Deep Impact
音楽全般を扱っています。主に邦楽、洋楽のディスクレビュー。たまに暴走に走ります。
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[Live Report] James Blake ( 2011.10.12 )
2011年 10月 15日 (土) 19:05 | 編集
・James Blake @ LIQUIDROOM ( 2011.10.12 )



ポストダブステップという枠を大きく超えて、近年で最大の新人という評価をする人さえいるジェイムス・ブレイク。逆にハイプだと信じて疑わない人も居たりして、良い意味でも悪い意味でも注目の的と言えるだろう(グラミーとかもノミネートされるのだろうな)。玉石果たしてどちらなのか、それを確認するべく多くの人が期待と緊張感をあらわにする中、彼は登場した。

まず、セットが予想以上に簡素であることに驚く。ステージ上に置かれるのはキーボード&シンセ、ギター&ベース、ドラム(いわゆるバンドのドラムセットではなく、エレクトロニカのライブセットでみられるようなミニマルなもの)のみ。またステージ上の演出に目を向けてみると、照明も一般的で、VJなども無し。一部でストロボが凄かったという意見もあるようだが、同じくリキッドルームで行われたMOGWAIや09年のサマソニでのNINに比べたら衝撃度は少なかったように個人的には思う(そもそも比べること自体凄いことなのだけど)。音数少なめ、装飾少なめ、果たしてそのライブを飽きずに最後まで観られるのだろうか。これが、観られるのである。否、むしろ、極端な装飾を排しているからこそ彼の音楽が持つ歪さが浮き彫りになっていた。

今回のライブの感想をTwitterで追っていると、「何かよく分からなかったけど凄かった」というものをよく目にする。多かれ少なかれライブでの興奮は上手く言語化することができないものだが、今回はより目立っていたかと。それは彼の楽曲がもつ異形さが所以だと思っていて。彼の楽曲は所謂ポップス、クラブミュージックとしてのパターン/反復を避ける。正確に言うと、根幹となる歌は歌詞も含めてループしていることが多いのだが、それ以外のサウンドやアレンジは刻一刻と形を変える。変則的なリズム、突然規格外に鳴りだす重低音はもちろん、それらが相互的に作用してできる「間」が何よりも特徴的だ。歌い始め、止まりそしてまた歌いだすまでの「間」、重ねるだけではない押し引きが感じられる楽器間の「間」、電子音がもたらす恍惚な空「間」。ライヴでの彼の歌自体は肉体的で、逞しいもので音源よりもとっつきやすさを生んでいるのに対して、楽曲の間は音源よりも各パートが整理されて聴こえるため歪さが際立つ。そのポップ・ミュージックともダブステップともつかない奇妙なバランスに前述した感想が出てきているのではないか。静と動や、音圧がどうのという手法を超えて、楽曲そのもので斬新さと新鮮さを感じさせるとはやはり稀代の現代的なソングライターだということを再確認した。何か凄いものを目撃してしまったという興奮が後を引く、数年で何度もない貴重な体験だった。

- Set List -
01.Enough Thunder
02.Unluck
03.Tep and the Logic
04.I Never Learnt to Share
05.Lindisfarne I
06.Lindisfarne II
07.To Care (Like You)
08.CMYK
09.Limit to Your Love
010.Klavierwerke
11.Once We All Agree
12.The Wilhelm Scream

-Encore-
13.Anti-War Dub (Digital Mystikz cover)
14.A Case Of You (Joni Mitchell cover)


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・[Review] James Blake/ James Blake
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[Live Report] SONICMANIA
2011年 08月 14日 (日) 02:11 | 編集
SONICMANIA @ 幕張メッセ ( 2011.08.12 )


初めてこういう写真撮ってみた。ソニマニじゃなくてサマソニだけど。

2005年以来の復活となるソニックマニア。屋内型フェスとしては国内でもかなり大規模なはず。オールナイトのイベントに参加するのも久しぶりなのでなかなか楽しみにしていて、当日は結構ワクワクしたのだが・・・。

