリスマ性、
これには恐れ入った。実は開演前は他のメンバーにも目を配らせようと思っていたのだけど、いざ
始まってみるとトレントにしか目が行かなかった。位置的な問題もあったけど。アグレッシヴな曲だ
ろうが、美しい曲だろうが、こちらを奈落へ突き落とすような曲だろうが、トレントの音楽に対する誠
実さが垣間見えるような気がした。あと、クリーンになったトレントの「強さ」を実感出来て、ちゃんと
「見えた」のはグッと来たな。

毎日NIN関係のサイトに足を踏み入れチェックしていたけど、セットリスト的にはこの日が一番自分
に合っていたと思う。なにせ聴きたい曲が全部聴けたもの。最新曲から、昔の曲から、個人的に思
い入れの強い曲からほとんど全て。凄くラッキーだったと思う。実際まだ夢から抜け出せないよう
な、自分は本当にNINを見たのか?という疑問さえあったりする。初のNINライブだったが、本当に
強烈な体験だった。知らず知らずのうちにかなり動いていたんだろう、これを書いている時点で筋
肉痛が酷い。でも嬉しい筋肉痛なんだよな、これ。

最後に身も蓋も無いことを言ってしまうと、正直あんまり覚えてません(笑)

-Setlist-
01. Hyperpower!
02. The Beginning Of The End
03. Survivalism
04. Terrible Lie
05. Heresy
06. March Of The Pigs
07. The Frail
08. The Wretched
09. Closer
10. Capital G
11. Burn
12. Help Me I Am In Hell
13. Me I'm not
14. Even Deeper
15. Wish
16. The Good Solder
17. The Big Come Down
18. Mr.Self Destruct
19. Down In It
20. The Day The World Went Away
21. Hurt
22. The Hands That Feeds
23. Starfuckers, inc.
24. Head Like A Hole
Seventh Heaven / L'Arc-en-Ciel
2007年 05月 17日 (木) 22:25 | 編集
larc_seventhheaven.jpg
" Seventh Heaven " / L'Arc-en-Ciel

29thシングル。ここ最近のラルクは、"Ark" "Ray"両作のリイシュー、15周年記念ライブ
「L'Annniversary」など、どちらかと言えば後ろを振り返る活動が多かった。そしてソロを経て
いよいよ待望の新音源Seventh Heaven!タイトルを見たときつい深読みをしてしまってしまっ
たが、音が鳴った瞬間そんなものは吹っ飛んでしまった。この曲は歌詞で聴く曲じゃない。最初
から最後まで途切れることの無い疾走感、こういうナンバーだからこそ出るグルーヴ、安っぽくな
る一歩手前で踏みとどまっている打ち込みなど、その音楽だけで十分気持ち良過ぎる(敢えてサ
ビを無くしているのも良い)。ラルクの疾走感のある曲は数あれど、自身の美意識と現代的な―
ニュー・ウェイブ/エレクトロニカ的な―音を混ぜ合わせ、ダンス・チューンとして昇華させた今作
は確実に新機軸(もっともニューウェイブ自体は彼らのルーツだけど)。やはり彼らの挑戦精神
は素晴らしいし、あとこんな音楽最近日本で聴いたことが無い。そして早くも夏にシングル発表
が決定、来たるアルバムが楽しみ過ぎる。あぁ、連続リピートが止まらないよ・・・。

( 2007 , Single )
ファイナル
2007年 05月 16日 (水) 09:43 | 編集
うぉ~!!!またしてもDAのチケットを取り忘れてしもうた~。
6/29のZepp Tokyo ファイナルですよ。3/15の渋谷AXでのライブにはなんとか行けたの
ですが、個人的には不完全燃焼なのでした。ものすごく楽しかったですけど。だから
ファイナルはなんとしても行きたかったのですが・・・そこで1枚譲ってくれる方、もしくは
一緒に行ける方を探しております。こんな寝過ごしたバカに愛の手を!(笑)
The Boy with No Name / Travis
2007年 05月 12日 (土) 16:25 | 編集
travis_theboywithnoname.jpg
" The Boy with No Name " / Travis

