2008年
07月
24日
(木)
13:04 |
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" Third " / Portishead
11年ぶりの3rdアルバム。このジャケットのやっつけ具合が長い歳月に対する彼らの答え
かもしれない。11年ぶりとはいっても本人達に休止しているという自覚は無く、「ごく自然な」
インターバルだったそうだ。彼らの完璧主義とマイペースさには全く恐れ入る。「いつか出して
欲しい」と半ば妄想のような期待を抱いていたら、実際に出てしまった今作。片耳から片耳へ
そのまま抜け出しているような気がして、かなり長い間作品と向き合うことが出来なかった。
彼らの作品に対する覚悟とは裏腹に、リスナーとしての覚悟が足りなかったようだ。もう既に
かなり再生回数を重ねた今、漸くおぼろげに作品が見えてきた気がする。
まず、作品の手法が今までとは大きく異なる。サンプリングを用いたジャンルのるつぼ的な
手法からは一転、今作は生音が主軸に作られた一見シンプルにも思えるサウンドに。でも
何故かシンプルに思えないのは、ベスの狂気が増加したような歌声が凄まじいから。何か
もう、厭世というのを超えた、闇そのものが語りかけてくるようなゾクゾクとした感触を持って
いる。この作品を支配する闇が、長いインターバルでも一切埃を被っていないのは驚きだ。
これほどまでに「暗い」作品は今後数年無いだろう。もしかすると様々なサウンドテクスチャ
ーに隠されていた過去の作品よりも、数段暗いもの、ディープなものとなっているかもしれな
い。数々のフォロワーを煙に撒くような新たな手法とポーティスヘッドの作品に対する誇りを
目の当たりに出来る、歴とした「ニューアルバム」である。でも正直まだ半分も理解しきれて
いないと思う。リズムに対する違和感、闇を受け止める心の覚悟が足りない、同時代性が
無さ過ぎる、様々な理由があるとは思うが一番の理由はこれが冬に出なかったことだと思う
(大真面目に)。これから暑くなってくる、もしくは既に暑い、そういう時期にこれを引っ張り出
しては聴かない。今はまだ評価できる時期ではない、これから長い期間を掛けてじっくり向き
合っていかなければ。もしかすると、次作までそんなに時間はないかもしれないが。
( 2008 )
2008年
07月
24日
(木)
05:32 |
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" floating pupa " / pupa
「高橋幸宏の新バンド構想の呼びかけにより、原田知世、高野寛、高田漣、堀江博久、
権藤知彦の計6人で結成」されたpupa(ピューパ)。これがたまらなく良い。事前情報だと
ユキヒロ氏の割合が強い"BLUE MOON BLUE"の続編のようなもので、それ以上のものは
見せてはくれないと思っていたが、実際は期待した以上に本気だ。確かに生音+エレクトロ
ニカと言う意味ではソロの延長線上というのは間違ってはいないのだが、今作では他のメン
バーがもっと自由に音を奏でていて、聴き流せないポイントが沢山ある(特に目立たないギ
ターがかなり良し)。でも、ただ流していても全く問題ないような、浮遊感と自由度がこのア
ルバムには溢れていて、それがまた良いのだ。本気だけど自然、ベテランならではの熟練
と、力の抜き方を分かっている。加えて、メロディーがちゃんと存在していること、原田知世が
キュートさを醸し出していることも大きなポイントだ。今作を聴いていると、やっと生音+エレク
トロニカが普通のポップスに聴こえてくる、そういう時代になったのかなーと嬉しい気持ちに
なってくる。いつ聴いても、どこで聴こうと気持ちの良いアルバム。生活のちょっと先に見え
るユートピア。
★★★★☆ ( 2008 )
2008年
07月
18日
(金)
11:18 |
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ついにレイジのザックがシーンに戻ってきます!「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの
ザック・デ・ラ・ロッチャと、元マーズ・ヴォルタのジョン・セオドアが新たなプロジェクト
"One Day As A Lion"を立ち上げ7月22日(US)にEP盤をリリースする。(日本では
9月24日発売予定) 」ということです。フルアルバムではないのですが、実に8年ぶり
の新作です。レイジの再結成もあり、良いタイミングでの復活かと思います。というか
本当に待ってました!最近、レイジの再生率がかなり上がっているのは、自分だけ
じゃないはずです(笑)
で、その音源が漸く到着!彼らのマイスペースにて"Wild International"が公開され
ました!なるほど、レイジの激情というか熱はそのままに手法が大分変わってますね。
軽快なデジタルビートに、上モノも結構歪んでて、良い具合の緊張感を生んでいます。
何よりもザック節が健在なのが何よりも嬉しいところ。怒りから冷徹な表現へ・・・
とにかくアルバムが楽しみであります(その前にEP、もちろん買いますよ)!
