Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
Beautiful Future / Primal Scream
2008年 08月 09日 (土) 05:19 | 編集
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" Beautiful Future " / Primal Scream

9thアルバム。自分の認識ではプライマル・スクリームは基本的に能天気なバンドだと
思ってる。ヘロヘロとしたヴォーカルでカッコいいとダサいの両極端を行くボビー、プライ
マルをプライマルたらしめているフラフラと変わり続ける音楽性。そんな能天気さが全快
なのが、今作だ。冒頭のタイトル曲のいい意味での投げやり感からして凄い。そしてア
ルバムのサウンド面でのとっちらかり具合。全体的にシニカルな目線と言うのはあるも
のの、開き直りを感じる。この開き直りがこの作品の抜けの良さに繋がっているのだと
思う。実際、ここ数作の作品の中では好きなほう。でも"ヴァニシング・ポイント"、"エコ
ー・デック"、"エクスターミネーター"がたまらなく好きな自分としては正直ついていけな
いところもある。でも作品の良し悪しを抜きにしても、目を留まらせるものがこのバンドに
はあるんだよなぁ。何故か次には期待してしまうのだ。転がり続けると言うことを自ら
表現している数少ない現役バンド。過度な期待は禁物だけど、聴き続けていこう。

★★★

( 2008 )
Third / Portishead
2008年 07月 24日 (木) 13:04 | 編集
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" Third " / Portishead

11年ぶりの3rdアルバム。このジャケットのやっつけ具合が長い歳月に対する彼らの答え
かもしれない。11年ぶりとはいっても本人達に休止しているという自覚は無く、「ごく自然な」
インターバルだったそうだ。彼らの完璧主義とマイペースさには全く恐れ入る。「いつか出して
欲しい」と半ば妄想のような期待を抱いていたら、実際に出てしまった今作。片耳から片耳へ
そのまま抜け出しているような気がして、かなり長い間作品と向き合うことが出来なかった。
彼らの作品に対する覚悟とは裏腹に、リスナーとしての覚悟が足りなかったようだ。もう既に
かなり再生回数を重ねた今、漸くおぼろげに作品が見えてきた気がする。

まず、作品の手法が今までとは大きく異なる。サンプリングを用いたジャンルのるつぼ的な
手法からは一転、今作は生音が主軸に作られた一見シンプルにも思えるサウンドに。でも
何故かシンプルに思えないのは、ベスの狂気が増加したような歌声が凄まじいから。何か
もう、厭世というのを超えた、闇そのものが語りかけてくるようなゾクゾクとした感触を持って
いる。この作品を支配する闇が、長いインターバルでも一切埃を被っていないのは驚きだ。
これほどまでに「暗い」作品は今後数年無いだろう。もしかすると様々なサウンドテクスチャ
ーに隠されていた過去の作品よりも、数段暗いもの、ディープなものとなっているかもしれな
い。数々のフォロワーを煙に撒くような新たな手法とポーティスヘッドの作品に対する誇りを
目の当たりに出来る、歴とした「ニューアルバム」である。でも正直まだ半分も理解しきれて
いないと思う。リズムに対する違和感、闇を受け止める心の覚悟が足りない、同時代性が
無さ過ぎる、様々な理由があるとは思うが一番の理由はこれが冬に出なかったことだと思う
(大真面目に)。これから暑くなってくる、もしくは既に暑い、そういう時期にこれを引っ張り出
しては聴かない。今はまだ評価できる時期ではない、これから長い期間を掛けてじっくり向き
合っていかなければ。もしかすると、次作までそんなに時間はないかもしれないが。

( 2008 )
Silent Cry / Feeder
2008年 06月 26日 (木) 09:31 | 編集
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" Silent Cry " / Feeder