5thアルバム。トラヴィスというバンドがなぜここまで大きなバンドとなったか、それを語るには時代
はブリットポップまで遡らなければならない。あの空前絶後の空騒ぎが残したものは虚無であった
と思う(「思う」と書くのはリアルタイムで経験しているわけではないからだ)。中身の無いバンドが泡
のように消えていく中、求められた純粋な楽曲の良さ。1stは青春の一ページとしてそれに結び付け
ないとしても、2nd、3rdあたりの純粋さはガチッと時代に嵌った。後にコールドプレイなどがブレイク
したのもその流れだろう(また、別の流れとしてダンス・ミュージックの隆盛というのがあるのだがこ
こでは触れないでおこう)。しかし、03年に発表された4thはドラマーの事故、悪化する世界情勢、
トップバンドで居続けることの重圧、様々な要因が影響し、一部のファンの期待を裏切りかねないシ
リアスな作品となった。もっとも、個人的には彼らの新しい一面が見られた、ポジティヴィティも確か
にそこに存在するといった理由で佳作だと評価できる作品だと思っているのだけれど。そして深読
みするぐらいタイミングが良すぎるベストを出した後、4年近く彼らの新音源は世に出なかった。

しかし、トラヴィスは帰ってきた。ただ単に作品を発表したと言う意味ではなく、心から「おかえり!」
と言いたくなるようなそんな作品なのだ。再びナイジェル・ゴドリッチと手を組み、長い歳月を以って
練り上げられ、磨き上げられた楽曲達。普段自分たちが簡単に口にしてしまう、「キャッチー」だとか
「捨て曲無し」という言葉が一瞬にして崩れ落ちてしまうぐらい圧倒的なソングライティング力。この
辺にはやはり「あの頃」のトラヴィスが宿っているのかもしれない(時々出るフレッシュな感じは1stの
ものか)。でもそれと同時に今までに無かったモノも、はっきりではないけれど感じられる。敢えて言
葉にするなら「枯れと力強さ」。相反する言葉かもしれないけれど、このアルバムには混在している
ような気がするのだ。長いバンド活動がもたらす良い意味でため息をつかせるような感じと、長く活
動しているからこそ先を見ようとするポジティヴィティ。自分は今作のそんな部分が純粋に面白い
と思った。トラヴィス、心に染み渡っていくようなこの感じを出せるのはやはり彼らだけだ。

★★★★☆ ( 2007 )
最近ハマった旧作 07年前編
2007年 05月 07日 (月) 07:13 | 編集
最近聴いた新作という記事で「今度は旧作編をおみまいします。」と書いてから早一ヶ月。
いやー時が経つのは早いものですねぇ(遠い目)。では旧作編ドウゾ。
例によってアルファベット順で。

bauhaus_itff.jpg
" In the Flat Field " / Bauhaus ( 1980 )

1stアルバム。久々にキター!と思った作品。なるほどこれがゴシック・ロックの始祖と呼ばれるの
ですな。まるで地獄の釜からこちらを嘲笑するかのようなヴォーカルに、子供が聴いたら泣き出し
そうなノイジーなギターが炸裂。非常に独特の暗黒世界を作り上げている。面白いのは全体的に
前のめりで攻撃的なのに、陶酔するような耽美な面も持ち合わせていること。さすがにこれ聴いて
目の周りを真っ黒く塗って、蝋燭立ててご飯食べようとは思わないけど(間違ったゴシック解釈?)
このドロドロギョワギョワ感はたまらん。敢えて書くけどラルク、マリリンマンソン、スマパンの「アド
ア」、プラシーボあたりが好きな人(って自分のことなのだけど)は、一刻も早くチェックしなさい。
あっでも、一曲目が"Double Dare"のやつを、ぜひ。この曲で始まるのとそうでないのは印象が
かなり違うので。暗黒ロック万歳!

ct_treasure.jpg
" Treasure " / Cocteau Twins ( 1984 )

3rdアルバム。ぶっちゃけて言うと、マッシヴ・アタックつながりで買ったのは否めないし("Tear-
drop"を歌っているエリザベス・フレイザーのバンドなのです)、一緒に買った他の作品もまだ聴き
こめてないのだが、この美しさには一発でやられたのでご紹介。シンセなどを用いた幻想的なサウ
ンドスケープも魅力だが、なんといってもこのアルバムの主役は「声」。リズの天使と呼ぶには力強
すぎる、まさに女神と呼ぶに相応しい神々しいヴォーカルが最高。なんだか声だけで天上へと舞っ
てしまいそう(実際は手を伸ばして天井に届くのが関の山だけど)。おそらくリアルタイムの人は逆
の発想だろうけど、やっぱりマッシヴって声を選ぶのが上手いわ。シャラ・ネルソン然り、シニード・
オコナー然り。朝にも夜にも聴けて凄くいい。他のも集めたいけど、多すぎてどれから手をつけて
いいかわからん。

hide_psyence.jpg
" PSYENCE " / hide ( 1996 )