そういえば、ザックと言えば、DJ SHADOWやNINのトレントとも仕事をしているって話が
ありましたけど、今回は全部お蔵入りですかね?この新曲を聴く限り、両者とのコラボ
レーションはかなり良い結果を生んでそうなんですけどね。
- 関連ページ -
・One Day As A Lion 公式ページ
・One Day As A Lion : Myspace
2008年
07月
18日
(金)
00:28 |
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" 私と放電 " / 椎名林檎
椎名林檎ももう10周年である。それを記念する形で発表されたのが今作、カップリングベスト
である。嫌でもシングルベストは出さないという姿勢が伺える。同時発売の"私と発電"という
クリップベストの方がよりベストらしいとは、いかにも彼女らしい。というのも彼女ほどアルバム
のコンセプトを大事にしている人はいないわけで、シングルを寄せ集めて聴いただけでは本当
に一面しか見えないからだ。でも彼女自身も「遊び場」と定義しているカップリングなら(こういう
風に解釈しているアーティストは多い)、トータリティーは始めから問題にならないし、かえって
彼女のバックボーンの豊かさを物語る。「女性」という立場からの鋭利な歌詞、ジャズや歌謡曲
の匂いの感じられる世界観、グランジなど洋楽オルタナティヴからの影響、何処と無く危うさを
持ち合わせた歌声。でもそれらが散漫に聴こえるのではなく、全て椎名林檎らしさというのを
演出しているのが凄いところだ。カップリングという「遊び場」ではそのバラバラ具合に拍車が
掛かっていて更に面白い。いちいちクオリティーが高いのは勿論、天晴れなぐらい統一感が
無い。本当に音楽が好きで、本当に天才なんだなこの人と再認識してしまった。最近の表現
の自然さを見ると、これからも作品を提供し続けてくれるに違いない。むしろ、これからの方が
楽しみかも。とりあえず、10周年おめでとうございます。
( 2008 )
2008年
07月
14日
(月)
20:31 |
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" Seeing Sounds " / N.E.R.D
3rdアルバム。ロック一筋だとかブラック系一筋みたいな人達にあんまり受けなくて、分け隔
てなく音楽を聴く人の方がこのプロジェクトを評価しているのも頷ける。だってこの人達のサウ
ンド・ミクスチュアリング能力って尋常じゃなくて、着地点が毎回凄いところに行くからだ。ロッ
クの初期衝動やソウルフルな音楽を求める人には理解するのに時間が掛かるのかもしれない。
彼らの持ち味は、生演奏の押し引きでもなく、サンプリングの魅力でもなく、プロダクションの
凄みだ。ロックもヒップホップもR&Bも全て同等に扱われ、一緒くたに料理されるのだ。今作は
それが過去最高に高いレベルに到達している。「流行の音、カッコいい音に対する嗅覚が凄い
よねー」という以上の「恐れ入りますわ・・・」という隙の無さ。だがあくまでも、シンプルで、本人
達は楽しんで作っていそうなのが更に恐い(隙が無いのに、妙な開放感がある)。ファレルの
ヴォーカルが今まで以上に上手く乗っかっているのも素晴らしい。どこにも属さない、だが属さ
ないからこそ孤高。こういう音って皆やりたいんだと思うんだけど、なかなか出来る人は少ない。
強いて言えばゴリラズぐらい?そういえばこのジャケットもゴリラだね。全く関係ないけど。
★★★★ ( 2008 )
2008年
07月
05日
(土)
15:43 |
編集

" The Opiates Revised " / Thomas Feiner & Anywhen
2001年に発表されたアルバムの再発盤。恐らく、このトーマス・フェイナーという人の情報に
関しては、日本でほとんど知られていないと思うので(かくいう自分も知らなかった)、再発し
た経緯を書いてみよう。スウェーデン出身のトーマス・フェイナーは元々エニーウェンと
いうバンドに在籍しており、1993年にデビューしている。その後セカンドアルバムを発表、そし
てエニーウェンの3rdとして制作されたのがこの"The Opiates"。とはいってもメンバーがどん