6thアルバム。フィーダーを聴いていていつも思うのは「やっぱロックって良いなー」ということ。
オタク気質な自分はついつい音楽を聴くときに、表現していることは何なのか、何がどうなって
こういうことになっているのか、あれこれ考えてしまうのだが、フィーダーには殆どそういうことは
ない。勿論、フィーダーが中身空っぽな音楽をしているわけではなくて、「どうやって来ても多分
好き」という信頼があるからだと思う。ここで、このメロディーが来て、ここでギターがガーっと鳴
って・・・とインプットしすぎてパンク寸前の頭の中身を全て放出してくれるような、シンプルさと
心地良さがある(他にこんなことを思わせてくれるようなバンドは実は少なくて、パッと思いつい
たのがフー・ファイターズとファウンテインズ・オブ・ウェインぐらい)。今作もまたフィーダーが好
きなら、間違いなく違和感なく最後まで聴ける作品だ。ただ、前2作が「前進するんだ」という強
い意志を感じる、というかある意味コンセプチュアルだったのに対して、今作はあまりにもフラッ
ト。「プランも何も無かった。ただ集まって作ったんだ(ライナーより)」というグラントの言葉も頷け
る。それが今作の明快さを生んでいる。でもちょっと残念なのは、せっかく近年培ったメランコリ
ックな作風というのもあるのだから、上手くアルバムに配置すれば引き締まったのに、と。結構
あの方向でも行けると思うので。プロデューサーのギル・ノートンを離れ、事実上セルフ・プロデ
ュースになったことの唯一の失敗かもしれない。まあ、それでもこのバンドへの愛着は全く
変わらないし、今作が良質なロックアルバムということも変わらないけどね。

★★★☆ ( 2008 )
Viva La Vida or Death And All His Friends / Coldplay
2008年 06月 17日 (火) 05:08 | 編集

" Viva La Vida or Death And All His Friends " / Coldplay

4thアルバム。前三作を三部作とし、今作を第二章と位置づけていることからも推し量られる
ように、今作は飛躍の作品と呼べるであろう。今までのコールドプレイの音楽を自分は「楽曲
のクオリティー(曲の良さ)が全て、それ以下でもそれ以上でも無い」と書いたが、もう少し突
っ込んで言えばそれは「顔が見えない」ということだ。クリス・マーティンの情熱を帯びない一
歩引いたひんやりとした歌声、具体と抽象を辿って感情を見せずとも雄弁に語る秀逸な歌詞、
繊細なメロディー、ピアノやアコースティックを軸に響く音楽。これらから紡ぎ出されるのは、
音楽家を超えたところで鳴る音楽、つまり音楽そのものが頭上から降りて来るような感覚。
決して共感は許さないのだけど、音楽に身を委ねて非日常的な所へ連れてって行った。そこ
がコールドプレイの音楽の特異性だと思っていて、単なる美メロバンドとは一線を画す要因で
あったと思う。今作ではそんなコールドプレイの特徴が、大きく変化していると共に、新機軸
も獲得している。一番驚いたのは「情熱」。

生と死、希望と絶望の相反するものをテーマに据え、それをアルバム全体で循環していく。
イントロとアウトローの類似、2曲を1曲の中に詰めるなど、シングル曲/楽曲単体で語られて
きた彼らの静かな反抗か、アルバムとして語られることを前提に作られている。アルバム自
体が大きな流れであり、また一曲なのだ。それによって、ポジティヴィティとネガティヴィティを
経ることによる大きな感情の起伏と、途方も無いスケール感を擁している。そして最も生彩に
響くのは情熱=生だと思っていて(クリスは生と死のどちらを受け取ってもらってもかまわない
なんて言っているが)、その核となるのがタイトル曲の"Viva La Vida"。まさに美しき生命と
いったポジティヴィティに溢れており、なんだか生命の爆発といった感じ(ストリングス・アレン
ジがこれまたハマっていて◎)。他にも、リズムの高揚とヴォーカルの対比、耽美なギターが
素晴らしい"Lost"、美しい風景を連想させる佳曲"Lovers In Japan/Reign Of Love"、
後半が何故かシューゲイザーへと移行する"Yes"、コーラスが神々しい"Death And All
His Friends"など聴き所は多数。「以前の方向性は許さなかった」という教師のような
ブライアン・イーノのプロデュース・ワークが光っていると言えるだろう。

アルバムを通して生き生きとした情熱と物語を体現。分かりやすいアンセム・ソングを配置
せずあくまでもアルバムとして考えられたのが大成功。だから、何度も聴くまでは確かに地
味に感るかも。その地味さと、イーノということでついU2の"焔"を連想してしまうが、というこ
とは次はヨシュアなのか!?とかなり身勝手な期待をしてしまう(個人的に音的には似て非
なるものだと思っている)。それぐらい豊かな作品。最早、何かのフォロワーで語るのは馬鹿
らしいと思わせる貫禄を手に入れた。