まず、入場前でいきなり疲れた。意味不明な導線、フェスなのにドリンク代別、しかもそれを入場前に別の場所でドリンク券に交換しなければならないという全力で異を唱えたいシステム。ただ、この日のクリエイティヴマンはこれだけで終わらなかった。

・Boom Boom Satellites
入場で時間がかかりすぎたため、ちゃんと見られたのは3曲ぐらい。久しぶりにメッセに来たけれども、やはり苦笑するほど音悪いなー。2年前でマリンで、1年前にフジでみて、毎年ブンブンを観ているけれども音の勢いが過去最高に悪い。もちろんそれは本人たちのせいではなくて、パフォーマンス自体は近年の大きいステージでも説得力あるロッキンなサウンドで会場を掌握していた。"Kick It Out"は数年でとんでもないキラーチューンへと成長していて今はブンブンと言えばこれという代表曲になっているんだろうなー(個人的には"Umbra"前後の楽曲がツボなんだけど)。着いたらあっという間に終わってしまった、今回は不完全燃焼。またどこかのフェスでお会いしましょう。

・Primal Scream
今回の最大の目玉「スクリーマデリカ」再現ライブ。私は完全にリアルタイム世代ではないんだけど(最初に聴いたのは"XTRMNTR")、その名盤ぷりは十分に承知でサイコ―に楽しみにしていた。そして"Movin' On Up"のイントロが鳴った瞬間テンションは一時最高潮に達したのだが、その後数曲あれっこんなものかなぁと違和感が拭えなかった。というのも音が小さい。いや、音が小さいだけならまだいいのかもしれないが、音圧が無い。低音部もダビーでグルーヴ感のあるものを期待していたのだが、殆ど味わえず。PA脇で聴いていたから音は比較的良い場所だとは思うのだが、それでこれなら後ろのほうは・・・。最後までこれだったら残念だなぁと思っていたら"Higher Than The Sun"の途中、サイケなパートへ突入するところで音が少し改善された!録音されたものよりも長尺で意識の奥へと深く入り込んでいくようなその何とも言えない恍惚感にようやく冷めていた思いも暖まり始める。その後、"Come Together"、"Loaded"ではやっとこれが観たかったんだよと感動。やはり"Screamadelica"は時代が生んだ奇跡の名盤だけあって楽曲の求心力が半端ではない。後にも先にも20周年のライヴを観られるのは今回だけなので、本当に貴重なものが観られたのだと満足。正直その後の"Country Girl"や"Rocks"が霞んでしまったもの。ぜひ30周年も頑張ってほしい。

・Underworld
最近かなりの頻度で来日していると思われるアンダーワールド。でもそのおかげで今回私もこのタイミングで人生初アンダーワールドを体験できることになったのでありがたい限り。同じ年にケミカルとアンダーワールドを観られるなんて。テクノに初めて触れUK発のテクノをむさぼるように聴いていた高校生のころの自分に、「大人になっても少しはいいことあるよ」と教えてあげたい。
実際に観る彼らは今まで散々映像で観てきたものと良い意味でも悪い意味でも大差なく、テクノミュージックにおけるビック・アクトの役割を最大限に全うしていた。いきなり"Rez/Cowgirl"というのも凄いが、新曲を交えつつ"Two Months Off"、"King Of Snake"とヒット曲連発。彼らのサウンドは基本的にダンス・ビートが前面に出ているのだが、細かなところで特徴的なシンセ・サウンドであったり緻密な音の構築をしているのでいくら聴いていても飽きがこない。その伝統芸能ぶりに静かに感動した。そして最後は"Born slippy"、やっと生で聴けた!!これで「人生で生で聴かななければならない曲リスト」の楽曲がまたひとつ減ったわけだ、うれしい限り。ただ苦言を呈するとすればVJで、ケミカルがその映像とのマッチングを更新し続けているのに比べると生彩を欠いていたと思う。一昔前なら凄かったんだろうけど。