どん抜けていって最後はトーマス・フェイナー一人になってしまったそう。エニーウェン時代は
小さな注目を集めていたらしいが、世界的にはまだまだ無名に近かった。しかし、映画『青い
棘』で起用され、デヴィッド・シルヴィアンがこの映画を見てその声に感銘を受けたことから事
態は変わっていく(デヴィッドも凄い声の持ち主だけど)。そして記憶にも新しいのが、去年発
表されたスティーヴ・ジャンセンの初のソロ・アルバムへの参加だろう。そこでも渋みのある素
晴らしいヴォーカル・ワークを披露している。そして漸く、デヴィッド・シルヴィアンのレーベル、
サマディ・サウンドからこのアルバムが再発された、というわけである(アートワークもデヴィッ
ドシルヴィアンが担当)。この才能を再び世に発信したサマディ・サウンドは最大級の賛辞を
送りたい。だってこれは埋もれさせてはいけない作品なのだから。
やはり、まず耳が行くのはその声だろう。トム・ウェイツなどを連想する深く、味わい深い歌声。
低音が良いのは勿論、中高音には独特の艶やかさ、切なさもある。デヴィッド・シルヴィアンや
ルーファス・ウェインライト並みに良い声(分かる人はその意味が分かるでしょ?)。そしてまた、
厭世的で詩的な歌詞や、ソングライティング、アレンジも秀逸。特にアレンジは製作の間に
メンバーの形態が変わっていったこともあって、実に様々。バンドサウンドのアグレッシヴネス
と、ストリングスによる壮大さを兼ね備えた楽曲はおそらくバンド時代からの延長線だろう。これ
がまた素晴らしいわけだが、自分がとりわけグッと来たのは、音数が少ない、トーマス・フェイナ
ーの独白のような楽曲だ。音数が少ないことによって、ヴォーカルの凄まじさが浮き彫りになり
鳥肌必死の楽曲となっている。全体を通して、デカダンスと耽美な世界観を感じさせる、まさに
"The Opiates"。既に中毒化していて、しばらくヘヴィー・ローテーションから離れそうに無い。
ただ、ひとつ気になるのは今後の展開。ちゃんと作ってるのだろうか。絶対届けて欲しい。
★★★★★ ( 2008 )
2008年
07月
01日
(火)
14:34 |
編集
・MTV LIVE 06.26.08 @ Zepp Tokyo

素直に楽しい〜と言えるライヴであったし、まさにライヴハウスってこういうライヴだよなー
っていうのを実感しただけだったのであまりくどくど書くのは止めようと思う。本当に素直に
楽しかった。
・GLORY HILL
おそらくメロディック・パンクということになるんだろうけど、そこまで強い個性というのは感じ
なかったかな。グッドメロディーに、パンクらしいリズム、ささやかなコーラスなどなど何処を
取っても普通。音楽性の幅も狭く、これから頑張ってもらいたいところ。まぁ20歳前後とかな
り若いバンドなので仕方ない。
・MONGOL800
有名曲は知っているけどそれ以外は全く知らないと言う状態での鑑賞。やっぱり前バンドの
時よりもはるかに会場に熱を感じる。このバンドは新曲の「さよなら」という曲を披露していた
のだがその曲が一番良いと思った。ゆったりとした演奏の中に、しっかりとした押し引きと感情
があって、数々の有名曲よりも数段良く聴こえた。どうやら今年で10周年だそうで、年輪が
刻まれたライヴだったような気がする。でもいつまでも「田舎の兄ちゃん」的体裁を保っている
のは微笑ましい。
・Dragon Ash
自分も彼らも久しぶりのライヴ。何度も見ているけどこのバンドのライヴでの安定感は只者じゃ
ないなーやっぱり。どこで出しても盛り上がると言うのは分かる気がする。曲が持つ圧倒的な
アッパーな空気感は見るものに情熱をもたらす。近年開発したラテン/サンバのリズムがまた、
らしくて良い。新曲も過去曲も分け隔てなくその空気を作るのだから、今が一番の充実期と言
うのは間違いない。でも何度も見ている自分にとってはセットリストが若干マンネリのような気
もして、はやく新曲(どうやら降谷建志が久しぶりに痛みを伴って書いた曲らしい)、アルバム
を聴きたいと言う気持ちを抑えられなくなってきた。

素直に楽しい〜と言えるライヴであったし、まさにライヴハウスってこういうライヴだよなー
っていうのを実感しただけだったのであまりくどくど書くのは止めようと思う。本当に素直に
楽しかった。
・GLORY HILL