★★★★★ ( 2008 )
Strength In Numbers / The Music
2008年 06月 08日 (日) 12:36 | 編集

" Strength In Numbers " / The Music

3rdアルバム。ザ・ミュージックのこれまでの道のりをざっくり言えば、1stが「音楽好きな若者
が自然に(だからこそ恐ろしい)生み出した野生のグルーヴを結晶化した1枚」、2ndは「アメリ
カンロックとの融合を基点に、幅の拡大、洗練を目指した1枚」と言えるだろう。このような1枚
目でスタイルが完成しているバンドほど、2ndの評価が著しくないものだが、このバンドも例に
漏れない。残念ながらバンド側までも、周囲の状況に併合してしまったとして、2枚目を「失敗
作」と位置づけている(個人的にはこれには納得できない。中には模索と葛藤が良い形で表
れている曲もあった)。だからこそ今回のブランクが4年間とかなり長くなってしまったのだろう。
どうやらこの4年間は、ツアーに疲弊したり、レーベルをクビになったりで、かなり苦しい状況だ
ったよう。このアルバムでは、その期間の苦悩とそれに打ち勝つ意思が音から十分に感じら
れる。一言で言えば「客観化の1枚」。

先にも述べたとおり、彼らの音楽はあくまでも自然発生的に生まれていた。それを今作では、
彼らの音楽を一度解体し、研究し、またそれを別の方向へ持ち直し・・・と、そりゃあ鳴らすべき
音を探していたら4年も経つわなぁ。だから、鳴らしっ放しを超えて、曲構成や音の配置、音作り
(ベースがかなりキモチイイ)で「持っていく」ことが可能になっている。特に音の配置に関して、
エレクトロがかなり導入されていて、エレクトロ畑であるFloodと元OrbitalのPaul Hartnollの
プロデュースが功を奏したのかもしれない。また、今回では初めて、アルバムトータルとしての
完成度がある(曲順にもかなり気を配ったに違いない)。これらのことを考えると、恐らく今作の
作業と言うのは、地道で、一つ一つ確認しながら行われたのではないかと思われる。だから、
「ザ・ミュージック帰還!」っていうアルバムではなく、堅実に一、二歩前に進んだという方が正
しいし、誤解が少ない。正直に言えば、もっと色んなこと出来たんじゃないかと思わなくもないの
だが、とりあえずカムバックと、彼らの苦悩を考えると、祝福したい気持ちの方が強い。肉体的
なグルーヴのみならず、精神にも「クル」楽曲を制作することの出来た彼らの未来は明るい
だろう。というかそうであって欲しい。

★★★★ ( 2008 )
Everything's the Rush / Delays
2008年 06月 05日 (木) 09:06 | 編集

" Everything's the Rush " / Delays

3rdアルバム。今作のインタビューをネット上で見つけ、えらく感動したのでまずそれを載せ
たい。"We're not interested in being an obscure f***ing indie band. We make
brave music and we don't try and fit into any genre - we just make great pop
songs."−最後の一文が強烈なのだが、「僕達は素晴らしいポップソングを作るだけさ」。
「良い曲」ではなく「ポップソング」を作ると豪語するディレイズの強さと目標設定の確かさ
が伝わってくる。で、実際、その言葉に寸分違わぬポップさが爆発・・・・・・・・・・・・・最高
だ!単純にその力強いポップさだけで、何気なく流していても日常に彩を加えてくれること
は間違いない。だが、このアルバムじっくり聴いても実に隙が無いのだ。グレッグのハスキ
ーとファルセットを行き来する巧みなヴォーカル、高揚感のあるストリングス、調和する楽器
隊のアンサンブル。それらが全て「ケミストリー」と言いたくなるぐらい、絶妙に混ぜ合わさっ
て、途轍もないポップ空間へと昇華される。1stの暖かさと緩やかさ、2ndの煌びやかさと力
強さ、その両方が全編に張り巡らされた、そして更にポップの強度をグンと上げたディレイズ
の勝負作だ。体の内側からドクドクと頭のほうへ流れ出していく様々な色が、脳内で爆発し
ているジャケットは「まさに!」といった感じ(脳内メーカーみたいだよね、これ)。これだけ
魅力的な音で何で日本で人気でないか不思議でしょうがない(日本人が好きな美形だしね)。
まあその前に日本盤すらまともに発売されない現在の状況をどうにかしなければ。これは
万人に聴かれるべき作品なのだから。