ここでご飯タイム。なんとご飯にたどり着くまでに約1時間の行列。明らかに人を入れすぎ。行列で人も通りづらい状況になっているし、ほかのフェスではありえないほどに非快適な空間になっていた。お酒も飲みたかったけどどこまでが行列なのか分からないほどカオスな状況になっていたので渋々諦める。


・Peter Hook / NEW ORDER-JOY DIVISION (DJ set)
全くの予備知識なしでフッキーだからという理由で観てみたら、思った以上に派手派手なクラブ・サウンドで面食らった。ゴシック/ポジパン~ニューウェイヴでまったり朝までなんて思ってたので・・・。まさか"Galvanize"とかをかけるとは思わなんだ。とりあえず"Blue Monday"と"Love Will Tear Us Apart"だけでも聴けたので、それなりには楽しめたかな?
この後DJプレイが終わって帰ってたら、autoKratzにゲスト参加するフッキーを発見。移動が早いな。独特の高音域で奏でるベースプレイが観られたことに感動しながら1曲だけ聴いて退散。New Order観てみたいな、再結成しないかな~。


いくらパフォーマンスが素晴らしくても、イベントの運営がここまで最悪だとトータルの印象もかなり悪い。運営が悪いためにお客さんのマナーも悪くなり、その悪循環でかなりストレスフルなフェスとなりました。ストレス解消も理由の一つで来てるのに!クリエイティヴマン主催のイベントはやはり毎回こうか、もう余程の理由がない限りサマソニにも他のイベントにも参加しないと心に誓った。


[Live Report] FUJI ROCK FESTIVAL 2011
2011年 08月 14日 (日) 00:25 | 編集
・FUJI ROCK FESTIVAL 2011 @ 苗場スキー場



去年は2日しか参加できなかったフジロック。今年は念願かなって3日間の参加!

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[Live Report] Glastonbury Festival 2011
2011年 07月 09日 (土) 18:17 | 編集



先日に引き続きグラストンベリー・フェスティバル2011について書きます。今回はライブ自体の感想です。3日間観たバンドすべて書いているので、一つ一つに関してはかなり内容薄いです。気軽に読んでいただければ幸いです。

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[Live Report] Asian Dub Foundation ( 2011.03.04 )
2011年 03月 09日 (水) 22:07 | 編集
・Asian Dub Foundation @ Shibuya O-EAST ( 2011.03.04 )




新旧人力ドラムンベースバンドの対バンとなった一夜だった。

・The Qemists
 まずはケミスツ。ニューレイヴシーンから出てきたバンドであり、要はプロディジーチルドレンという認識をしていたのだけど大方間違っていなかったのかな。プログラミングやブレイクビーツがトラックの核となり、一方で生ギター&ドラムが興奮を煽るように鳴るのが基本形。時にギターとドラムが前面に出て、王道的なリフの応酬が続く。その上で、ゲストヴォーカルが入れ代わり立ち代わり、シャウト、ラップ、熱唱と異なるスタイルで楽曲のエモーショナルな部分をブーストさせていく。今書いていても思うがそれはかなり定型化されたものであって、言わば音楽的には手垢のついた手法である。しかも手垢がついているとは言え、ジャンル自体が歴史的には層をなしていない分、急速な消費へと繋がってしまうのも事実。実際、この手のダンス・ロック・ユニットというのはシーンの衰弱とともにあっという間に消えてしまっている。
 だからと言って彼らのライヴが全く面白くなかったかと言うとそんなことはなくて、むしろかなり好意的に受け取ることが出来た。様々な音楽性を吸収しようとする試行錯誤と、あくまでもそれを陽性に表現しようとする姿勢を観ることが出来たから。諸手を挙げて称賛するほど強烈なインパクトを感じ取ることはなかったけれども、また観る機会があれば積極に観てみたいと思う。