2ndアルバム。hideと言ったらやっぱこれが最高傑作でしょう!と最近知った自分が早くもファン
気取り。あーやっぱり食わず嫌いはいけないと思う。ヴィジュアル系云々言っていないで、もっと早
く聴いていれば良かった。だってここまで楽しいアルバム、洋楽にも邦楽にも中々無いもの。ちょっ
と前にも書いたけどロック、インダストリアル、など様々な音楽性を日本人的な感性でポップに抽出
する、その能力が凄い。しかもおそらく意図的にやっているのだろうから、非常に頭がいい人、とい
うかバランス感覚が優れている人だと思う。そんな感じで気づいたら再生回数が凄いことになって
た。一番はピンクスパイダーだけど。生きてたら邦楽が結構面白いことになってたと思うなぁ・・・。

kills_nowow.jpg
" No Wow " / The Kills ( 2005 )

2ndアルバム。ホントに、ホントにすいません。こんなにカッコいいバンドだと思ってませんでした。
「ガレージ」や「ブルース」と聞いて、その辺の荒削りな酒煽っておんどりゃーバンドだと思ってまし
た。全国The Killsファンの皆様申し訳ない。まぁ荒削りっちゃ荒削りなんだけれど、もっと良い言
い方をすれば余計な贅肉が無い。しかもそれでロックとして成立しちゃってる。しかもW嬢とホテル
氏の掛け合いがものすごくクール。こんなロック姉ちゃんは友達には欲しくないが、ステージの上
なら最高にカッコいいだろうなぁ。個人的にはよく比較されるホワイト・ストライプスより好きかも。と
いうか正直言ってこういう荒削りなロックって苦手な部類なのだけど(何かって言うと音が積んであ
るからなぁ、自分が聴く音楽は)、唯一と言って良いほど気に入った。うーん、煙草が似合いそう。

mansun_six.jpg
" Six " / Mansun ( 1998 )

2ndアルバム。この次のアルバムの" Little Kix "を最初に買って、意外と普通だけど独特で好き
だなーと思っていたら、今作を聴いて驚愕。なんじゃこれは。トータル・コンセプト(老荘思想を取り
入れている)、複雑怪奇具合、ポップさ、ジャケットどれを取っても最高。これ傑作。どうやら彼らの
キャリアの中ではこのアルバム「だけ」がここまで吹っ飛んでいるそうで一体何が起きたの?と疑
いたくなるほど。それにしても何故自分はここまで耽美で、しかも決して明るくないものばかりに惹
かれてしまうのだろうか。現実逃避願望があるのかもしれないな。そういえばダンスミュージックだっ
てある意味逃避じゃないか。こんな自分、どうなのよ。でもここは開き直って、れっつとーひ!


他にはピンク・フロイドの良さがようやく分かってきたのと、ジョイ・ディヴィジョンが意外とアグレ
ッシヴで驚いたっていうことですかね。というわけでかなり軽めに書いてみました。ここまで
お読みいただいてありがとうございました。機会があればまたやります。
Year Zero / Nine Inch Nails
2007年 05月 06日 (日) 16:03 | 編集
nin_yz.jpg
" Year Zero " / Nine Inch Nails

5thアルバム。最初に断っておきたいのだが、この文章は客観性という意味においては非常に偏
ったものであると思う。というのは、Nine Inch Nailsというバンド、というかトレント・レズナーという
人に対して自分が持っている尊敬や信頼の念が他のバンドのそれ以上であり、この作品を上手く
考察することが出来ないからだ。それほどまでに彼らの出す音が自分の世界観とリンクしてしまっ
ている。さて、今作だがトレントの日記に書かれていた"Quite Noisy"という言葉通り、エレクトロ・
ノイズ満載。でもポップなメロディ、強烈なフック、繊細なピアノというお家芸も損なわれていない、
言わばNINの魅力が全て詰まったような作品である。少し斜に構えて見てみれば、サウンド的に
驚きは無いとも言える。だが、今までのような内に向かっていた音楽的衝動が、外へと向けられた、
そのことに対しては驚きを隠さずには居られない。現在へのアンチテーゼを意図して、架空未来の
世界を描いた今作は、過去最高に生き生きとしていて、力強い。また、後半になっていくにしたがっ
て、神々しささえ持っていくのだから末恐ろしい("Zero-sum"が最後にあるというだけで停止ボタン
を押せなくなる)。人がどう言おうと、自分はこれが傑作以外の何者でもないと言いたい。