★★★★★ ( 2008 )

インタビュー元の記事はこちら
There Will Be Blood Soundtrack / Jonny Greenwood
2008年 06月 03日 (火) 06:49 | 編集
jonnygreenwood_therewillbeblood.jpg
" There Will Be Blood Soundtrack " / Jonny Greenwood

映画「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のサントラ盤。映画のストーリーを簡単に書くと「舞台は
20世紀初頭のカリフォルニア。鉱山労働者だったダニエル・プレインビュー(ダニエル・デイ・
ルイス)が、石油採掘に成功し、富と権力を得てのし上がっていく様を描いた物語。」だそう。
ある意味タイムリーな話題であると思うし、主演のダニエル・デイ・ルイスが予告編でも良い
味を出していたので、いつか拝見したいと思っている映画だ。でもそんな自分の注目を一層
高めたのは、このサントラ。もうお気付きだとは思うが、制作者はレディオヘッドのギタリスト、
ジョニー・グリーンウッドである。ジョニーと言えば2003年に、"Bodysong"というサントラを出
している。正確には覚えていないけど、たしか人体についての映画で、台詞の無い音楽と映
像が融合した作品だったと思う(未見)。それは、レディオヘッドのもつ緊張感を抜き出したよ
うな作品で、ジョニーがレディオヘッドの音楽に大きく貢献することを実感させられた。一音楽
作品としても鑑賞に値する素晴らしいものである。今作はハリウッド映画のサントラなので、
きっと映像をブーストするという意味以上のものは作れなかったのだろうが、それでもジョニー
の音楽センスを知るためには十分過ぎる。ストリングスを全編に用いた統一感のあるサウンド
で、背筋がピンとするような独特の緊張感が持続する。よくあるような大げさなストリングスで
はなく、あくまで世界観を作るためというのが、いかにもと言う感じ。レディオヘッド・ファンは
一聴の価値ありだ。

( 2007 )
Go Away White / Bauhaus
2008年 05月 20日 (火) 23:35 | 編集
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" Go Away White " / Bauhaus

25年ぶりの(!)5thアルバム。バウハウスというバンドは、短い活動期間ながらも、近年のゴシ
ック・ロックの賑わいによって「ゴスの始祖」という評価を獲得した(もっとも本人達は嫌がっている
ようだが)。ヴィジュアル面にも熱意を注ぎ込んだバンドということで(アートワークはどのアルバム
も秀逸)、世界のバンドはもとより、日本の(主にヴィジュアル系)バンドにも影響を与えてきた。
今聴いてみても確かに、特異なバンドであると思う。空間を引き裂くようなノイジーなギター、深く
沈みこむようなリズム隊、そして地獄の底から嘲笑するような狂気と荒々しさ、そして妖艶さをも
持ったヴォーカル。演奏技術的にはそこまで評価されていないバンドではあるが、メンバー同士の
衝突から生まれる化学変化と圧倒的な緊張感(レコーディングは毎回難航したらしい)、レゲエや
ダブを暗闇の世界観の構築に用いるなどの音楽センスは類まれなものがある。2005年のコーチ
ェラフェスでの復活、そのごNINを伴ったツアー(トレントもファンらしい)などを経ての、二度目の再
結成である。

さて今作はメンバー達も制作すると予想しなかったアルバムで、わずか18日間でレコーディング
されている。あえて作りこまなかったのはいくつか理由があるだろうが、おそらくバンドとしての初
期衝動と、自然に出てくるものを優先したのだと思う。確かに、一聴してもあまり作りこまれていな
いなと分かる楽曲が揃っている。問題点を挙げればいくつも出てくる。作りこみが足りないのは明
らかなので迫ってくるような世界観の強さが無い、ヴォーカルは頑張っているものの歳相応の落
ち着きがありすぎる(良い意味で浮ついていたのが魅力的だったので・・・)、メロディーが弱いな
ど。あと、これは慣れの問題だろうが、音がクリア過ぎる上に、音がかなり違うので違和感がある
(特にドラムが)。過去作は不朽の名作とはいっても確実に時代の音として鳴っていたので、現代
的な音の要素には慣れるのに時間が掛かりそうだ。と、ついつい過去作と比較して考えてしまう
のだが、結果的には「でも頑張ったんじゃないの?」と拍手したくなる。"Saved”のような素晴らし
い楽曲もあるし、独特の緊張感は残っているし。まあ、25年を経て作られたこと、今作のライヴ活
動は一切行わず本当に最後となる、といったような事実がかなり影響しているかもしれないけど。
でも逆に、ライヴやらないんだったら、ライブで再現できないぐらいのなんでもアリなもの作れよ!
という微妙な思いもあったりするのだが。兎にも角にも、バウハウスの幕はこれで下ろされる。今
はその事実のほうが重要かもしれない。