・Asian Dub Foundation
 そして真打であるエイジアン・ダブ・ファウンデーション。フジロックなどで何度も来日しているし、彼らのライブには悪い噂を聞いたことが無い。ライブバンドとしては盤石とも言える地位を誇っていて、この日も貫録たっぷりのパフォーマンスを展開していた。
 ルーツであるバングラビートを駆使しながらも、あくまでもそれを手段として扱い、ダブ、ロック、エレクトロニカなどを織り交ぜた独自のダンス・ミュージックを発信する。ルーツに頑なにならないことで、ポップミュージックとしての強度を保持し、常に最新型にアップデートさせていく。それは伝統としての民族音楽に重きを置く人などには滑稽に映るのかもしれないが、その姿勢があったからこそ現在のシーンで活躍出来ているのだ。しかもその背景には強固なコミュニティーの結びつきがあるため、それ故にメンバーチェンジを経てもなお独自性が失われない。
 それゆえ新旧という括りで観客の反応に差が出ない。いい意味で「やっていることは同じ」だから、どの曲のイントロでも歓声があがり、ここぞというところでモッシュが起きる(前方はなかなか激しい状態となるので未見の方は注意を)。これだけのキャリアがありながら新作の曲もキッチリ盛り上げるのは素直にすごい。とはいえ、"Flyover"や"Fortress Europe"などのアンセム・ナンバーの時は他とは違ったカオティックな盛り上がりを見せるのだが。まあ鉄板曲だから仕方ない。他にも、ドール(民族楽器)のソロがあり、ノイジーなギターの衝撃があり、"A History of Now"をチュニジア、エジプト、リビアに捧げる「らしさ」があったりと盛り沢山。やはりどこに出ても鉄壁のライブアクト、ぜひ今年のフジロックにも出演してほしい。

-Set List-
01. Bride of Punkara
02. Rise to the Challenge
03. Take Back the Power
04. Urgency Frequency
05. Target Practice
06. A New London Eye
07. Speed of Light
08. A History of Now
09. Futureproof
10. Burning Fence
11. Flyover
12. Dhol Rinse Jam
13. Nexalite
14. Oil

-Encore-
15. Fortress Europe
16. Rebel Warrior


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[Review] " A History Of Now " / Asian Dub Foundation
[Review] " Punkara " / Asian Dub Foundation

[Live Report] Jonsi (2010.12.04)
2010年 12月 06日 (月) 00:06 | 編集
・Jonsi @ 新木場Studio Coast ( 2010.12.04 )



 ライブには大きく分けて2種類の要素があるように思う。ひとつはパフォーマーとオーディエンスの間に一枚の見えない幕があるような、ショーとして世界観を観る(感じる)こと。もうひとつはパフォーマーとオーディエンスが一体となり、感動を共有すること。両者もライブの大きな魅力である。これは多かれ少なかれどのアーティストも持っているものであると思うが、シガー・ロスは世界的にみても前者に長けたアーティストといえるのではないだろうか。神秘的で、神聖とさえいえる彼らの音楽は圧倒的な構築美を誇り、ライブでも圧倒的な完成度を保つ。しかし今回はソロでのライブであり、シガー・ロスの音楽を再現することは出来ないし、本人もそれを望まなかった。この日のライブは、ソロというフットワークの軽さを効果的に活用した前者から後者への移行であった。
 まず、この日の彼はミニマルな編成で客の前へと(本当にさらっと)姿を現した。彼の息遣いまでもまでも感じられるような限られた音の中で、深遠な森のような世界観を提示した。客席は何か凄いものを前にする緊張感で覆われ、同時に客の目を、心を一気に掌握してしまう。その後もスローで繊細な楽曲が続く。音数が増え、幻想的な映像がバックに流れ、ますますその緊張感が高まっていく。この緊張感の中で彼の歌声はまさに天からのお告げのような崇高さで響き、演奏もそれをより高めるように鳴らされていく。しかし、"Go Do"を境に緊張は雪崩のように崩れ落ちる。そして代わりに立ち上がってくるのは、生命の躍動のようなアグレッシヴさだ。強烈なドラム/パーカッションが迫り、ヨンシーも動かずにはいられないように右へ左へと移動し、そして搾り出すように叫ぶ。これまでの張り詰めた雰囲気を一気に開放し、抑えることの無いエモーションが会場を満たしていく。そこには歓喜が溢れていて、最後に向かって加速するように終演を向かえた。
 シガー・ロスで培ってきた世界観を描きながらも、最後には全く別の場所へ着地してしまう、彼の多様性あるいは芸術家としての絶好調ぶりを見せ付けられた一夜だった。音楽が表現しうる様々な側面を、2時間足らずで表現できる人間がいったい他にどれだけいるだろうか。そう考えると本当に貴重なものを目にしたのだという充実感で胸がいっぱいになる。