おそらくメロディック・パンクということになるんだろうけど、そこまで強い個性というのは感じ
なかったかな。グッドメロディーに、パンクらしいリズム、ささやかなコーラスなどなど何処を
取っても普通。音楽性の幅も狭く、これから頑張ってもらいたいところ。まぁ20歳前後とかな
り若いバンドなので仕方ない。
・MONGOL800
有名曲は知っているけどそれ以外は全く知らないと言う状態での鑑賞。やっぱり前バンドの
時よりもはるかに会場に熱を感じる。このバンドは新曲の「さよなら」という曲を披露していた
のだがその曲が一番良いと思った。ゆったりとした演奏の中に、しっかりとした押し引きと感情
があって、数々の有名曲よりも数段良く聴こえた。どうやら今年で10周年だそうで、年輪が
刻まれたライヴだったような気がする。でもいつまでも「田舎の兄ちゃん」的体裁を保っている
のは微笑ましい。
・Dragon Ash
自分も彼らも久しぶりのライヴ。何度も見ているけどこのバンドのライヴでの安定感は只者じゃ
ないなーやっぱり。どこで出しても盛り上がると言うのは分かる気がする。曲が持つ圧倒的な
アッパーな空気感は見るものに情熱をもたらす。近年開発したラテン/サンバのリズムがまた、
らしくて良い。新曲も過去曲も分け隔てなくその空気を作るのだから、今が一番の充実期と言
うのは間違いない。でも何度も見ている自分にとってはセットリストが若干マンネリのような気
もして、はやく新曲(どうやら降谷建志が久しぶりに痛みを伴って書いた曲らしい)、アルバム
を聴きたいと言う気持ちを抑えられなくなってきた。
2008年
07月
01日
(火)
13:22 |
編集
2008年6月の購入記録です。
新作
・" Transition Transmission " / Baker Brothers
・" Viva La Vida or Death And All His Friends " / Coldplay
・" Velvet Touch " / Dragon Ash
・" Silent Cry " / Feeder
・" Strength In Numbers " / The Music
・ " Seeing Sounds " / N.E.R.D.
・" The Opiates – Revised " / Thomas Feiner & Anywhen
・" Odyssey - The Definitive Collection (SHM-CD) " / Vangelis
・" So It Goes " / 會田茂一
・" NEVAEVA " / 柚木隆一郎
旧作
・" Bakers Dozen " / Baker Brothers
・" The Downward Spiral (Deluxe Edition/Parental Advisory) [SACD Hybrid] " / Nine Inch Nails
・" NARKISSOS " / サディスティック・ミカ・バンド
・" FLYING SAUCER 1947 " / ハリー・ホソノ&ザ・ワールド・シャイネス
DVD&Blu-ray
・" アース (Blu-/ray Disc) "
・" スパイダーマンTM トリロジーBOX (Blu-/ray Disc) "
・" ブレードランナー ファイナル・カット (2枚組) (Blu-/ray Disc) "
・" Jellyfish ヒーリングアート クラゲ"
ブルーレイが続々と増えてますね。結構割引とかで買ってるんですけどね。
ブレードランナーをブルーレイ画質で見れたのはかなり嬉しいです。これから
何度も見ますよ!たぶんDVDはもう見ないんだろうなぁ〜。ボックスも買ったのに。
新作CDは未レビューが多くてすみません・・・。頑張りますので。
新作
・" Transition Transmission " / Baker Brothers
・" Viva La Vida or Death And All His Friends " / Coldplay
・" Velvet Touch " / Dragon Ash
・" Silent Cry " / Feeder
・" Strength In Numbers " / The Music
・ " Seeing Sounds " / N.E.R.D.