確かに自己破滅一歩手前だった"The Downward Spiral","The Fragile"の狂気や暗さがたまら
なく魅力的だったのは分かる。長髪のトレントが俯き加減の静かな姿から、内に溜めた狂気を暴発
させるようなそんな姿に共感を覚えたのも事実だ。だけど、NINというバンドがもともと変化を恐れな
いバンドであったし、それ以上にトレントレズナーが回復し今また最前線に立っているということが嬉
しくて仕方ない。外界に目を向け様々な活動やサイトなどを活用しながら、人々の意思を喚起させ、
また自身の失った時間を取り戻そうとするその姿に感動さえ覚えてしまうのだ。そんなことを思わせ
るこの男は本当にカリスマと呼ぶべき人だと思う(もちろん多分に主観的だが)。表のサウンドは変
わっていないかも知れないけれど、本質的な意味でNINは変わった、本当に変わった。ドラッグを
悪友として死の淵を垣間見て、復活を果たした男は、今史上初めて人の前へと踏み出す。

★★★★★ ( 2007 )
ピンクスパイダー / hide
2007年 05月 05日 (土) 07:40 | 編集

" ピンクスパイダー " / hide

5/2はhideの10回忌だったらしい。彼の音楽を本当の意味で聴いたのはごく最近だし、そこまで
思い入れも無いので、「あーもうそんなに経つかぁ」と遠い親戚のおじさんが亡くなったのと同じよ
うな思いしか出てこない。だが、だからこそ9年経って今客観的にhideというアーティストを顧みて
みると、いややっぱり凄い人だねこの人は。ロック、インダストリアルなどの音楽性を日本的感性
でミックスし、あくまでポップに抽出するという手法。しかもそこに本来持っていたヴィジュアル志
向と相まって一種の現象とまでなっていた。ソロデビュー当時からその才能を開花させていたが、
その完成形がピンクスパイダーなのだろうと思う。というかこの曲を最後に亡くなってしまったので
これを完成形と呼びたいのだ。

前置きが長くなったが、ピンクスパイダーである。この曲が優れているのは前述したとおり、海外
のロックの魅力的な部分を上手く抽出していることだ。こんなインダストリアル全開な曲がこの国
で100万枚も売れるなんて普通ではありえない。ロックをやれば海外勢には敵わない、だけどロッ
クをやりたい、あれ?だけどロックじゃない音楽も好きだ、そんな島国的な劣等感と雑食感が実を
結びその帰結としてこうなるのだ(なんだか自動車業界に似てる気がする)。また、元来あった抽
象的な歌詞と、ネット社会を絶妙にとらえた洞察力を持った歌詞も秀逸。亡くなってから9年経った
が、この曲を含め彼の楽曲は本当に色あせない。簡単に言えば、ものすごくカッコいい。もっと一
般のロックファンに聴かれるべきだ。過大評価ではなく正当な評価をして欲しい。
4月の購入記録
2007年 05月 03日 (木) 18:49 | 編集
4月のまとめ

新作
・" Favourite Worst Nightmare " / Arctic Monkeys
・" The Best Damn Thing" / Avril Lavigne
・" Infinity on High " / Fall Out Boy ☆
・" The Confessions Tour" / Madonna ☆
・" Life In Cartoon Motion " / MIKA
・" Kingdom Falls " / Nate James ☆
・" Year Zero " / Nine Inch Nails
・" Can't Buy My Love "/ YUI

旧作
・" Head Over Heels " / Cocteau Twins
・" Treasure " / Cocteau Twins
・" Victorialad " / Cocteau Twins
・" Agaetis Byrjun " / Sigur Ros

☆はサンプル盤

12点とかなり落ち着いています。というか忙しくてそれどころでは無かったって感じです。
今月はBjork ,Travis(既に購入済み),Linkin Park Rufus Wainwrightの新作が出ます。
そして来月はUNKLEが来ます。
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