・Set List
01. Stars In Still Water
02. Hengilas
03. Iccicle Sleeves
04. Kolnidur
05. Tornado
06. Sinking Friendship
07. Saint Naïve
08. Go Do
09. Boy Lilikoi
10. Animal Arithmetic
11. New Piano Song
12. Around Us

- Encore -
13. Stick And Stones
14. Grow Till Tall

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[Review] "Go" / Jonsi
[Live Report] Sigur Ros ( 2008.10.26 )

[Live Report] FUJI ROCK FESTIVAL 2010
2010年 08月 08日 (日) 14:55 | 編集
・FUJI ROCK FESTIVAL 2010 @ 苗場スキー場



念願かなってのフジロック、ついに参戦することが出来た。有給が上手く取れなかったので二日目と三日目のみの参戦。初めてのフジロックは予想以上に天気が悪く、キャンプサイトは過酷で、坂が多く、泥だらけの場所だった。音楽を聴く中でこれ以上不自由な環境は無いというぐらい。だが、そこに音楽と自然しか存在しないからこそ、圧倒的な非日常が味わえる天国のような場所でもあった。まだ夢見心地は続いているけれども、何とか言語化していこうと思う。詳細なレビューはもっと文章力のある人に任せるとして、軽い気持ちで書いていくのでよろしくどうぞ。
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[Live Report]MIKA ( 2010.06.08 )
2010年 06月 13日 (日) 23:53 | 編集
・MIKA IMAGNATION TOUR 2010 @ Zepp Tokyo ( 2010.06.08 )



 まず、開演時間が40分ほど押してくれたことに感謝したい。サラリーマンになって初めてのライヴだったのだが、やはりサラリーマンにとって平日はきつい。ライヴのオープニングと言うのはとても大切な瞬間であると思うので、しっかりと目に出来たことは素直に嬉しい。

 才能が溢れまくってて、歌唱も抜群で、スター性も凄かったのは言うまでもない。やはりポップス界に生み落とされた怪物に違いない。ただ前回との違いを語るとすれば、11月のライヴが(宇多田ヒカルまでをも動員した)一大ファンタジー祭りで、今回は彼らしい世界観が反映されたライヴであったと言える。彼の世界観と言うのは、彼の言葉を借りれば「歓喜に満ちた音楽とダークな歌詞という相反する要素がマジックを生む」ということ。つまりは第一級のメロディーや歌声で一見楽しげなことをやってみせて、実はえげつないことを歌っていると。そうすることでただのポップスではありえない推進力とエモーションが彼の音楽には存在するのだ。それが今回は分かりやすい形で、ショーとして完成度がより高く提示されていた。
 今回のライヴには死を連想させるものが多い。セットの十字架や髑髏、バンドメンバーをひとりづつ殺し自分に銃弾を放つ(ふりをする)演出など。満月を連想させるスクリーンに映される映像も底抜けに明るいものは皆無で、彼の闇や絶望をしっかりと見せていた。そうすることによって前述のエモーションが生まれ、単に「楽しい」や「良い曲」を超えていく。これこそがポップ・ミュージックの最大の魅力にして真髄であり、彼がそれを分かっているからこそスターであるのだ。こんな最高に楽しくて最高に悲しいライヴなら何度見たって飽きないだろう。次の来日公演はいつになるか分からないが、絶対に足を運びたいと思う(出来れば休日にお願いします)。
 ただ、唯一の不満は未だにハコが小さいことだ。これは前回の来日の際も書いたことだが、この才能にライヴハウスは狭すぎる。アリーナやスタジアムで見るとモニュメンタルなものになるような気がするのだけど。3rdアルバムこそ真価を発揮するものになってほしい。