★★★☆ ( 2008 )
You Are Here / South
2008年 05月 04日 (日) 16:03 | 編集

" You Are Here " / South

4thアルバム。ジェームス・ラヴェル主催のMo'Waxからデビューしたというところからして、
他のバンドとは一線を画していた。クラブ・ミュージックとギター・ロックを融合するバンドは
決して珍しくは無いものの、彼らにはセンスがあった。続く2作目では比較的王道なブリテ
ィッシュ・ロックに接近したものの、元々あったサウンドの折衷センスが光る挑戦作であっ
た。シーンと併合しているようで全くしていない、だがしかし実験に溺れることなくしっかり
ポップに仕上げてくる。裏道を進むようなサウスの音楽は、毎回「面白い」。だがしかし、
裏道だからこそあまり注目されないのが残念だ(シーンと結び付けられないからか雑誌、
他メディアでもあまり取り上げられない)。今作が素晴らしいからこそ、一層残念だ。アコ
ースティック、エレクトロニカ、ジャズ、など様々な音楽性を(本当に)自由に行き来するサ
ウンドは変わっていないものの、成熟と深化がみられる。作品を経て感じられる、新人に
は無い落ち着きが非常に心地良い。ジャケットのような幻想、レトロ、逞しさを同時に感じ
られるような豊かさもある(ジャケットの世界観が可愛くて良い)。これは埋もれてほしく
ない才能。

★★★★☆ ( 2008 )
H.A.A.R.P. / Muse
2008年 04月 18日 (金) 08:39 | 編集

H.A.A.R.P. / Muse

去年のライヴ活動が全てこの日への活動準備だったと言っても過言ではない、「ウェンブリー・
スタジアム」でのライヴを収めたDVD+CD。二日間に及んだ(一日8万人らしいので16万人!)
このライヴは何と45分で完売。その事実だけでこのライヴのスケールの大きさ、ミューズの本
国における人気の高さを分かってもらえるだろう。しかしまぁ〜、大きくなったなぁーミューズ。
自分が始めて耳にしたのは3rdアルバムの発売前で、海外ではそこそこ人気が出てきていた
けど、日本ではまだものすごくマイナーだったのに(というか日本での人気を決定付けたのは
06年のサマソニまで遅れた)。レディオヘッドのフォロワーだと言われていたデビュー当時が
嘘みたい。にしても、良くこのキワモノで変態的な音楽が世界的人気を獲得したものだ。だっ
て、メンバーが、蛍光緑のパンツを恥ずかしげも無く履くドラムス・ドムと、ベースプレイと同じぐ
らい首を振ることに情熱を掛けているベーシスト・クリスと、そしてセルフ紙吹雪、ギター背中
弾き&頭の上に乗せてバランスを取ったまま恍惚、カニ歩きで円を描き宇宙と交信、好きな
日本食は「柚子胡椒」(工場も見学したいとか)、などなど数々の奇行・変人エピソードを持つ
ギター&ヴォーカル−ザ・宇宙人マシューベラミーだよ!?(約一名、異常に記述が多いで
すね) 真面目な話、やはり音楽の力なのだろうけど、こういう異端な音楽性がブラックホール
のように色々な人を吸収して行ったその様は正直気持ち良いものがある。

変な話ばかりして内容に全く触れてなかったけど、もちろん最高。(CD+DVD、両方とも結構な
ボリュームがあるにも関わらず3000円ちょいしかしない驚きの安さ)。ぶっ通しでテンション上
がりまくり、鳥肌立ちまくり。そしてやはり巧い、宇宙人だわ全員。ロックの美しさとダイナミズ
ムを味わうには最適かと。ベスト盤的なセットリストなのでミューズ入門盤にも良いのでは。
掛け値無しにサイコー!と言える数少ないバンド。ミューズサイコー!変態万歳!

( 2008 )
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