・" The Opiates – Revised " / Thomas Feiner & Anywhen
・" Odyssey - The Definitive Collection (SHM-CD) " / Vangelis
・" So It Goes " / 會田茂一
・" NEVAEVA " / 柚木隆一郎
旧作
・" Bakers Dozen " / Baker Brothers
・" The Downward Spiral (Deluxe Edition/Parental Advisory) [SACD Hybrid] " / Nine Inch Nails
・" NARKISSOS " / サディスティック・ミカ・バンド
・" FLYING SAUCER 1947 " / ハリー・ホソノ&ザ・ワールド・シャイネス
DVD&Blu-ray
・" アース (Blu-/ray Disc) "
・" スパイダーマンTM トリロジーBOX (Blu-/ray Disc) "
・" ブレードランナー ファイナル・カット (2枚組) (Blu-/ray Disc) "
・" Jellyfish ヒーリングアート クラゲ"
ブルーレイが続々と増えてますね。結構割引とかで買ってるんですけどね。
ブレードランナーをブルーレイ画質で見れたのはかなり嬉しいです。これから
何度も見ますよ!たぶんDVDはもう見ないんだろうなぁ〜。ボックスも買ったのに。
新作CDは未レビューが多くてすみません・・・。頑張りますので。
2008年
06月
26日
(木)
09:31 |
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" Silent Cry " / Feeder
6thアルバム。フィーダーを聴いていていつも思うのは「やっぱロックって良いなー」ということ。
オタク気質な自分はついつい音楽を聴くときに、表現していることは何なのか、何がどうなって
こういうことになっているのか、あれこれ考えてしまうのだが、フィーダーには殆どそういうことは
ない。勿論、フィーダーが中身空っぽな音楽をしているわけではなくて、「どうやって来ても多分
好き」という信頼があるからだと思う。ここで、このメロディーが来て、ここでギターがガーっと鳴
って・・・とインプットしすぎてパンク寸前の頭の中身を全て放出してくれるような、シンプルさと
心地良さがある(他にこんなことを思わせてくれるようなバンドは実は少なくて、パッと思いつい
たのがフー・ファイターズとファウンテインズ・オブ・ウェインぐらい)。今作もまたフィーダーが好
きなら、間違いなく違和感なく最後まで聴ける作品だ。ただ、前2作が「前進するんだ」という強
い意志を感じる、というかある意味コンセプチュアルだったのに対して、今作はあまりにもフラッ
ト。「プランも何も無かった。ただ集まって作ったんだ(ライナーより)」というグラントの言葉も頷け
る。それが今作の明快さを生んでいる。でもちょっと残念なのは、せっかく近年培ったメランコリ
ックな作風というのもあるのだから、上手くアルバムに配置すれば引き締まったのに、と。結構
あの方向でも行けると思うので。プロデューサーのギル・ノートンを離れ、事実上セルフ・プロデ
ュースになったことの唯一の失敗かもしれない。まあ、それでもこのバンドへの愛着は全く
変わらないし、今作が良質なロックアルバムということも変わらないけどね。
★★★☆ ( 2008 )
2008年
06月
23日
(月)
03:24 |
編集

" LOVE ADDICT " / VAMPS
HYDEとKAZの新プロジェクト。とはいっても以前も組んでた二人なので純粋な新ユニットとは
いえないし、どうしても「HYDEソロ」として聴いてしまうのだが。Hydeの楽曲と言うのはラルク
の楽曲も含めて、主に80年代のニューウェーブ、90年代の一部オルタナティヴ(結構激しめ
だけどメロディアスなやつ)への愛情が素直に伝わってくるものが多い。だが、ラルクの場合
は、享受するリスナーのあまりの多さ、それに何よりもそれぞれ音楽的素養が違うメンバー
によって、よりカラフルな曲へ生まれ変わっていく。もちろんそこがラルクの魅力ではあるが、
この色々なものが削ぎ落とされて鳴らされているソロもまた良い。ラルクファンを煙に撒きなが
ら、本当に好きなものを、好きな形で奏でるという(もちろんHYDEは一流のメロディーメイカー
でもあるので、凄く聴きやすくはなるのだけど)。シルヴィアン風の静のロックをやってみたり、
いきなりハードロックへ転向したりと痛快な活動を続けている。
今作はその中でもかなり削ぎ落とした楽曲じゃないだろうか。必殺のメロディー、艶やかな
歌声、技巧なプレイヤー、前作にあった重い歌詞の世界観、それらを全て削ぎ落とし、ノリと
疾走感を感じさせるフツーのギターロックになっている。「腐りきった日本のチャートにドでかい
爆弾を落としてやるぜ!」なんて気概を感じさせないのも素晴らしい。あくまでもフツーにやっ
ている。やはりHydeはソロの意味を良く分かっていると思う。ただ、「最近の音楽は絶対聴い
てないでしょ?」と思わせるぐらい、同時代性が無さ過ぎて、好き勝手やりすぎと戸惑ったり
もするのだけど。これ戸惑うのはラルクファンだけじゃない(笑)まぁらしいっちゃらしいけど。
決して、お洒落だったり、「オッこりゃ凄い曲だ・・・」なんて唸ることはないけれど、こういうのが
日本で流れているのはそこまで悪い状況じゃないと思う。期待しないで聴きましょう。
でも、そろそろ「静」の方をやって欲しかったのでちょっと肩透かしを食らったような気も。
まあアルバムを聴いてから判断だなそれは。それかもっとHydeがオッサンになってから
渋みとともに聴かせてくれるのかな。
( 2008 , Single )