-Set List-
01. Relax (Take It Easy)
02. Big Girl (You Are Beautiful)
03. Stuck in the Middle
04. Dr. John
05. Blue Eyes
06. Good Gone Girl
07. Billy Brown
08. Touches You
09. Rain
10. Blame it on the Girl
11. Happy Ending
12. Love Today

- Encore -
13. Toy Boy
14. Grace Kelly
15. Lollipop

16. Relax (Take It Easy)

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MIKA ( 2009.11.30 )
[Live Report] Placebo (2010.03.06)
2010年 03月 08日 (月) 11:09 | 編集
・Placebo @ 赤坂BRITZ (2010.03.06)



 この日をどれだけ待ちわびたか分からないほど、念願の単独来日公演!「もう来ることはないだろうな・・・」と諦めて、ブートを買っていた頃の自分に諦めるなと言ってやりたい(しかもそのブートで結構満足してた)。今回の来日自体も、この日の公演がソールド・アウトになったのも去年のサマソニがあったからこそだと思うので、クリエイティブマンには感謝をしなきゃな。そしてもちろん、ライヴは最大限に楽しませてもらった。
 まず思ったのは、このバンドの佇まいの説得力というか強度。フロントのブライアン・モルコとステファンはロックバンドらしからぬスーツなんか着ているし、全員が位置に着いたときの歪なオーラが凄い。耽美で幽玄、ただらなぬ雰囲気を感じたというか、まだ演奏してないのにこれから凄いことが起きるんだというものをビンビン感じる。
 そして、もちろん演奏も最高だ。プラシーボの魅力って何かといえばそれは2点あって。ひとつは、グラムやゴシックからの影響を感じさせるような独特の美意識。もうひとつは、耽美さが難解さに陥らず、ロックソングとして抽出出来る手腕。この日はどちらもCDの100倍ぐらい感じることが出来たと思う。美意識はブライアンのヴォーカルとスローな楽曲にこそ宿っていると思うが、特にヴォーカルに度肝を抜かれた(ヴァイオリンもそれにプラス作用)。聴き手の内面をえぐるような訴えるもので、発声/発音が独特で、本当に個性あるヴォーカリストだなぁと再確認。"Battle For The Sun"、"Follow The Cops Back Home"などではそれが良く感じられて、その歌声にウットリと聴き入ってしまった。一方で、ロックバンドとしての強度や、ライヴ慣れを感じたのはアップテンポの曲。最近のプラシーボはサポートを3人入れているのだが、メンバーのうち3人はギターを弾いていることが多い。単純に音圧が高くなるのに加えて、それぞれ違うパートを弾いていたりしてギターロックとしての深み、厚みが以前よりも増している。ポジティヴなロックソングが多い最新作の楽曲が映えるのは言うに及ばず、比較的大人しいと思っていた過去の楽曲さえ強靭にビルドアップされていた。さすが15年選手といった確かさを感じたし、このロックバンドらしさから一切逃げていない彼らの方向性は実に全うだ。美意識と王道的なギターロック、この二つがバランス良く、そしてどちらも薄まることなく体感させることが出来るプラシーボはやはり素晴らしいバンド!
 セットリストもバランスよく、新旧の名曲たちに聴き惚れていたらあっという間に時間が過ぎ去ったライヴだった。恐らくバンドも手ごたえを感じただろうし、次の来日は8年後なんてことは無いと思うので、近い将来待ってます。ぜひ日本でも海外並みの人気を得て、もう少し大きい会場でも一体感が感じられるような瞬間を見てみたい。狭いところで見るのも良いけど、このバンドには勿体無いと思えるからね。

- Set List -
01. For What Its Worth
02. Ashtray Heart
03. Battle For The Sun
04. Soul Mates
05. Speak In Tongues
06. Follow The Cops Back Home
07. Every You Every Me
08. Special Needs
09. Breathe Underwater
10. Julien
11. The Never-ending Why
12. Come Undone
13. Devil In The Details
14. Meds
15. Song To Say Goodbye
16. Special K
17. The Bitter End

- Encole -
18. Bright Lights
19. Trigger Happy
20. Infra-Red
21. Taste In Men


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"Battle for the Sun"レビュー
Paramore ( 2010.02.13 )
2010年 02月 21日 (日) 21:49 | 編集
Paramore @ 新木場 Studio Coast ( 2010.02.13 )



 実は自分が彼らに対する認識というのは、曲はいいけど、ロックバンドとしてはどうなのという半ば信用し切れていないものだった(アルバム買ったのに)。明らかに先人の教えをそのまま実践したようなポップパンク/エモであるし、ヘイリーの容姿ばかりクローズアップされるこの状況はどうなのよと。しかし、このようにチケット代を払って見に行ったように、後からその考えこそが浅はかであると反省したのは言うまでもない。そもそもこのバンドはアイコンになりえるヴォーカルがいて、タイトな演奏があって、良い楽曲があって、良いバンドでないはずは無い。自分がイメージで勝手に勘ぐっていただけで、評価されるべくして評価された真っ当なロックバンドである。この日の彼らを見て、その考えが確信へと変わった。

 客電が落ち、演奏が始まり、デカデカと「PARAMORE」の文字がせせり上がっていくスタートで客のテンションは沸点に。"Ignorance"、"crushcrushcrush"、"That's What You Get"という次々とアッパーな楽曲を放ち、ダイバーも続出。ギターがバーンと鳴って、シンガロング出来て、ギターロックの最も良い部分ってこうだよなぁということを再確認させるような勢いを感じた。その後もライブ向きの曲が最後の"Brick By Boring Brick"(パラッパ~)まで続き、結局最後まで沸点が持続していたのではないだろうか。曲数があまり多くないこともあるかもしれないけど、本当にあっとういう間に「駆け抜けた」ライヴだった。でも振り返ってみると、ただ単なるノリの良いバンドではなかったことが思い出されて、それは"The Only Exception"、"Decode"の2曲があったから。どちらも現時点での最新作に収録されている楽曲だが、前者がアコースティックな面、後者が「トワイライト」の世界観ぴったりのダークな面を見せている。こういうのを中間に挟んで来るあたり他のエモ勢とは一線を画す、未来を感じるバンドだなぁと思うのである。そしてこの2曲のヘイリーの歌声が本当に凄かった(最初はあれ?調子悪いかな?と思ったけど)。

 いわゆる「ロック的な」ライヴってどういうものを言うのだろうか。キャーではなくウォーと雄たけびを挙げるような様子?みんな揉みくちゃになって汗だくになる感じ?内面のエナジーを開放することが最優先されるような空間?もしそれがロック的なライヴの構成要素なのだとしたら、この夜は紛れも無くロックバンドのそれだった。

01. Ignorance
02. crushcrushcrush
03. That's What You Get
04. Looking Up
05. Careful
06. Let The Flames Begin
07. Let This Go
08. The Only Exception
09. Never Let This Go
10. Pressure
11. For A Pessimist, I'm Pretty Optimistic
12. Where The Lines Overlap
13. Decode

- Encore -
14. Misery Business
15. Brick By Boring Brick
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